3月6日〜10日まで、BWFワールドツアー・全英OP2019（イングランド・バーミンガム）が開催される。ワールドツアーの中でも格付けが高いSuper1000の大会には、世界のトップランカーが一挙に集結する。毎年、各種目ともに初戦から激しい試合を展開しており、バドミントンファンにとっては大注目の大会だ。
100年以上の歴史を持つ全英OPでは、日本選手も優勝を果たしている。近年では2016年に女子シングルスの奥原希望、女子ダブルスの髙橋礼華／松友美佐紀がW優勝を飾り、昨年は混合ダブルスで同種目では初めて渡辺勇大／東野有紗が頂点に立った。今年も各種目で優勝候補が多数いる日本代表の活躍を期待して、全英OP2019の展望を紹介していく（世界ランキングは2月26日付）。
▼放送予定
バドミントン全英ＯＰ2019
ＣＳテレ朝チャンネル2にて
２日目から決勝まで独占放送！
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【混合ダブルス展望】
昨年の全英OP混合ダブルスでは、日本選手として初めて渡辺勇大／東野有紗が優勝を飾った。混合ダブルス専任コーチのジェレミー・ガン氏が就任から３大会目での快挙だったこともあり、同種目に対する注目度、そして渡辺／東野の注目度もアップした。また、混合ダブルス専門の日本代表選手も選出されるようになり、これまで“日本のアキレス腱”といわれた同種目で結果を出す選手も増加。世界のトップと対等に渡り合える種目へと変貌しつつある。
その第一人者で、全英OP２連覇をねらう世界ランク３位の渡辺／東野は、第３シードとして大会を迎える。その１回戦の相手は、デンマークのクリスチャンセン／ペデルセンとなった。世界ランクは渡辺／東野よりも下位の９位に位置しているが、2018年は欧州選手権で準優勝、Super500の韓国OPでも準優勝の成績を残すなど、侮ることはできないペア。渡辺／東野は初対戦となるが、相手は欧州ペアらしく、序盤からパワーと駆け引きで揺さぶってくるはず。前半でしっかり自分たちのペースを作り、試合を優位に進めていきたい。なお、渡辺／東野が初戦を勝ち上がると、２回戦では前週のドイツOP（Super300）で優勝を飾った徐承宰（ソ・スンジェ）／蔡侑玎（チェ・ユージュン／韓国）と、魯愷（ルー・カイ）／陳露（チェン・ル／中国）の勝者と激突する。序盤から強敵との連戦になるが、ここを切り抜けて２回目の全英優勝をつかみとりたい。
今年からA代表として活動する権藤公平／栗原文音は、１回戦でデンマークのノアー／トゥーグセンと対戦する。相手は好成績こそ残してはいないが、2018年はSuper500以上の大会に参戦しており、経験値でいえば権藤／栗原を上回る。日本ペアが勝てば第１シードの鄭思維（ツァン・シーウェイ）／黄雅瓊（ファン・ヤーチョン／中国）との対戦が濃厚だが、五輪レースに向けて、一つでも勝ち星を手にしたいところだ。
世界ランク48位の保木卓朗／永原和可那、同51位の金子祐樹／松友美佐紀は、それぞれ初戦からシードペアとの勝負に挑む。保木／永原は16年リオ五輪銀メダリストのチャン・ペンスン／ゴー・リューイン（マレーシア）、金子／松友は世界ランク４位のデチャポル／サプシリー（タイ）が相手。日本の２ペアは男女ダブルスにも出場するが、本業での勝負に勢いづける意味でも、上位ランカーから勝利をつかみたい。
【出場者】
全英選手権：1899年に第１回大会をロンドンで開催。当初は男子ダブルス、女子ダブルス、混合ダブルスの３種目で行なわれた（翌年から男女シングルスも実施）。バドミントンの国際大会としては、最も歴史と伝統のあるオープントーナメントとして知られている。1977年に世界選手権が開催される以前は、世界の頂点を決める大会として世界のトップ選手が出場し、多くの名勝負を繰り広げてきた。日本選手は1960〜70年代にかけて、女子シングルスに出場した高木紀子、湯木博恵、竹中悦子などが優勝。女子ダブルスでも相沢マチ子／竹中悦子、徳田敦子／高田幹子などが頂点に立っている。最近では2016年に女子シングルスの奥原希望、女子ダブルスの髙橋礼華／松友美佐紀が単複W制覇を遂げたほか、2018年は混合ダブルスの渡辺勇大／東野有紗が、同種目日本勢初の優勝を飾っている。
文／バドミントン・マガジン編集部
写真／BADMINTONPHOTO
