【S/Jリーグ2022】丸杉が優勝候補の再春館製薬所に殊勲の勝利!広島ガスもNTT東日本を2-1で撃破!<由利本荘大会/女子結果>

11月6日、国内最高峰のリーグ戦『バドミントンS/Jリーグ2022』由利本荘大会2日目が、由利本荘総合防災公園ナイスアリーナで開催された。Jブロックは男女とも3試合が行なわれ、白熱した試合を展開している。ここでは、下位チームが金星を獲得した女子の試合をダイジェストでお伝えする。

由利本荘大会(初日)
男子結果 / 女子結果

高岡大会(初日)
男子結果  女子結果

由利本荘大会(2日目)
男子結果

高岡大会(2日目)

男女結果

【ダイジェスト】

開幕戦初日に白星を手にしたのは、再春館製薬所、丸杉、北都銀行の3チーム。その中で再春館と丸杉が2日目で激突し、丸杉が殊勲の勝利をつかんだ。

注目は再春館・志田千陽/松山奈未、丸杉・福島由紀/廣田彩花の日本A代表対決。世界トップクラスの勝負となった第1ゲーム、先制したのは福島/廣田。自分たちのリズムをつかめない志田/松山に対し、攻撃の主導権を握って21-16で奪った。しかし、エースとして負けられない志田/松山は、ここから逆襲。「私たちは勝たなきゃいけない立場」(松山)と自覚して臨んでいた志田/松山は、志田の鋭い攻撃が決まりだし第2ゲーム21-16で取り返すと、最終ゲームも21-17で取り切り逆転勝利を飾った。「私は最後までレシーブがうまく合わせられなかったけど、そのぶん志田さんがリードして決めてくれた。すごく助けられました」(松山)

注目の対戦は再春館の志田(左)/松山に軍配があがった

ポイント源である第1ダブルスを落とした丸杉は苦しい状況に追い込まれたが、初日に続いてシングルスに起用された古川佳奈が奮起。再春館の郡司莉子に対し、第1ゲームを21-12で先制すると、第2ゲームを奪われた後のファイナルゲーム、古川がしぶといラリーで郡司にプレッシャーをかける。すると、終盤に集中力を乱した郡司が失速。最後までねばり強く戦った古川が21-17で制し、1-1のイーブンに戻した。

これで流れが丸杉に傾くと、古川からのバドンを受け継いだ第2ダブルスの川添麻依子(上写真・左)/今井莉子が気迫を見せる。社会人2年目の再春館・加藤佑奈/廣上瑠依に対し、第1ゲーム21-16で先制。第2ゲームは失ったものの、最終ゲームは終盤までもつれる大接戦。すると、互いにプレッシャーのかかる場面で先に崩れたのが再春館ペア。我慢強いラリーから攻撃の姿勢を貫いた川添/今井が、最後は21-18で勝利。今季S/Jリーグ初参戦の丸杉が、2-1で再春館を下し開幕2連勝を飾った。「山口茜選手が出ていないので、数パーセントのチャンスはあったし、それを取り切れたのがよかった。シングルスも第2ダブルスも、プレッシャーがかかった場面でうちの選手がしっかりできたのが、勝利につながりました」(丸杉・今井彰宏監督)。

一方、1勝1敗で開幕戦を終えた再春館の橋本博且コーチは、「2年目の郡司莉子と加藤/廣上を起用したけど、今回のリーグは実質初めて。全日本実業団では活躍したけど、リーグでは独特の雰囲気に呑まれてしまった。落ち着いてできなかったのが負けた要因かなと思います」と話し、池田雄一監督も「志田/松山、山口以外の選手を育てられていないと感じました。強くなる選手というのは、数少ないチャンスをつかんで上のステージに上っていくもの。思い通りにはいかないけど、大事な場面で期待に応えられないのが、今の若い子たちの実力かなと思います」と、敗北を冷静に振り返った。

優勝候補の一角である再春館製薬所が敗れた中、単複に日本代表を擁する北都銀行は3-0で山陰合同銀行に勝利。この日もA代表の松本麻佑と永原和可那はそれぞれ第1ダブルス、第2ダブルスに分かれて出場。小松ゆいと組んだ松本は、山陰合同の三輪音巴/小野田華実に対して7本、14本で勝利を手にすると、シングルスの川上紗恵奈も矢﨑月子を11本、12本のストレート勝ちで退け、チームの勝利を呼び込んだ。

続く第2ダブルスの永原は、前日同様に曽根夏姫とのダブルスで挑み、第1ゲームを22-20で先制。第2ゲームも終盤までスコアは拮抗したが、最後は永原が攻め抜いて再び22-20で制してみせた。薄氷の勝利となった永原は「2試合を通して自分たちの納得いく内容ではなかった。次の試合では、しっかりチームに貢献できるようにしたい」と振り返っている。

また、初日、2日目と2連勝を飾った北都銀行・佐々木翔監督は「秋田での2連戦をしっかり取り切れて安心しています。第2ダブルスは前日に負けてしまったけど、もう一回、やり残したことをやり遂げてほしいという気持ちで起用した。勝つことを信じて待っていたので、よかったです」と、地元ファンの前での勝利に、安堵の表情を浮かべた。

NTT東日本と広島ガスの対戦は、広島ガスが金星を獲得。第1ダブルスは、前日の北都銀行戦で白星を手にしている広島ガスの山藤千彩(上写真・右)/志波寿奈が、この日も好調をキープ。NTT東日本の篠谷菜留/上杉杏を2-1で退けてシングルスにつなげると、広島ガスの濱北ももが日本代表の水井ひらりを15本、19本に抑え会心の勝利。一気に2連勝を飾った広島ガスが、チームの白星が確定させた。「最後まで1点をあきらめない気持ちが勝ちにつながったと思います。第1ダブルスは最近調子がよかったし、安定感が増していた。自分たちのゲームをイメージして試合に出すことができたと思います」(広島ガス・小林寛哉監督)。

NTT東日本は、この後の第2ダブルスで尾﨑沙織/鈴木陽向が勝利したものの、ブロック2戦で手痛い連敗。上位進出に向けて、苦しいスタートとなった。

▼Jブロック(11月6日)

丸杉(2勝)2−1再春館製薬所(1勝1敗)

福島由紀/廣田彩花●1〔21−16、16−21、17−21〕②志田千陽/松山奈未

古川佳奈②〔21−12、11−21、21−17〕1●郡司莉子

川添麻依子/今井莉子②〔21−16、17−21、21−18〕1●加藤佑奈/廣上瑠依

エース対決には敗れた丸杉の福島(左)/廣田だったが「自分たちは負けてしまったけど、団体戦なのでチームが勝利できたことがうれしい。大きな1勝になったと思います」(福島)

広島ガス(1勝1敗)2−1 NTT東日本(2敗)

山藤千彩/志波寿奈②〔17−21、21−9、21−16〕1●篠谷菜留/上杉杏

濱北もも②〔21−15、21−19〕0●水井ひらり

石村亜美/日野智然●0〔22−24、6−21〕②尾﨑沙織/鈴木陽向

ブロック上位をねらったNTT東日本は1-2で敗戦。1勝1敗で開幕節を終えた。写真は第1ダブルスの篠谷(右)/上杉

北都銀行(2勝)3−0 山陰合同銀行(2敗)

松本麻佑/小松ゆい②〔21−7、21−14〕0●三輪音巴/小野田華実

川上紗恵奈②〔21−11、21−12〕0●矢﨑月子

永原和可那/曽根夏姫②〔22−20、22−20〕0●田部真唯/伊藤朱里

前日の丸杉戦で白星を挙げていた山陰合同銀行の矢﨑は、0-2で敗戦。2連勝とはならなかった

取材・文/バドミントン・マガジン編集部

写真/桜井ひとし

投稿日:2022/11/07
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