【ジャパンOP】92分の激闘を西本拳太が制し初優勝!世界女王の山口茜は3回目のジャパンOP制覇!<決勝戦-日本選手結果>

バドミントンの国際大会、BWFワールドツアーダイハツヨネックスジャパンオープンは、9月4日に大阪・丸善インテックアリーナで大会最終日を迎え、各種目の決勝戦が行なわれた。日本勢は、男子シングルスの西本拳太が初優勝、女子シングルスの山口茜が2大会連続(20年、21年は開催されず)の優勝を飾った。混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗は、勝利目前から逆転を許し、惜しくも準優勝となった。

ジャパンOP
ニュース一覧は
こちら

西本は、今大会のヒーローになった。

決勝戦は、世界ランク5位の周天成(チョウ・ティエンチェン/台湾)と対戦。ともに激闘続きの勝ち上がりで疲労がある中、西本はスピード感のある攻撃的なプレーで第1ゲームを先行。終盤に追い上げを受けて苦しんだが、21-19で取りきった。

第2ゲームは一進一退の展開で21-23と落としたが、ファイナルゲームに残された力を振り絞った。終盤は、ヘアピンとロブを巧みに使って周天成を振り回し、相手のミスを誘ってリード。21-17で試合を制すると、恒例の派手なガッツポーズと雄たけびで喝采を浴びた。

初戦から格上ランクの選手を破り続けてたどり着いた、28歳でのワールドツアー初優勝。「人として成長できたことが勝利につながったかなと思います。いくら勝ちたい気持ちがあって、自分がやるべきことをやらなければ勝てないと痛いほど感じてきた。コーチからも、勝ち負けより、やるべきことをやろうと言っていただいた。それができたからこその、初優勝だったと思う」と苦手だった近距離戦で格上に対抗し続けて手に入れたタイトルを喜んだ。

山口(上写真)は、2週連続で組まれた日本開催のビッグイベントをどちらも優勝で飾り、期待していたファンに満点の回答を示した。

決勝戦は、昨季後半に何度も対戦し、世界選手権でも対戦している韓国の新星アン・セヨンに対し、スピードで圧倒してストレートの勝利を収めた。第1ゲームを21-9と圧倒すると、第2ゲーム中盤でスピードが落ちても攻める姿勢を崩さず、また、ためをつくって相手の逆を突く配球を見せるなど、持ち前のアイデアも披露。21-15で押しきり「互いに疲れている中で、どれだけ主導権を握れるかが重要だと思い、とりあえず限界まで、自分のトップスピード、全力でいこうと思って、それを最後まで押し通せた」と手応えを示した。前週に続き、プレーを楽しむ姿勢の重要性を強調し、そのエネルギーの素晴らしさを日本のファンの前で体現してみせた。

渡辺(右端)/東野は、昨年の世界選手権決勝で敗れているデチャポル/サプシリー(タイ)と対戦。第1ゲームを21-16で先取し、第2ゲームには20-19でマッチポイントを迎えたが、前衛をかわし続ける相手のレシーブを崩しきれず、21-23と逆転を許してファイナルゲームに突入する。勝利目前からひっくり返されたショックをぬぐい切れず、渡辺が「向こうがスピードを上げてきて、このゲームを取り切るぞという気持ちが僕らより強かった結果」と振り返った最終ゲーム序盤で、1-8と差をつけられた。

渡辺/東野は後半に追い上げを見せたが、18-21で届かず。東野は「2ゲーム目の20-19で、自分がサービスで勝負にいっておけばよかったという思いでいっぱい」と悔しがった。それでも世界選手権に続いて2週連続の準優勝。準決勝で世界王者ペアを破っての決勝進出でもあり、渡辺は「西本さんや茜ちゃんは(この後)勝つと思いますけど、2位もすごいんだぞと、ちゃんと伝えてほしい。僕らもまあまあすごいので、理解してほしい」と日本勢で最初に試合を終えた段階で仲間の優勝を予言するとともに、準優勝の価値をアピールした。

日本選手の決勝戦の結果は以下の通り。

【男子シングルス】

西本拳太②〔21−19、21−23、21−17〕1●周天成(台湾)92分

【女子シングルス】

山口茜②〔21−9、21−15〕0●アン・セヨン(韓国)38分

【混合ダブルス】

渡辺勇大/東野有紗●1〔21−16、21−23、18−21〕②デチャポル/サプシリー(タイ)72分

取材・構成/平野貴也

写真/毛受亮介

投稿日:2022/09/04

人気記事ランキング

閉じる