【バドマガ短期連載〈第2回-2〉】バドマンガ『シャトルアイズ』から学ぶ“パフォーマンスアップ考”

ただおもしろいというだけでなく、上達に役立つヒントやノウハウがたくさん描かれている『シャトルアイズ』。主人公・項羽が成長していく物語の中から、パフォーマンスアップにつながるポイントを片山卓哉氏に教えていただきます。連載第2回-2では(第2回ー1の記事はこちら)、「反復横跳び」と「壁打ち」の2つのメニューから上達のヒントを紹介!

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※本稿はバドミントン・マガジン8月号(P80-82)に掲載中の記事を編集・再録したものです。より詳しい内容はバドミントン・マガジン8月号をチェックしてください。


シーン②
4つのメニューを項羽が実践
(フットワーク鬼ごっこ、開脚ジャンプ、反復横跳び、壁打ち)

Menu3.反復横跳び

上達Point
サイドの動きは効率がいい。
スムーズさを高めて実戦に生かそう

反復横跳びで養われるものとして、瞬発的な力を発揮する能力が考えられます。バドミントンにおいては、左右の重心移動の速さやスムーズさを養うことができるともいえます。スピードが求められるこのメニューは、フットワーク鬼ごっこと同じで上下運動をしないことがポイント。スムーズな重心移動を意識して取り組めばプレーに生きるはずです。

なお、移動方法のなかでは前を向いて走るのが一番速いですが、移動して素早く戻ってくることを考えると、サイドの動きは効率がいい場面が多い。しっかり養っていきたい力です。

Menu4.壁打ち

上達Point
壁打ちはシンプルだが奥深いメニュー。
手打ちではなく、体も使う!

長く壁打ちが続かない項羽。壁打ちはシンプルでもさまざまな力が必要ですから、最初は焦ることはありません。長く打ち続けるためにはまず、「どこにどのくらいの力で打てばこう返ってくる」という情報を増やすことが必要です。最初は頭で考えても、回数を重ねていけば体が覚えて感覚で打てるようになるものです。

壁打ちは、球のコントロール能力や予測力、適切なラケットワークや対応力などが磨かれます。長く打ち続けられる人は、たとえ打ちにくいところに跳ね返ってきても、足を下げたり、体を動かして打つことができる。壁打ちを通して、身のこなし方、体の使い方も身につけていきたいですね。

プチ★アドバイス
どんな練習も意識高く、目的意識を持って

これはメンタルの話になりますが、項羽の隣で壁打ちをしている少女の“意識の高さ”が目を引きます。お姉ちゃんに勝てないのが悔しくて、泣きながら、でも勝つために、一生懸命練習しているのがわかります。「相手が誰でも勝ちたい」「もっとうまくなるために練習する」。こういう気持ちは教わるものでもやろうとするものでもなく、にじみ出てくるもの。どんな練習に対しても目的意識や向上心を持って取り組む選手は、強くなると思います。意識の持ち方次第で、練習の質や意味、効果は、まったく違ってきますから。

【連載第2回ー1の記事はこちらから】


【あらすじ(第3話~第4話前半)】

中学3年生の主人公・鎹項羽は整体師の息子で、体を見ることで動きのクセがわかる“目の よさ”を持っていた。ひょんなことからバドミントンの試合を見ることになった項羽は、同い年の世界ジュニアチャンピオン・四乃 流星(しの・りゅうせい)の動きを見て、何を打つか先読みする能力を披露する。そこに興味を持った流星が項羽に声をかけ、試合をすることに。それからすっかりバ ドミントンの虜となった項羽は、ジュニアクラブで練習を始めた。不安や焦り、不慣れな練習にもがきながらも、流星が進学する白陽高校でチームメートになりたいと決意する――。

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【解説】片山卓哉

かたやま・たくや●1972年、静岡県生まれ。越谷南高、中央大を経てNTT東日本に入社。96年、2000年に全日本総合男子ダブルスで優勝。引退後は理学療法士の資格を取得し、総合病院などで勤務。様々な競技のトップ選手の身体作りにアプローチしながら、バドミントンの講習会なども積極的に行なう。16年に独立し、埼玉県川口市に『コンディショニングルームKATAYAMA』を開業。 バドミントンを中心に、初心者から日本代表クラスまでの身体作りをサポートする。

 

☆最新情報『シャトルアイズ』第1巻発売決定!  発売予定日は8月19日(月)。「内容盛りだくさんでお送りしますので、ぜひ楽し みにお待ちください!」(担当編集者)。

 

取材・構成/バドミントン・マガジン編集部
協力/『週刊ヤングジャンプ』(集英社)

 

投稿日:2019/07/24

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