【日本ランキングサーキット】「やっと優勝できて、うれしい。2位の選手だと思われたくない」(奈良岡功大)<選手コメント集-1>

日本トップ選手が集う2022日本ランキングサーキット(5月28日-6月1日/埼玉・サイデン化学アリーナ)。最終日の6月1日は、各種目決勝が行なわれた。ここでは男子シングルス、女子シングルスの試合後の選手コメントを紹介。

【女子シングルス】

大堀彩(トナミ運輸)

決勝結果:川上紗恵奈(北都銀行)を2-1で破り、優勝

今大会は、私の立ち位置的にも緊張するというか、すぐには負けられない大会でした。その中で、欲を出しすぎず、気持ちを少し抑えて一本一本を考えて1回戦から最後までできた。決勝は久しぶりに優勝するチャンスがあるということで、朝から力が入っていたのですが、うまく自分自身をコントロールできたのはよかったです。川上選手は、動きがすごく速い。1ゲーム目の前半はネット前のフェイントにも崩されましたが、試合前から対策を考えてコートに入れたのがよかった。ファイナルゲームでは、序盤で相手がミスを続けてくれたのがラッキーだったなと思います。

B代表になり、少しずつ世界ランキングも落ちている状況ではありますが、だからこそ、どんな大会でも結果を積み重ねていくことが大事。その先に海外での活躍やA代表復帰があると思うので、今後も今大会と同じように、目の前の一大会を大事にしていきたい。そうすれば、結果はついてくると思うので、一つひとつ全力でやっていきたいです。

川上紗恵奈(北都銀行)

決勝結果:大堀彩(トナミ運輸)に1-2で敗れ、準優勝

昨日とはまた違った風の中で、最後まで風をつかみきれず、自分のほうに流れを持ってこられなかったと思います。ラリーすればチャンスがあったのですが、そこで自分が先にミスしてしまい、大堀選手に楽な試合展開にしてしまったのかなと。大堀選手は長身でカットが鋭く、シャトルが風に乗ると、さらに鋭さが増すので、それを落とさないようにと思っていました。今まで決まっていた球が大堀選手に対しては簡単に決まらなかったり、自分のショットがうまくいかないというのが今日は出てしまったので、今後、そういうところを安定させないと勝っていけない。今大会は気持ちを強く持って、最後までその気持ちをぶらさないようにと臨んでいて、決勝はミスが続くと迷う場面もありましたが、自分の軸として大きくはぶれずに戦えたので、試合内容は別にして気持ちの面では悪くなかったのかなと思います。ミスを減らして、戦術を増やして、出直してきます。

【男子シングルス】

奈良岡功大(IMG)

決勝結果:小本翔太(日立情報通信エンジニアリング)を2-1で破り、優勝

やっと優勝できてよかったです。2位の選手だと思われたくない。ファイナルゲーム16オールになった時はヒヤヒヤしましたけど、守ったらダメ。ドライブなどを使って攻めていけたのがよかったです。ポイントになったのは、ファイナルゲームの前半で離せたこと。相手のミスにも助けられました。でも、小本選手のフィジカルが本当に強くて。B代表で一緒だった頃から仲よしなんですけど、試合前に「お互いにベストを尽くそう」と話して、それができたと思う。楽しかったです。

コロナで試合に出られない時期はすごく苦しかったですが、試合に出られた時に勝てばいいと考えて、しっかり練習を重ねてきました。その成果が出ていると思う。決勝の最後も、海外でたくさん試合をしてきた試合感覚の差があったのかなと思います。

自分は今、世界ランク42位。A代表に入って、まずはパリ五輪のレースを回れるように頑張りたいです。それに、今回のトマス杯を経験して、日本が強くなるためにも自分たちの世代が頑張らないといけないと感じているので、その中で自分が引っ張って行けるようにやっていきたいです。

小本翔太(日立情報通信エンジニアリング)

決勝結果:奈良岡功大(IMG)に1-2で敗れ、準優勝

率直に言うと、悔しいです。相手は実績のあるプレーヤーですけど、コートに入ったらそれは関係ないので勝ちたかった。最後、自分のクオリティが落ちて、動きも後手になっていってしまいました。

第1ゲーム前半は、少し空回りしたところがあり、入りが悪かったのですが、第2ゲームは我慢してラリーをしながら、攻める気持ちを忘れずにプレーできたのかなと。ファイナルゲーム、15オールのあと長いラリーの最後にスマッシュを決めて逆転できたのですが、直後に力が入って単調なラリーで点数を許してしまったのが後悔するところです。

(奈良岡)功大は次世代として期待されていますが、僕は年齢的にもそこに勝って結果を出さないといけないと思っていました。だからこそ、悔しい。ただ、今大会を通して、坂井(一将)さん、古賀穂に初めて勝って、田中湧士とは初対戦でしたが勝つこともできて、自信にはなりました。すぐあとに全日本実業団があるので、チームのエースになれるように頑張ります。

取材・構成/バドミントン・マガジン編集部

写真/黒崎雅久

投稿日:2022/06/01

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