【全日本総合2020】「ラスト1試合、全集中で頑張ります!」(桃田)26日/準決勝後コメント

12月26日に開催された第74回全日本総合選手権(東京・町田市立総合体育館)5日目は、男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルスの準決勝が行なわれている。ここでは、男子シングルス準決勝に勝利した桃田賢斗のコメントを紹介する。

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――準決勝を振り返って。

昨日の試合の出だしがよくなかったので、修正して、どんどん押していこうと思って試合に入ることができました。最初の流れは悪くなかったんですけど、途中で相手に決められる、レシーブしきれない部分が多くて、そこは自分が慎重になり過ぎて球を強く押せていなかった。置きにいっている部分が多かったので、反省点かなと思います。

――試合でないと、思い出せない感覚もある?

そうですね。いつもやっている体育館とは広さ、天井の高さも違います。相手は攻撃がいい選手だったので、決められたくない気持ちが強くて、もっと慎重に、丁寧にと思った結果、甘くなってしまっていたので、そこがよくなかった点かなと思います。

――田中選手とは初めての対戦、印象は。

フットワークが速くて、攻撃力がある選手だなという印象があって、試合に入ると上からのプレッシャーはすごくありました。少しでも甘くなると簡単に決められる場面が多くて、そこの失点がすごく多かったので、もどかしい部分がありました。でも、強めに押せたときは、相手のスマッシュもしっかりリターンできていたと思います。今は強く打つという感覚なんですけど、そこを標準にできるようにもっともっと精度を上げていかないといけないと感じました。

――大事にいこうとしすぎると甘くなって決められるケースになる?

慎重にいきすぎるとワンテンポ遅くなってしまいますし、そうなると思いきりがよくないぶん、相手に強気に自信を持って打たれてしまうことにつながっていると思います。

――試合への入り方について、昨日と変えてよかった点は。

いつも以上に体を動かして、汗をかいた状態でコートに入ってしっかり動こうと、心も体もあたためてコートに入ろうと思っていました。

――1ゲーム、相手がヘアピンで来たらヘアピンで取り返す、スマッシュを決められたらスマッシュで取り返すようにも見えましたが、意識していましたか?

あまり意識していませんが、自然と負けず嫌いな気持ちが出たのかなと思います。

――第2ゲーム中盤以降で相手が追いついてくるときのほうが、スピードが出て、背中越しにとるなどプレーがよくなってきたように見えたが。

1ゲームをとって気持ちが楽になったぶん、特に後半のほうが強く押せていたと思います。あのプレーはたまたまですけど、ああいうラッキーなショットも出ているので、自分に流れがきているかなと思います。

――第2ゲームは上からの強打より、落とす球や上げる球を多用している印象でした。カギとなったショットは?

ロビングとクリアーが浅くなることが多かったので、スマッシュを打って体勢が崩れるよりは、沈めて相手を動かしていこうと思ってプレーしていました。

――意識してねらったところは。

四隅に散らすことを意識して、相手の読みをどれだけはずせるか、いろいろ考えながらプレーするようにしています。

――1試合目を終わったときに、一瞬の判断がまだちょっと、と話していましたが。

多少はよくなっていると思いますが、打ってはいけないコースに打って、簡単に相手に決められてしまうことが多かったので、そこはまだ感じることができていないな、というのは正直あると思います。

――昨日、一歩目の早さは上がっているけれど、タイミングが合わない、行き過ぎてしまうと言っていたのは、スピードが上がっているがゆえに試合で合わせられないということですか?

そうですね、まだまだ自分の打点、タイミングは納得いかない部分があります。ズレがまだまだあるかなという感じで。ちょっと打ち損じというか甘い球を出してしまうパターンが多いかなと感じます。

――朴柱奉監督がフィジカル面は以前と変わらずいいが、スピード面はちょっと足りないなと言っていましたが。

スピードを上げてしまうと、バランスを崩しやすい。手元が狂いやすくなってしまうので、無理に上げることができない。心の中でセーブしてしまうところがあります。明日はラスト1試合なので、なりふりかまわず出せればいいかなと思います。

――来年初戦のタイオープンが、世界トップ選手との、復帰後最初の戦い。朴監督はそこで桃田選手の現状がわかると言っていた。

勝てるなら勝ちたいですけど、明日決勝戦を控えているので、まずは明日、納得できる試合ができるようにしっかり気持ちをつくっていきたいと思います。

――明日の決勝戦に向けて。

相手が誰であろうと、後悔しないような試合展開にしたいと思いますし、あとひとつなのですべてを出しきって終わりたいと思います。

――今日で4試合。体のほうは。

特に疲れはなく、毎日フレッシュな気持ちで試合に挑めています。

――試合で緊張や不安もあると話していましたが、何か変化は?

少しずつ勝ち進むことで、昔試合に出ていた気持ちを思い出し、勝つたびに自分が強くなっているんじゃないかなという新鮮な気持ちが今はすごくあるんで、不安な気持ちや緊張とかもあるんですけど、毎日楽しみながらいい緊張感を持って挑めているかなと思います。

――最近、話の中で森本トレーナーの名前がよく挙がるが、どんな存在?

いい時もわるい時も、2人でいろんな経験をしてきました。自分が練習できない状況からいろんなケアをして、支えてくれたのが森本さん。一番近くで、家族より長い時間一緒にいたと思うので、その存在は大きいと思います。

――ホテルでのリフレッシュ方法は。

常にバドミントンのことを考えてはいますけど、普段はまわりの26歳と変わらない生活をしていると思います。気晴らし方法は、今回は、『キングダム』の新刊が出ていたので、買って読んだりとか、ずっと『鬼滅の刃』の最終巻が買えなかったので、探しに行って買って読んだりしていました。

――鬼滅の刃といえば、桃田選手のプレーを何か「呼吸」にたとえると?

呼吸にたとえる? やばくないですか、それ。何言ってもダメなやつですよね(笑)。ラスト1試合あるので、全集中で頑張ろうと思います!

取材・構成/江國晴子、バドミントン・マガジン編集部

写真/菅原淳

投稿日:2020/12/26
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