【記者会見-6】「これからもバドミントン界のためにできること、新しいことにチャレンジしていきたい(高橋)」

8月19日(水)、2016年リオ五輪女子ダブルス金メダリストの髙橋礼華/松友美佐紀(日本ユニシス)がオンラインによる記者会見を行ない、女子ダブルスとしてのペア解消、髙橋の現役引退、そして松友が混合ダブルスに転向することを発表した。記者会見の終盤には、引退する髙橋が日本バドミントン界をこれからも応援していくことを明言。最後は、別々の道を進むパートナーに、それぞれ感謝の思いを伝えた。


――今や全種目で満遍なく世界のトップクラスの力を持つまでに成長した日本バドミントン界を髙橋選手はどうとらえていますか。今後の可能性、後輩たちへの期待感を教えて下さい。

髙橋 小椋(久美子)さん、潮田(玲子)さんの活躍からバドミントンが注目されるようになって、オリンピックで末綱(聡子)さん、前田(美順)さん、藤井(瑞希)さん、垣岩(令佳)さんが活躍。そして自分たちがメダルを取るようになって…。そのおかげで注目されるようになったんだよって言っていただくことも多いですが…、結果がすべての世界ですが、自分たちだけじゃなくて、周りの選手から受ける影響も大きいです。周りの人たちの頑張りが、自分も頑張ろうって思う源になる。

種目は違うけれど、女子シングルスの奥原(希望)選手が優勝したら、私たちも負けていられないという気持ちになりますし、逆に全英オープンで自分たちが優勝したから奥原選手は自分も頑張れたと言ってくれた。誰かが頑張ることで、相乗効果になると思う。

今の日本のバドミントン界は、いろんな人が活躍することで、お互いに刺激し合える、いい状況にあるんじゃないかなと思っています。

今は、オリンピックをめざしている選手にとってはすごくつらい状況だと思いますし、(オリンピックが)開催されるのかどうかというのもあって、モチベーションが上がらないと思うけど、私は、1回下がっても、オリンピックで金メダルを取りたいと思ったら、絶対にどこかでスイッチが入ると思う。落ちるところまで落ちたらまた上がればいいと、私は思っています。

日本代表だけでなく、ジュニアナショナルの選手や、高校生・中学生の子たちが、これからメダルを取ってくれるようなバドミントン界になればいいなと思っています。そのためには、若い時に必死になって食らいつくのが大事だと思うので、私はそういう部分に期待したいと思います。

――これまで解散危機になるくらいの険悪な時期、関係性が悪くなった時など、今だから話せるエピソードなどあったら教えてください。

髙橋 覚えていない…。多少何かはあったとしても、解散したいって本気で思ったことはない。“もう無理なのかな”“ここで終わっちゃうのかな”って思ったことはあったとしても、もう解散したいという話を持ち掛けたことはない。

二人で組んできてピンチだと思ったのは、五輪レース中に二人とも体調不良になってしまったこと。インドネシアOPで、同じ日に体調が悪くなって、試合ができるかわからないという状況が、3日間、4日間と続いた。インドネシアでポイントを取らないとまずいと思っていたタイミング。どちらかが体調が悪かったら、どちらかがカバーすればいいけど、その時はどちらもだった。それは初めての経験。帯同してくれた人たちにはたくさん迷惑をかけてしまい、それだけは忘れないと思います。

松友 こんなに、二人で同じ目標を持って頑張れるっていうことはなかなかないことだと思うので、それが…あったからこそ、私たちはここまで長い間一緒にやってこれたと思う。もちろん、結果としての目標はお互いありますけど、お互いに言葉に出していたことはたくさんはなかったですが、目標とするペアやこういうペアになりたい、という思いが二人の中にあってこれまでやってきた。その思いがあるので、その中で、そういうこと(解散の危機)はないかなと思います。

――タカマツペアがいたから、二人が金メダルをとったからこそ、それに続こうと日本の女子ダブルスの多くのペアがこの4年間で大きく飛躍したと思っています。試合で負けて悔しい思いをさせられたこともあったと思いますが、日本の女子ダブルスを次のレベルにステップアップさせたという自負の気持ちがあるでしょうか。また、次を任せる後輩ペアたちへのメッセージをお願いします。

髙橋 そう言ってくださるのはとてもうれしいことですが、自分自身はそう思っていません。ただ、後輩たちが“自分たちのおかげで私たちも”となってくれたのは、すごくバドミントン界にとってはうれしいことだなと思います。

女子ダブルスに限らず、今は試合が中断して、どの競技もそうだと思いますが、試合がないとモチベーションが上がらなかったり、どうやって毎日過ごしていこうかと考えたりすると思うけど、やはり、最終的な目標はぶれることなく、やっていってほしいと思います。

引退はしますが、試合があることというのは当たり前じゃないということ、試合できることのありがたさというのをかみしめながら、これからバドミントン界がレベルアップしていくように私も陰ながら応援していきたいなと思っています。

松友 そういうふうに言っていただけるのは私たちにとってうれしいことです。私たち自身は、先ほども言いましたが、ずっと目標にしてきたペアがいたり、そういう存在になりたいと思ってやってきたので、そういうふうに周りの方から思っていただけたならうれしいです。

私自身は今後も頑張っていこうと思っているので、(後輩の選手と)一緒に頑張っていけたらなと思っています。

――最後に皆さんにメッセージを。

髙橋 本日はこのような状況なので、オンラインになってしまいましたが、たくさんのメディアの方、ファンの皆さんにこうして報告できたことをとてもうれしく思っています。

私は8月31日に引退はしてしまいますが、これからもバドミントン界のためにできることだったり、また新しいことにチャレンジしていきたいなと思います。これからも、応援してもらえたらうれしいです。

松友には、ありがとうという言葉では伝えきれないくらい、感謝しきれないくらいです。ミックスダブルスは女子ダブルスとはまったく違う展開になってしまうと思う。自分たちが組んでいて乗り越えられていたようなことでも、もしかしたら壁にぶち当たることもたくさんあると思うんですけど、松友なら絶対に大丈夫だと思う。これからも、一番に応援していきます。本当に、本日はありがとうございました。

松友 本日は、お時間をいただきありがとうございました。そして、これまで私たち二人を応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。私たちは二人で、本当に幸せな時間をたくさん過ごせてこれたと思っています。

そして、髙橋先輩、長い間、本当にありがとうございました。本当に、先輩のおかげで、ダブルスのおもしろさを知ることができましたし、本当に…これから、続けていくなかで、先輩と一緒に練習しなかったり、一緒に試合や遠征にいくことがないと思うと……全然実感も湧かないです。

たくさん一緒に笑ったり、泣いたりしたこと、そういう時間もなくなると思うととても寂しいですけど……、これからも私はまだ頑張っていくので、一番近くで応援していただけたらうれいです。そして、私も先輩のことを誰よりもずっとずっと応援しています。本当に、ありがとうございました。

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取材・構成/バドミントン・マガジン編集部

写真/アフロスポーツ・日本ユニシス


投稿日:2020/08/19
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