【バドマガ情報】「納得できるプレーを見てもらって引退したい」 佐藤冴香が語った“悔いのない終わり方” 9月号のココに注目!<8>

8月19日、髙橋礼華が引退を発表。ワールドツアー中断前の最後の大会となった全英オープンで、自身が納得するプレーができたことで悔いのない決断ができたと語った一方で、このコロナ禍で「今やめていいのかな、逃げたと思われないか。まさかこれほど大会が中止になったり、五輪レースが来年に延期になるとは思わなかったので、自分の中でもどうしようかと悩みました」と、その逡巡も明かしている。

バドミントンのキャリアが長くなり、年齢を重ねれば重ねるほど、時間の重みを感じるものだ。

ワールドツアーだけではなく、多くの国内大会も中止。キャリアの終わりを意識しながらプレーする、ベテラン選手にとっては、モチベーションや体力の維持はもちろん、自分の中での区切りや、何をターゲットにするべきかなど多くの難しさに直面しているはずだろう。

髙橋礼華と同い年、髙橋よりも早くオリンピック出場を経験した佐藤冴香は、今をどう過ごしているのか――。8月初旬、佐藤にインタビューするために、所属するヨネックスが練習を行なう体育館を訪ねた。

大学在学中にロンドン五輪に出場した佐藤だが、そのキャリアはケガとの闘いでもあった。五輪の大舞台で、左ヒザの前十字じん帯断裂、半月板損傷の大ケガを負った。

そして、東京で2大会ぶりの五輪出場をめざし、日本代表を外れながらも最後の勝負に出ようとしていた昨年2月、試合中に左アキレス腱を断裂した。

目標とした東京オリンピック出場は絶望的となり、待っているのは長いリハビリだった。それでも、佐藤はラケットを置くことなく、復帰をめざした。

彼女を復帰に向かわせたのは、「ケガごときで諦めたくない。ケガに負けたくない。自分のベストなプレーを見てもらってから引退したい」という強い思いだという。

今年、多くの大会が中止となり、「お世話になった方々に、自分の納得できるプレーを見てもらいたい」と願いながら、ケガを克服した彼女が、目標としていた舞台もなくなってしまった。

そんな状況で、佐藤はどのようにモチベーションを維持し、何を考えて練習コートに立っているのか。ぜひバドミントン・マガジン10月号に掲載した記事をご覧になっていただければと思う。

8月5日、日本バドミントン協会より全日本総合の開催が発表された。佐藤にとって、そして国内のプレーヤーにとって、全日本総合は、今年最大のめざすべき舞台となる。きっと、特別な思いが込もった熱戦が繰り広げられるはずだ。

<担当者の一口メモ>

佐藤選手を取材をしたのは、髙橋礼華選手が引退を発表する半月前ほど。紙幅の都合もあり、本誌の記事に入れ込むことはできませんでしたが、日本代表として活躍した同い年の髙橋選手への思いについても佐藤選手は語ってくれていました。

「髙橋とは、ナショナルでずっと一緒で、お互い励まし合いながらやってきた。ただ、自分が出られなかったリオ五輪で、髙橋選手は金メダルをとって。自分は、オリンピックは出るものだと思っていたので、見るのが苦しくて、なかなか試合を見られなかったんです。

でも最後、決勝だけはやっぱり見ようと、テレビで試合を見たんです。だから優勝したのを見たときは“よかったね”と思った反面、やっぱり私も出たかったなと。そのときは、悔しい思いがあったんですね。

私はその悔しさがあったから、東京オリンピックをめざすために、また頑張ろうと思えた。

髙橋選手も厳しい状況にあると思うんですけど、悔いのないように終わってほしいという気持ちはありますね」

種目は違うものの、互いに刺激し合うライバルに対する思いの変化を、率直に教えてくれたのが印象的でした。

引退会見で「悔いはない」と語っていた髙橋礼華選手。きっと、佐藤選手も同じように「悔いがない」と言い切れるような“終わり方”をするために、この夏をバドミントンコートで過ごす選択をし、今も汗を流しているのだなと感じました。

ぜひ、本誌記事で、その思いに触れていただければと思います。

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文/バドミントン・マガジン編集部

投稿日:2020/08/28

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