【スディルマン杯2019】王座奪還をねらう中国がベスト4!タイも韓国を破り準決勝へ!<5日目/予選リーグ>

5月23日に開催された世界国別男女混合対抗戦・スディルマンカップ2019(中国・南寧)5日目は、グループ1の準々決勝などが行なわれた。

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夜のセッションで開催されたグループ1・準々決勝の中国とデンマークの一戦は、4年ぶりの王座奪還をねらう中国が白星をつかんだ。第1試合の混合ダブルスには、世界ランク1位の鄭思維(ツェン・シーウェイ)/黄雅瓊(ファン・ヤーチョン)が登場。第1ゲームは「ネット前での勝負を仕掛けたが、相手もそこをねらっていた」と鄭思維。19-21で落としたものの、その後はコート奥を使った作戦に切り替えると、第2ゲームは21-11で奪取。最終ゲームも13本に抑えた中国ペアが勝利を手にした。「自分たちの力を発揮できれば大丈夫だと思っていた」(鄭思維)

第1試合に登場した鄭思維/黄雅瓊(左)は2−1で勝利

続く第2試合の男子シングルスは、諶龍(チェン・ロン)とビクター・アクセルセンの好カード。「お互い何度も試合をしているので、手の内はわかっている」と二人が語る試合は第1ゲーム、「プレッシャーがあった」という諶龍のミスを見逃さなかったアクセルセンが21-11で先制。さらに第2ゲームも「ディフェンスから攻撃のチャンスを探った」というアクセルセンが、諶龍の攻撃をしっかりさばいて21-18で勝利。アクセルセンは「彼の地元で勝つのはやっぱりうれしい」と笑顔で振り返った。

アウエーの中で諶龍から勝利をつかんだビクター・アクセルセン

1−1のイーブンに持ち込んだデンマークとしては、その後の男子ダブルスを奪って勢いづけたかったが、その前に立ちはだかったのは長身の李俊慧(リ・ジュンフイ)/劉雨辰(リュウ・ユチェン)。地元ファンの大声援を背に猛打を連発する中国ペアは、第1ゲームを21-18で先制すると、続く第2ゲームも21-16に抑える。これで中国が2−1とし、女子シングルスの陳雨菲(チェン・ユーフェイ)にバトンを託すと、エースがその役割をしっかり果たす。予選リーグで2連勝のミア・ブリックフェルトに対して、スピードと気迫でポイントを重ねる陳雨菲。第1ゲームを21-16で抑え、さらにスピードを上げた第2ゲームも21−17。中国が欧州王者を3−1で下し、ベスト4入りを決めた。

中国とデンマークの隣のコートで行なわれたタイと韓国の対戦は、年々強さを増すタイが勝利をつかんだ。

第1試合の混合ダブルスで先制したのは、タイのデチャポル/サプシリー。昨秋からの活躍で世界ランク4位に浮上している成長株ペアは、韓国の徐承宰(ソ・スンジェ)/蔡侑玎(チェ・ユージュン)を2−0のストレートで下してチームに勢いを与える。すると、この後の男子シングルスも若手のカンタフォン・ワンチョレンが制し、前回王者に対してタイが王手をかける。

貴重な先制ポイントを手にしたデチャポル/サプシリー(右)

負けられない韓国も、第3試合・男子ダブルスのカン/キムが、第1ゲームこそタイのスピーディーな攻撃に押されたが、第2ゲームに入ると主導権を奪い返して21-17。1−1のイーブンに戻す。そしてファイナルゲームは、疲れが見えるタイペアの隙を見逃さずに21-14で退け、なんとか後続につなげてみせた。

3−0での勝利とはいかなかったタイだが、女子シングルスは日本戦で温存されたラチャノック・インタノンがコートに立ち、韓国の新星アン・セヨンと激突。「彼女は全体的に能力が高い選手というのはわかっていた」とインタノン。前日の予選リーグでは台湾の戴資穎(タイ・ツーイン)から勝利を奪い、世界に大きな衝撃を与えた17歳に対して、元世界王者は危機感を持って試合に臨んだ。

試合が始まると、序盤から積極的に攻撃を仕掛けたのはインタノン。スピードに乗った攻撃で先行して9−3。アン・セヨンもスラリと長い足を大きく踏み出してシャトルを拾ったが、インタノンの鋭いカットやスマッシュが17歳のホープを何度も襲う。「体力的にもきつかった」とアン。前日の疲れで球際の強さが見えず、逆にスピードで制したインタノンが第1ゲームを15本で抑える。

第2ゲームではアンが11-15から16-15に盛り返す意地をみせたが、反撃はここまで。最後はインタノンがチームを準決勝に導く勝利を決めて、タイが3−1で韓国を撃破。確かな成長を示す価値ある勝利で、タイが2大会連続となるベスト4進出を決めた。

23日の各グループの結果は以下の通り。

【グループ1】

▼準々決勝

中国(D1位)3−1デンマーク(B2位)

XD鄭思維/黄雅瓊②〔19−21、21−11、21−13〕1●クリスチャンセン/トゥーグセン63分

MS諶龍●0〔11−21、18−21〕②ビクター・アクセルセン60分

MD李俊慧/劉雨辰②〔21−18、21−16〕0●アストルップ/ラスムセン63分

WS陳雨菲②〔21−16、21−17〕0●ミア・ブリックフェルト53分

諶龍は敗れたが、流れを引き戻した李俊慧/劉雨辰(左)

タイ(A2位)3−1韓国(C1位)

XDデチャポル/サプシリー②〔21−18、21−18〕0●徐承宰/蔡侑玎50分

MSカンタフォン・ワンチョレン②〔21−17、21−17〕0●許侊熙49分

MDティン/キッティヌポン●1〔21−19、17−21、14−21〕②カン/キム63分

WSラチャノック・インタノン②〔21−15、21−17〕0●アン・セヨン53分

逆転で白星をつかんだ韓国のカン/キム(右)
試合後は涙を流し敗戦を悔しんだアン・セヨン

【グループ2】

オランダ(A2位)3−2ドイツ(B2位)

シンガポール(B3位)3−0ベトナム(A3位)

アメリカ(A4位)3−1イスラエル(B4位)

【グループ4】

マカオ(2勝)3−2カザフスタン(1勝1敗)

①マカオ②カザフスタン③グリーンランド

取材・文/バドミントン・マガジン編集部

写真/菅原淳

投稿日:2019/05/24
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