【世界選手権2023】山口、保木&小林、松本&永原ら優勝経験者が2回戦を突破!<3日目結果>

8月23日に開催されたBWF世界選手権2023(デンマーク・コペンハーゲン)3日目は、各種目2回戦が行なわれた。日本代表は多くの選手が登場。女子シングルスで史上初の3連覇をめざす山口茜らが勝ち上がった。

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山口(上写真)は、世界ランク52位のネスリハン・アリン(トルコ)にわずか28分で勝利。国内での直前合宿前に右足を痛めたが軽快な動きを見せた。「2ゲーム目に自分から仕掛けるとかスピードを上げるやり方もあったけど、そうすると(調子が)いい時に比べて足りないところもある。自分ができる範囲で丁寧にやっていけた方が、今はいいかなと思う」と淡々と得点を重ねたゲームを振り返った。

男子シングルスと女子ダブルスは、すべての出場選手が2回戦を突破。24日に激突する日本勢対決の2試合が決まった。男子シングルスは、常山幹太と西本拳太。先に勝ち上がったのは、常山だ。風下だった第1ゲームはウクライナの長身選手に苦しんだが、終盤は相手のバックアウトを誘発。第2ゲームを押し切ってストレートで勝利を収めた。西本戦に向けて「僕が負けても、別に失うものはない。一緒に練習していて手の内も分かっている。気持ちの強さで勝敗は決まる」と静かに闘志を燃やした。

対する西本(上写真)は、ユリエン・カルラッギ(ベルギー)との初対戦で「思っているより早いタイミングでスマッシュがきた」と苦戦。それでもファイナルゲームでは主導権を渡さず、2-1で79分のタフマッチを制した。3回戦での常山との対決は、パリ五輪の出場権争いに影響を与える可能性が高い一戦だが「自分が絶対勝つんだという強い気持ちを持ってやりたい」と意気込んだ。同種目では、奈良岡功大も順当に3回戦へ進んでいる。

女子ダブルスは、志田千陽/松山奈未(上写真・右)と中西貴映/岩永鈴が3回戦で対戦する。志田/松山は、世界ランク21位の李佳馨/鄧淳薫(台湾)にストレートで勝利。風下になった第2ゲームはやや苦戦したが、終盤にしっかり突き放した。志田は「相手はパワーがあり、ネット前への詰めも速かった。(シャトルが)飛ばない方のエンドで、安易に(レシーブを強く)引っ張ってしまったけど、最終的には、先に沈めたり、大きな空間を使ったりできたのでよかった」と修正点を明かした。

中西/岩永は、地元デンマークのペアと対戦。完全アウェーの空気に戸惑いながら、ファイナルゲーム21本の大激戦を制した。3回戦で戦う志田/松山には2連勝中だが、中西は「直接対決で勝っただけ。上の相手に挑む気持ちでやりたい」と挑戦者の立場を貫いた。同種目では、松本麻佑/永原和可那と福島由紀/廣田彩花も初戦だった2回戦を突破した。ほかに、混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗が3回戦に駒を進めた。

男子ダブルスは、保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)が初戦を突破。古賀輝/齋藤太一(上写真・手前)は、2回戦で東京五輪王者の王齊麟/李洋(台湾)に0-2で敗戦。競り合った第1ゲームを20-19のゲームポイントから逆転されたのが痛恨だった。古賀は「ロングサービスに対して相手がドロップを打った球をしっかりと上げられず、また前に落とされて決められてしまった。ロブの精度とがもう少しよければと思いました」と悔しがった。第2ゲームは中盤から引き離されて0-2。競り合う力があることは証明したが、勝つ力は明らかに相手が上だった。

混合ダブルスの山下恭平/篠谷菜留は、初戦だった2回戦で敗退。1回戦で緑川大輝/齋藤夏を破ったリバルディ/メンタリ(インドネシア)に1-2で競り負けた。「いつもよりネット前に沈めようと短めに打った球がミスにつながった」と勝負所での攻め急ぎを悔やんだ。

大会4日目の24日は、日本勢対決2試合を含め、日本勢出場カードが9試合行なわれる。23日の結果と3回戦の対戦カードは以下の通り。

【男子シングルス】

▼2回戦(8月23日)

奈良岡功大②〔21−12、21−16〕0●トマ・ジュニア・ポポフ(フランス)53 分

西本拳太②〔24−22、23−25、21−8〕1●ユリエン・カルラッギ(ベルギー)79分

常山幹太②〔22−20、21−15〕0●ダニエロ・ボスニウク(ウクライナ)48分

▼3回戦(8月24日)

奈良岡功大 – 李卓耀(香港)

西本拳太 – 常山幹太

【女子シングルス】

▼2回戦(8月23日)

山口茜②〔21−7、21−11〕0●ネスリハン・アリン(トルコ)28分

▼3回戦(8月24日)

奥原希望  − ラチャノック・インタノン(タイ)

山口茜 – ブサナン・ンバルンパン(タイ)

【男子ダブルス】

▼2回戦(8月23日)

保木卓朗/小林優吾②〔21−12、21−10〕0●譚強/任翔宇(中国)32分

古賀輝/齋藤太一●0〔20−22、16−21〕②王齊麟/李洋(台湾)45分

▼3回戦(8月24日)

保木卓朗/小林優吾 − マウラナ/フィクリ(インドネシア)

【女子ダブルス】

▼2回戦(8月23日)

志田千陽/松山奈未②〔21−16、21−15〕0●李佳馨/鄧淳薫(台湾)39分

中西貴映/岩永鈴②〔21−17、20−22、23−21〕1●トゥーグセン/フォウガード(デンマーク)88分

松本麻佑/永原和可那②〔21−11、21−5〕0●オ・ヨング/ホフマイヤー(オーストリア)26分

福島由紀/廣田彩花②〔21−11、21−14〕0●V・フー/リム・CS(マレーシア)42分

▼3回戦(8月24日)

志田千陽/松山奈未 – 中西貴映/岩永鈴

松本麻佑/永原和可那 – タン/ティナー(マレーシア)

福島由紀/廣田彩花 – 李汶妹/劉玄炫(中国)

【混合ダブルス】

▼2回戦(8月23日)

渡辺勇大/東野有紗②〔21−12、21−15〕0●リンデマン/ウー(カナダ)30分

山下恭平/篠谷菜留●1〔15−21、21−14、14−21〕②リバルディ/メンタリ(インドネシア)

▼3回戦(8月24日)

渡辺勇大/東野有紗 – クシャリジャント/クスマワティ(インドネシア)

取材・文・写真/平野貴也

投稿日:2023/08/24

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