東京オリンピック・バドミントン競技の全種目を終えた翌日の8月3日、BWF(世界バドミントン連盟)が発表する世界ランキングが更新された。五輪での結果がポイントに反映され、上位選手の順位に変動があった。ここでは、ダブルス3種目の五輪金メダリストと日本人選手を中心に紹介していく。
【男子ダブルス】
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台湾に初めての金メダルをもたらした王齊麟(ワン・チーリン/上写真・右)/李洋(リー・ヤン)は、世界ランク3位のままながら9万ポイント台に到達。また、銀メダルを獲得した李俊慧(リ・ジュンフイ)/劉雨辰(リュウ・ユチェン/中国)は、2ランクアップの4位に浮上。五輪決勝で負けた悔しさを胸に、ツアー再開となれば上位3ペアを激しく追いかけていきそうだ。
世界ランクトップに君臨するのは、インドネシアの2ペア。1位のギデオン/スカムルヨは五輪でベスト8、2位のセティアワン/アッサンは4位と、ともにメダルなしで五輪を終えたが、10万ポイント超えは変わらない。
日本勢は李俊慧/劉雨辰のランクアップのあおりを受ける形で、遠藤大由/渡辺勇大(上写真・右)が5位、園田啓悟/嘉村健士が6位と、一つずつ順位が後退。ともにベスト8進出のポイントは加算されており、大きな差はついていない。
【女子ダブルス】
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激戦が予想された女子ダブルスで金メダルを獲得したのは、自由奔放で華麗なプレーを披露したポリイ/ラハユ(インドネシア)。世界ランクは6位のままだが1万3000ポイントを加算して、さらに上位をねらえる位置につけている。
準々決勝で福島由紀/廣田彩花に勝ち、試合後にはヒザ故障を抱えてプレーした廣田に歩み寄った陳清晨(チェン・チンチェン)/賈一凡(ジャ・イーファン/中国)。決勝まで勝ち進んで銀メダルを獲得し、一つ順位を上げて2位に浮上した。
廣田の右ヒザ前十字靭帯断裂により、思うようなプレーができなかった福島/廣田。それでもベスト8に食い込み、女子ダブルスでは唯一の10万ポイント超えで世界ランク1位をキープしている。銀メダルペアの陳清晨/賈一凡と入れ替わる形で、松本麻佑/永原和可那が3位に後退。ポイント差はそれほど大きくないだけに、ワールドツアー再開後からしっかり詰めていきたい。
激闘の準々決勝で松本/永原に勝った金昭英(キム・ソヨン)/孔熙容(コン・ヒヨン/韓国)は、同国の李紹希(イ・ソヒ)/申昇瓚(シン・ソンチャン)との3位決定戦を制して銅メダル獲得。世界ランクは李紹希/申昇瓚が4位、金昭英/孔熙容が5位だが、大会前と比べるとポイント差が大きく詰まった。同国のライバルペアの熾烈な争いは、五輪後も続いていきそうだ。
【混合ダブルス】
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中国対決となった決勝戦を制したのは、大会前は世界ランク3位だった王懿律(ワン・イーリュ/上写真・左)/黄東萍(ファン・ドンピン)。10万ポイントに到達して2位に浮上した。悔しい銀メダルとなった鄭思維(ツェン・シーウェイ)/黄雅瓊(ファン・ヤーチョン)は1位をキープ。金メダルを争った中国ペアがワンツーで君臨している。
そこに食い込んでいるのが、デチャポル/サプシリー(タイ)。五輪はベスト8で終えたが、10万ポイントに到達。混合ダブルスは、10万ポイント超えが3ペアとなった。
日本勢唯一の銅メダルを獲得した渡辺勇大(上写真・右)/東野有紗は5位をキープ。上位ペアとのポイント差は大きいが、未来を見据えて着実に順位を上げていきたい。
渡辺/東野と銅メダルを争ったサウスポーペアの鄧俊文(タン・チュンマン)/謝影雪(ツェ・イエンスエット/香港)は、2ランクアップの11位に浮上。かつてはトップを争う位置にいた実力者が、ここから輝きを取り戻すか注目だ。
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/Getty Images