【インカレ2023】本命視のプレッシャーの中、苦戦を耐え抜いた小川&熊谷が初栄冠!<男子ダブルス>

大学日本一を決める第74回全日本学生選手権<インカレ>が、愛知県名古屋市で開催。大会最終日となった10月12日には、パロマ瑞穂アリーナで個人戦の準決勝及および決勝が行なわれた。ここでは男子ダブルスのダイジェストをお伝えする。

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【男子ダブルスダイジェスト】

四つ角シードのうちベスト16に残ったのは2つだけ。いずれも日本大で、第1シードの小川航汰/熊谷翔(上写真・左)の4年生ペアと、東日本インカレ・チャンピオンの江口心/後藤拓人の2年生ペア。この2組はさらに順当に準決勝まで駒を進め、日大の決勝対決までそれぞれあと一つという状況を迎えた。

昨年のベスト4でともにB代表に名を連ねる小川と熊谷に立ち向かったのは、宮下怜/栁川蓮(明治大)の2年生ペア。シングルスでの連覇が叶わなかった宮下がダブルスに託す思いは強く、しかも団体戦では小川/熊谷にストレート勝ちした手応えもあった。第1ゲームを小川/熊谷、第2ゲームを宮下/栁川と取り合って迎えたファイナルゲーム、拮抗状態が続く展開から小川/熊谷がコンビ力の光るスピーディーな攻撃で21-17で勝利。3試合連続のファイナル勝負をものにした。

一方、江口/後藤に対しては、男子の個人戦で西日本から唯一準決勝に残った西大輝(左)/木田悠斗(龍谷大)の3年生ペアが、16本、19本で勝利して決勝の日大対決を阻止。混合ダブルスのB代表に選出されている西がなかなか大学での練習に参加できないという中、団体戦での準々決勝敗退の悔しさを晴らすべく決勝進出を決めた。

混合ダブルスと男子ダブルスでは、当然ながらテンポもプレーも異なる。勝ち進みながら男子ダブルスのプレーを「取り戻していった」という西だが、決勝はコンビとして過ごした時間の長い小川/熊谷にアドバンテージがあっただろうか。攻守に安定感を見せた熊谷/小川が、第1ゲームを14本で奪い、第2ゲームはドロップも駆使した冷静な攻撃で終盤を17オールから制した。B代表として本命視される中で苦しい戦いが続いた小川/熊谷だが、重圧に勝ち、そしてインカレ初栄冠を勝ち取った。

優勝:小川航汰(左)/熊谷翔(日本大)

小川「B代表という立場で負けちゃいけないというプレッシャーはどこかにあったと思います。団体戦では、今回も秋リーグで負けがつき、いい状態とはいえませんでしたが、その中でもこの個人戦に気持ちを切り替えて、強気を前面に出して攻撃パターンをつくっていけたと思います。ベスト8決めの藤澤(佳史)/安保(武輝/筑波大)には、完璧に対策をされていて苦しかったですが、戦いながらプレーの修正をして逆転勝ちできたのが大きかった。その後も続けてファイナルゲームにもつれながら、乗り越えられたと思います」

熊谷「どの試合と特定できないくらい、初戦からずっとしんどい試合が続いた印象です。それだけに、終わってみれば楽しかった。4年間ずっと(小川と)組んできて、特に多くを語り合わなくてもコンビネーションに関しては絶対的な自信のようなものがある。プレッシャーもありましたけど、最後のインカレで優勝したいという素直な気持ちを持ち続けて、最後まで前向きにがんばれたことが大事だったのかなと思います。終わってみれば楽しい大会でした。来年は後輩たちに団体優勝を果たしてもらいたいです」

男子ダブルスの上位入賞者。前列左から木田悠斗、西大輝(龍谷大)、小川航汰、熊谷翔(日本大)。後列左から後藤拓人、江口心(日本大)、栁川蓮、宮下怜(明治大)

▼準決勝

小川航汰/熊谷翔②〔21−17、15−21、21−17〕1●宮下怜/栁川蓮(明治大)

西大輝/木田悠斗(龍谷大学)②〔21−19、21−18〕0●江口心/後藤拓人(日本大)

▼決勝

小川航汰/熊谷翔②〔21−14、21−18〕0●西大輝/木田悠斗

取材・文/山口奈緒美

写真/早浪章弘

投稿日:2023/10/13
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