2月15日、日本代表として長年活躍した遠藤大由(日本ユニシス)の引退試合となるJ SPORTSカップ<日本ユニシス エキシビションマッチ>が行なわれた。
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このエキシビションマッチは、2月11、12日に開催予定だったJTB S/Jリーグ2021東京大会の中止にともない企画されたもの。今季で現役を引退する遠藤の花道を飾る引退試合として、男女が所属する日本ユニシスのチームメートによる男女混合の団体戦で実施された。チームは『UNI(ユニ)』と『SYS(シス)』の2つに分かれ、2シングルス、3ダブルスの結果で勝敗を決める形式で行なわれている(試合は11点1ゲーム)。
UNIチーム/渡辺勇大、遠藤大由、五十嵐優、松友美佐紀、東野有紗、岩永鈴、髙橋美優、金子祐樹、小野寺裕介、大竹望月、杉山薫
SYSチーム/渡邉航貴、早川賢一、井上拓斗、川本拓真、岡村洋輝、小野寺雅之、髙橋沙也加、星千智、松田蒼、香山未帆、中西貴映、大澤佳歩
第1試合のダブルス(混合)には、UNIチームから東京オリンピック混合ダブルス銅メダリストの渡辺勇大/東野有紗(上写真・左)が登場。対するSYSチームは、井上拓斗/川本拓真で挑むと、若手の川本が積極果敢にスマッシュを打ち込み12-10で先制ポイントをゲット! 続く第2試合の女子シングルスも、SYSチームの香山未帆が、髙橋美優との同期対決に競り勝って2連勝を飾った。
遠藤を擁するUNIチームは、まさかの2連敗で後がない状況。第3試合の男子シングルスは、SYSチームのキャプテン・渡邉航貴とUNIチームの五十嵐優が激突すると、序盤からダイビングレシーブを連発する渡邉に対し、五十嵐が根気強く攻め抜く展開に。最後は、ねばる渡邉を五十嵐が11-9で振りきって勝利。チームのスコアを1-2とした。
なんとか望みをつないだUNIチーム。しかし、第4試合の女子ダブルスはSYSチームの星千智/松田蒼が、前半にリードを広げていた松友美佐紀/岩永鈴から逆転勝利をつかみ、SYSチームが3勝目を獲得。チーム成績を3−1としたSYSチームの勝利が決まり、最終試合のダブルス(男子)へと進んだ。
いよいよやってきた遠藤のラストマッチ。するとその直前、敗戦が決まったUNIチームのキャプテン・渡辺が、「勝ったほうが3ポイントで!」と、テレビでよく見る展開に持ち込む。この提案に対し、主催者側はあっさり快諾。これにより、最後のダブルスをUNIチームが勝てば、大逆転勝利という状況となった。
UNIチームは、今回の主役でもある遠藤(上写真・手前)が渡辺とのペアを結成。SYSチームは「本格的な試合は、昨年の全日本総合前の練習以来」という早川賢一コーチと、第1試合の混合ダブルスに出場している井上とのペアで挑んだ。その結果は、いろいろあって、遠藤/渡辺が勝利! UNIチームが巧妙な作戦で逆転勝利を飾り、遠藤の引退試合が幕を閉じた。
※試合の模様はJ SPORTの見逃し配信でも視聴可能です!
▼引退する遠藤へのメッセージ
早川賢一コーチ
(遠藤とのペアで2016年リオ五輪に出場)
「僕と6年、勇大と5年プレーして、東京オリンピックでメダルを取ってほしい気持ちはありましたが、遠藤自身が悔いなくプレーを終われるのであれば、それが一番だと思っていました。今日、こういう機会をつくっていただき、本当にありがとうございました。遠藤選手も、次のステージで頑張っていきましょう! お疲れさまでした!」
渡辺勇大
(遠藤とのペアで2021年東京五輪に出場)
「遠藤さんと組んで5年。男子ダブルスをイチから教えてもらって、ここまで成長できたと思っています。まだまだ遠藤さんにはお世話になるつもりでいますので、引き続き、よろしくお願いします」
遠藤大由
「今日はこのような機会をもうけていただき、ありがとうございます。振り返れば、10……めちゃめちゃやってますけど、あっという間に終わったかな、という感じです。僕自身、悔いなく終われましたが、本当に今までお世話になった方々がいろんなサポートをしてくれたことで、ここまでやってこれたと思っています。これからは選手を育てることになりますが、選手と一緒に強くなっていきたいと思いますし、僕自身も成長しないといけないと思っています。今日は本当にありがとうございました」
【試合結果】
▼ダブルス(混合)
井上拓斗/川本拓真(SYS)12-10 渡辺勇大/東野有紗(UNI)
▼シングルス(女子)
香山未帆(SYS)12-10 高橋美優(UNI)
▼シングルス(男子)
五十嵐優(UNI)11-9 渡邉航貴(SYS)
▼ダブルス(女子)
星千智/松田蒼(SYS)11-8 松友美佐紀/岩永鈴(UNI)
▼ダブルス(男子)
遠藤大由/渡辺勇大(UNI)11-7 早川賢一/井上拓斗(SYS)
※最終結果は4-3でUNIチームが勝利
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳