【全日本総合2020】試合巧者の遠藤&渡辺が2年連続V達成!<決勝戦ダイジェスト-3>

12月27日に開催された第74回全日本総合選手権(東京・町田市立総合体育館)最終日、男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルスの決勝戦が行なわれた。ここでは、男子ダブルス決勝のダイジェストをお伝えする。

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【男子ダブルス】

総合決勝の最終試合に組まれた男子ダブルスは、渡辺勇大(日本ユニシス/上写真・右)が第1試合の混合ダブルスで優勝を飾り、遠藤大由とのペアで2年連続「2冠」に王手。対するは、準決勝でトナミ運輸の先輩・園田啓悟/嘉村健士を2-1で下し勢いに乗る保木卓朗/小林優吾。強打を誇るホキコバが、3回目の総合決勝で悲願の優勝をねらった。

鉄壁のディフェンスから攻撃のリズムを作る遠藤/渡辺と、小林の強烈なアタックを軸にポイントを奪う保木/小林。攻守のスタイルがはっきりしたペア同士の対戦は、前半に「攻」の保木/小林がリード。遠藤/渡辺が大きく上げる展開を見逃さず、鋭いスマッシュで11-5。「1ゲーム目の前半は自分たちがリードする展開でしっかりできていた」(保木)。

しかし、このまま逃がすわけにはいかない遠藤/渡辺も、途中から試合の組み立てをチェンジ。「序盤は相手のスピードが速くて対応できなかった」(遠藤)という展開から、渡辺がサービスまわりの対応で変化をつける。「渡辺選手の3球目(の対応)で流れがガラッと変わった」(遠藤)というように、少しずつ点差を詰めていく。一度は保木/小林が18-12まで差を広げたものの、ここから遠藤/渡辺が猛追。スピードが上がり、リードしていたはずの保木/小林が後手に回ると、8連続得点の遠藤/渡辺が20-18で一気に逆転。そのまま押し切って第1ゲームを先取した。

「1ゲーム目を取れば(試合が)有利になるのはわかっていた」と小林(上写真・右)が振り返るように、経験豊富で守備的な遠藤/渡辺を相手にするなら、1ゲームを奪った勢いそのままに、第2ゲームも戦いたいところ。しかし、第1ゲームを連続失点から逆転され、リズムを失った保木/小林は立て直すことができない。「気持ちの切り替え、作戦など、自分たちの引き出しが一つ少なかった」(保木)と、第2ゲームも王者ペアの勢いに飲まれる。逆に主導権をつかんだ遠藤/渡辺は、5-2から11連続得点。試合を完全に支配し、最後は21−9で完勝。「総合は僕の中ですごく大事な大会」と語る遠藤は、早川賢一とのペア時代も含めて6回目のV達成。渡辺も3回目のV、そして2年連続「2冠」を決めて今年最後の大会を終えた。

▼決勝

遠藤大由/渡辺勇大(日本ユニシス)②〔21-19、21-9〕0●保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)

取材・文/バドミントン・マガジン編集部

写真/菅原淳

投稿日:2020/12/28
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