【高校選抜2022】齋藤駿が単複ともに同校決勝を制して3冠達成!<男子個人>

第50回全国高校選抜大会」は、28日に栃木県の日環アリーナ栃木で大会最終日を迎えた。この日は男女ともにダブルスが準決勝から、シングルスが準々決勝から実施され、各種目で春のチャンピオンが決定。ここでは男子ダイジェストをお伝えする。

【男子ダブルス】

ダブルスを制した岩野滉也(右)/齋藤駿。ウイニングポイントをつかむと喜びを爆発させた

最終日を迎えて3冠の可能性を残したのは、団体戦を制したふたば未来学園の2年生・齋藤駿と、1年生の谷岡大后。その二人がダブルス、シングルスともに決勝へと勝ち上がり、同校対決を実現した。

先に行なわれたダブルスでは、岩野滉也/齋藤が山岡陸歩/安保武輝(聖ウルスラ学院英智)を、崎野翔太/谷岡が犬嶋宏介/野村波輝(東大阪大柏原)を2-1で撃破。ともに第1ゲームを失う苦しい展開だったが、ここから勝負強さを発揮。優勝への強い思いを感じさせる気迫のプレーで2、3ゲームの競り合いをモノにした。

決勝でペースを握ったのは、2年生ペアの岩野/齋藤だ。1月の東北選抜では崎野/谷岡に14本、12本で敗れていたが、「今回は挑戦者の気持ちで向かっていけた」と二人。岩野が積極的に前に出て齋藤が後ろで攻める形を多く作って第1ゲームを15本で奪うと、第2ゲームも攻めの姿勢を崩さず、16本で決着。ともに個人ダブルスでは初めてとなる全国タイトルをつかみ取った。

崎野翔太(右)/谷岡大后は東北選抜のリベンジを許して準優勝。「最後の最後で自分のプレーが出し切れず悔しい」(崎野)

【男子シングルス】

齋藤の3冠なるかに注目が集まったシングルス。齋藤と谷岡は、“打倒・ふたば未来”に燃える挑戦者たちを次々と迎え撃った。齋藤は佐藤瑠活(東大阪大柏原)、平田璃月(水島工)を2-0で破って決勝に進出。前日に続いて隙のないプレーで相手を寄せつけず。一方の谷岡は準々決勝で瓊浦の奥野天斗に2-1と苦しんだものの、準決勝は菅原海斗(浪岡)との1年生対決を2-0で突破。第1ゲームは21-19と競り合ったが、第2ゲームはスピードを上げて一気に勝負を決めた。

「連戦で今日の初戦から体がきつかった」と言う谷岡。それでも決勝は勝利への執念を見せて先輩の齋藤に食らいつく。第1ゲームは10-16と離されながらも、ねばり強いプレーで競り合いに持ち込み、21-20とゲームポイント握る。しかし、ここで強さを見せたのは先輩の齋藤。「目の前の一本に集中して強気にいけた」と3連続ポイントでこのゲームを奪うと、第2ゲームは主導権を掌握。持ち前の足を生かして早いタッチで先手を取り、21-13と谷岡を突き放した。最後は渾身のスマッシュをサイドライン際に突き刺してガッツポーズ。2019年大会の奈良岡功大(当時・浪岡)に続く3冠を達成した。

東北選抜決勝で敗れた谷岡に雪辱を果たして頂点に立った齋藤。4日間で17試合を戦い抜いた
ダブルスの敗戦から気持ちを切り替えて決勝まで勝ち上がった谷岡。「最後まで踏ん張れずに、2位で終わったのは悔しい。でも、やり切れた気持ちはある」と清々しい表情を見せた

【優勝コメント】

齋藤駿(ダブルス&シングルス優勝)

「インターハイ以降、3冠を目標にしてやってきたので、素直にすごくうれしいです。単複ともに東北選抜では自分で勝手にプレッシャーを感じて負けてしまった。でも今回は、挑戦者の気持ちで向かっていけたのがよかったです。

ダブルスの勝因は、勝負所で引かなかったこと。それに、自分は後衛ですが、後ろからでもチャンスを作れるように球に早くさわって沈めていくプレーを意識していて、そこから攻撃に展開できたことがよかったです。岩野はダブルスがうまくて、かなり助けられました。カバー力もすごいし、とても冷静。岩野がいるから、安心して思いきりプレーをすることができました。

インターハイまであと4カ月。夏は埼玉栄もいる。これで気を抜かずに、“圧勝の3冠”を目標にやっていきたいです」

岩野滉也(ダブルス優勝)

「個人的に、全国大会での優勝が小学5年の全小以来。中学の時から2位や3位が続いていたので、すごくうれしいです。決勝は自分がどんどん前に出て、齋藤に後ろで打たせる形を作れたことがよかったと思います。気持ちで負けないことを二人でテーマにしていて、準決勝で競った場面も強い気持ちでできた。ただ、今回は埼玉栄や去年の選抜優勝ペア(大田隼也/佐々木大樹・高岡第一)が出ていない中での優勝。まだこれが全国1位の実力かわからないので、彼らと対戦しても勝てる力をつけていきたいです」

岩野滉也(左)/齋藤駿(ふたば未来学園)

【男子個人戦の結果】(28日)

男子ダブルス

▼準決勝

崎野翔太/谷岡大后(ふたば未来学園・福島)②〔13-21、21-19、24-22〕1●犬嶋宏介/野村波輝(東大阪大柏原・大阪)

岩野滉也/齋藤 駿(ふたば未来学園・福島)②〔15-21、21-17、21-18〕1●山岡陸歩/安保武輝(聖ウルスラ学院英智・宮城)

▼決勝

岩野滉也/齋藤 駿(ふたば未来学園・福島)②〔21-15、21-16〕0●崎野翔太/谷岡大后(ふたば未来学園・福島)

 

男子シングルス

▼準々決勝

齋藤 駿(ふたば未来学園・福島)②〔21-12、21-10〕0●佐藤瑠活(東大阪大柏原・大阪)

平田璃月(水島工・岡山)②〔16-21、21-19、21-13〕1●衣川真生(比叡山・滋賀)

谷岡大后(ふたば未来学園・福島)②〔21-11、9-21、21-12〕1●奥野天斗(瓊浦・長崎)

菅原海斗(浪岡・青森)②〔21-17、21-15〕0●城戸郁也(水島工・岡山)

▼準決勝

齋藤 駿②〔21-13、21-8〕0●平田璃月

谷岡大后②〔21-19、21-5〕0●菅原海斗

▼決勝

齋藤 駿②〔23-21、21-13〕0●谷岡大后

取材・文/バドミントン・マガジン編集部

写真/井出秀人

 

投稿日:2022/03/29
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