【徳島インターハイ2022】瓊浦が春夏を通じて悲願の初優勝!互いに初Vかけた高岡第一との決勝を制す<男子団体>

徳島県(吉野川市・徳島市・鳴門市)で開催されているバドミントンのインターハイ。競技2日目の25日は、日本フネン市民プラザで団体戦の準々決勝から決勝までが開催された。ここでは、瓊浦(長崎)が初優勝を果たした、男子のダイジェストをお伝えする。

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【男子ダイジェスト】

男子団体を制した瓊浦のメンバー。瓊浦は1965年の創部以来、インターハイは36回目の挑戦で悲願の日本一

本日朝一番の大注目カードーーふたば未来学園(福島)と埼玉栄(埼玉)の名門対決を制したのは、夏春連覇中のふたば未来ではなく、昨夏は決勝で敗れていた埼玉栄だった。

埼玉栄が悔し涙を流したのは1年前の夏だけではない。春の高校選抜はコロナの災いが降りかかって欠場せざるをえなかった。こうして募っていたハングリーな思いは、ふたば未来との対決で炸裂した。ダブルス2本をいずれもストレートで奪い、第1シングルスはふたば未来のエース齋藤駿が譲らなかったが、第2シングルスの2年生対決を沖本優大が制して埼玉栄が準決勝へ駒を進めた。

大きな山場を越えた埼玉栄は、4年ぶりの日本一に向けて勢いに乗るかと思われた。しかし、選抜ベスト4の瓊浦(長崎)がそのムードに逆らうかのように大暴れした。初日から1ゲームも落としていなかった磐石の埼玉栄のダブルスを崩して2連勝。第1シングルスは星を落としたが、第2シングルスのキャプテン櫻井煌介が大垣空也に18本、15本で勝利し、瓊浦がインターハイでは初の決勝進出を果たした。

瓊浦の櫻井煌介(右)/南本和哉は、第1ダブルスのエース対決を次々と勝利。櫻井はシングルスでも大きな役割を果たした

もう一方の山から勝ち上がってきたのは、準々決勝で八代東(熊本)を、準決勝で東大阪大柏原(大阪)を退けた高岡第一(富山)。エースの大田隼也/佐々木大樹などダブルス陣がチームを波に乗せ、春の選抜に続く決勝進出だ。インターハイでの決勝は12年ぶりとなるが、春夏を通じてまだ優勝には手が届いていない。

こうして決勝のカードは、どちらが勝っても初優勝という顔合わせに。両校は選抜の準決勝で対戦しており、高岡第一が3-0のストレートで制している。ダブルスの2試合、そして第1シングルスのオーダーは、その時と今回とでまったく同じだった。しかし今回は瓊浦が2-1で王手をかけた。そして悲願の優勝を決めたのは、準決勝と同じくキャプテンの櫻井だ。

2018年春の選抜で準優勝し、近年のインターハイでは2016年と昨年ベスト4入りした瓊浦。代々引き継がれてきた夢が、ついにかなった。

瓊浦の第2ダブルスを担った奥野天斗(右)/縣涼介は、決勝こそ星を落としたが、準決勝まで負けなしの活躍でチームに貢献。決勝も最後まで諦めず懸命に戦い抜いた
高岡第一は選抜に続く準優勝。決勝は第2ダブルスの野村光河(右)/松久知弘が接戦をモノにし、一矢報いる活躍を見せた

【優勝コメント】

林貴昭 監督

「ふたば未来と埼玉栄という、とてつもなく高い2つの壁がある状況でしたが、今年こそ、今年こそと優勝への思いが年々高まっていたことは確かです。それは、長崎まで足を運んで練習に来てくれるOBたちの数の増加にも表れていました。そのおかげで中身の濃い練習を重ねることができ、個々のレベルが上がった。中でもエースの櫻井の成長が大きく、チームの精神的支柱となってくれました。勝因は一つではなく、いろいろな巡り合わせでつかめた優勝だと思います」

櫻井煌介 主将

「個性が強くてまとまらないところもあったチームですが、日本一という目標はブレずに、みんなが思いを一つにして頑張ってきました。栄との準決勝はダブルス2本を取ることが勝つ条件だと思っていたので、自分たちがまず勝って勢いをつけたかった。それができたことは満足しています。高岡第一には春に完敗していたので、決勝も向かっていくという気持ちは同じでした。朝練での走り込みや、選抜の敗因だったレシーブを強化してきたことは試合の中で生かせたと思います」

準優勝:高岡第一(富山)
3位:埼玉栄(埼玉)
3位:東大阪大柏原(大阪)

▼準々決勝(7月25日)

埼玉栄(埼玉)3-1 ふたば未来学園(福島)

瓊浦(長崎)3-0 水島工(岡山)

東大阪大柏原(大阪)3-1 自由ケ丘(福岡)

高岡第一(富山)3-1 八代東(熊本)

▼準決勝

瓊浦 3-1 埼玉栄

櫻井煌介/南本和哉②〔21−14、21−14〕0●井上誠也/川邊悠陽31分

奥野天斗/縣涼介②〔22−20、18−21、21−16〕1●大垣空也/沖本優大53分

栗山寿一●1〔21−17、20−22、15−21〕②藤原睦月61分

櫻井煌介②〔21−18、21−15〕0●大垣空也38分

奥野 天斗〔13−21、4-2、打切り〕沖本優大

高岡第一 3-0 東大阪大柏原

大田隼也/佐々木大樹②〔21−18、22−20〕0●犬嶋宏介/野村波輝41分

野村光河/松久知弘②〔16−21、21−15、21−10〕1●池田真那斗/神山剛輝45分

山岸俊介②〔21−19、21−17〕0●佐藤 瑠活37分

▼決勝

櫻井煌介/南本和哉②〔23−21、21−16〕0●大田隼也/佐々木大樹28分

奥野天斗/縣涼介●1〔21−12、19−21、19−21〕②野村光河/松久知弘47分

栗山寿一②〔21−13、9−21、21−13〕1●山岸俊介40分

櫻井煌介②〔21−12、21−16〕0●大田隼也30分

奥野天斗〔21−14、9−10、打切り〕松久知弘20分

★男子団体の最終結果(トーナメント表)はこちら

※徳島インターハイの熱戦の模様は、8月22日(月)発売の『バドミントン・マガジン』9月号でも紹介します!

文/山口奈緒美

写真/菅原 淳

投稿日:2022/07/26
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