【S/Jリーグ2022】決勝の切符をつかんだのは再春館製薬所とヨネックス！どちらも2-0で勝利を飾り頂上決戦へ！＜TOP4＆順位決定戦＞

2月11日にバドミントンの国内最高峰リーグ『S/Jリーグ2022』TOP4トーナメント＆順位決定戦が、埼玉県さいたま市のサイデン化学アリーナで開催された。昨年11月に開幕したS/Jリーグは約3カ月の期間でS＆Jブロックリーグを戦い、各ブロックの上位2チームがTOP4に進出。3位以下は、S＆Jブロックの同じ順位のチーム同士が激突した。ここでは、熱戦となった女子のTOP4を中心に、ダイジェストでお伝えする。

【TOP4】

準決勝■北都銀行 VS 再春館製薬所

最強チームが強い勝ち方を見せた。世界トップランカー対決となった第1ダブルスは、再春館製薬所の志田千陽（上写真・右）／松山奈未が逆転勝利。長身ペアで同じ日本A代表の北都銀行・松本麻佑／永原和可那の攻撃力に押されて第1ゲームを失ったが、第2ゲーム以降は大きな展開を使い、松山が「差し込まれる展開が多かった」と振り返った課題を解消。守備から立て直し、最後は得意のドライブ戦で押し切った。

北都銀行の松本／永原は全日本総合を棄権して以来の復帰戦で調整不足だったが、佐々木翔監督は「実力負け」と厳しく評価。シングルスは、国際大会から帰国したばかりでコンディションが十分ではない川上紗恵奈を温存して高校卒1年目の舛木さくらを起用。第2ゲームでねばりを見せたが、世界女王・山口茜の壁は高く、0-2のストレートで敗れた。

再春館製薬所・池田雄一監督

「志田／松山が、プレー以上に精神面の強さを見せてくれた。エース対決を制してくれて、そこで勝負があった。若手がリーグ戦でできなかったことをやってくれたと思います。（試合前の）男子を見ていても、団体戦には絶対がないと感じた。明日も勝つと思われているかもしれないが、気を引き締めて臨みたい」

▼TOP4・準決勝

再春館製薬所（Jブロック2位）２−０　北都銀行（Jブロック1位）

志田千陽／松山奈未②〔19−21、21−14、21−9〕１●松本麻佑／永原和可那

山口茜②〔21−8、21−17〕０●舛木さくら

北都銀行の松本／永原（右）はファイナルゲームの接戦となった勝負を取り切れず敗戦。ケガ明けの試合を白星で飾れなかった

準決勝■BIPROGY　VS　ヨネックス

ヨネックスが、ブロックリーグの雪辱を果たした。第1ダブルスは、今季日本A代表入りを果たした櫻本絢子／宮浦玲奈（上写真・手前）が、全日本総合の準々決勝に続いてBIPROGYの中西貴映／岩永鈴を2-0で撃破。主導権を握り続け、つけ入る隙を与えなかった。

シングルスは、ヨネックスの髙橋明日香がBIPROGYの杉山薫をファイナル勝負の末に下し、ブロックリーグの借りを返した。髙橋は第1ゲームを奪った後、第2ゲームは1-11と立ち上がりでつまずいたが、18オールまで追いつくねばりを見せた。勝負はファイナルゲームにもつれ込んだが、中盤から髙橋が突き放して21-14で勝利。

決勝進出を決めた髙橋は、攻め急ぎを反省点に挙げ「2ゲームは打たずに頑張ってラリーをしようと思って追いつけた。相手の息が上がっているのがわかったので、自信を持ってプレーできた」と戦術変更を勝因に挙げた。

ファイナルゲームにもつれた勝負を制した髙橋明日香。最終ゲームは落ち着いて試合を運び、ヨネックスの決勝進出を決めた

ヨネックス・山田和司監督代行

「2-0で勝たなければいけないと思っていました。シングルスは、第1ゲームの流れを生かせずに第2ゲームを落としてしまったあたりは課題ですが、そこでねばったことで最後は相手の疲労が見えていた。そこでもう一度流れを作り出せたのは、よかったと思います。明日も相手は強いので、向かっていくだけです」

▼TOP4・準決勝

ヨネックス（Sブロック2位）２−０　BIPROGY（Sブロック1位）

櫻本絢子／宮浦玲奈②〔21−10、21−17〕０●中西貴映／岩永鈴

髙橋明日香②〔21−14、22−24、21−14〕１●杉山薫

第2ゲームの大接戦をモノにしたBIPROGYの杉山だったが、最後は失速。チームの逆転を呼び込む白星はつかめなかった

▼TOP4・決勝

再春館製薬所　―　ヨネックス

▼3位決定戦

BIPROGY　―　北都銀行

【順位決定戦】

9・10位決定戦は、各ブロック5位の東海興業と広島ガスが激突。第1ダブルスから接戦となった勝負は、広島ガスの山藤千彩／志波寿奈が、ファイナルゲーム18本に抑えて先制。チームに勢いをもたらすと、シングルスは広島ガスの内定選手・近藤七帆が、東海興業のエース海老澤花に第1ゲーム22-20、第2ゲームも16本に抑えて勝利。2-0で白星をつかんだ広島ガスが9位。敗れた東海興業は、S/Jリーグ最初のシーズンを10位で終えている。

11・12位決定戦に臨んだのは、Sブロックで勝ち星を奪えなかった昭和電工マテリアルズと、Jブロックでは1勝4敗の山陰合同銀行。勝てば1部残留の大一番は、第2ダブルスまでもつれる展開に。第1ダブルスは、白熱した勝負を山陰合同銀行の髙崎夏実／田部真唯が18本、20本で勝利。昭和電工マテリアルズにプレッシャーをかける。

しかし、シングルスは昭和電工マテリアルズの舟橋佳歩が、ねばる矢﨑月子を0-2で退け、なんとか望みをつないだ。チームの勝敗が第2ダブルスに委ねられると、貴重な白星をつかんだのは山陰合同銀行。三輪音巴／佐藤茅穂が昭和電工マテリアルズの石橋麻美子／佐藤杏を第1ゲーム21-17、第2ゲームも21-19の僅差で抑えて殊勲の勝利。山陰合同銀行が1部残留を決めた。一方、敗れた昭和電工マテリアルズは12位。S/JリーグⅡへの降格が決定した。

▼9・10位決定戦

広島ガス（Jブロック5位）２−０　東海興業（Sブロック5位）

山藤千彩／志波寿奈②〔21−10、17−21、21−18〕１●井上洸／肥田木あかり

近藤七帆②〔22−20、21−16〕０●海老澤花