【年末年始企画】バドマガ編集部・クロストーク!<第1回>

バドミントン日本代表の活躍が目立った2017年。年末年始の特別企画第2弾として、バドミントン・マガジン編集部の3人が座談会を行ない、それぞれの目線で2017年を振り返ります! バド×スピ!限定のゆるーい企画です! のんびり、ゆっくりお読みください!

バドマガ編集部の愉快な3人

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左から有(編集長)、結(ジュニアの母)、和(オタク)

オープニング・トーク

 “パシャッ!”“パシャッ!”

 スマホで何を撮影しているんですか?

和 バドマガだよ。どの場所で、どの角度で撮影すれば“インスタ映え”するかを試しているの。

 えっ、なんのためにですか?

和 やっぱりバドマガも、常に流行の最先端を走っていたいんだよね。だから。

 (いまさらな感じもするけど)そうですか。でも、バドマガはインスタはやってないですよ。

和 別にインスタやってなくても、インスタ映えをやりたいだけだから、気にしなくてもいいでしょ。あ、それともバド×スピ!Twitterにあげちゃう?

 いやいや、Twitterを私物化しちゃダメですよ!

和 冗談だよー。でも、いつかは俺の力作を披露したいね。

 それは個人のTwitterでやってください!

和 OK牧場! ところで、今日は編集部3人で、2017年について、あーだこーだ話すんでしょ?

 そうなんですよ。1月号も発売されたので、有編集長が「みんなでゆっくり2017年を振り返ろっか」って。

和 でも、その編集長がまだきてないみたいだけど。

 どうもどうも、少し遅くなりました。あれ、和は今年1年分のバドマガを持ってきてないの?

和 最新号は(インスタ映え用に)持ってきましたよ…。

 えー、ちゃんと1月号から12月号まで1年分を持ってこないと! 1年を振り返る大事な会議だよ。

和 あれ、会議なんですか? すみません。でも、結も持ってきて…

 私はちゃんと持ってきましたよ。だって、振り返りには必要じゃないですか。

和 でも、リラックスしてあーだこーだと……という感じではないですね。すみません! では、すぐに編集部に戻って、バドマガ持ってきます!

<5分後>

和 おまたせしました!

 ちょっと遅くない?

和 いやー、自分の机に4月号と10月号がなかったもので。

 日ごろの整理整頓が大事って、話していたじゃないですか。

和 面目ないです…。まあ、それはそれとして、さっそく2017年を振り返りましょう!

  (グダグダなスタートで大丈夫かな…)

いつ言うの? 今でしょ!

 じゃあ、ここでは今年1年を振り返るんだけど、それぞれ何が一番印象に残っているかを話してもらおうかな。同じ考えでもOK。そこから話を広げていこう。

和 まずは自分からいきます! ど直球になりますが、2017年は奥原希望選手の世界一です。8月の世界選手権では日本選手として40年ぶり、シングルスでは史上初の快挙達成でした。現地(スコットランド)で、世界一の瞬間を見ることができたのも理由になりますが、昨年のリオ五輪女子ダブルスの髙橋礼華/松友美佐紀ペアに続き、“世界一”を再び日本選手が手にしたことは、とんでもない出来事だと思っています。

世界選手権
世界女王に輝いた奥原希望

 優勝はもちろんなんだけど、シンドゥ(インド)との決勝戦の試合内容もすさまじかったよね。試合時間も2時間近くまで迫っていたし、あの死闘を最後の最後で制した奥原選手の精神力の強さは印象に残ってる。それに、この試合がテレビの地上波で放送されたことも大きいと思ったね。深夜ではあったけど、バドミントンを詳しく知らない人にもインパクトが残ったと思うし、メディアも揃ってこの快挙を報じていた。後々のことを考えても、日本のバドミントンには非常に価値のある世界一だったと思うよ。

和 今年は陸上100mで、桐生祥秀選手が日本人初の9秒台を出したじゃないですか。これまで越えられなかった壁を一度突き破ったことで、「次々と9秒台を出す選手が現れてくるはず」と、多くの有識者が話してました。これはバドミントンにも同じことがいえますよね。むしろ、タカマツの五輪金メダルが奥原選手の快挙につながっているはずですし、今後も日本選手の躍進を支えるものになると思います。

 では、結が一番印象に残っているのは?

 衝撃的という意味で、山形インターハイ・男子団体戦の浪岡VS埼玉栄戦ですね。過去に8連覇を含む11度の優勝を飾った埼玉栄を、新進気鋭の浪岡が破ったのは、本当に驚きました。もちろん試合内容も熱戦。とくに勝敗を決する第3シングルスで対戦した奈良岡功大選手と大林拓真選手の白熱した試合(ファイナル21-18で奈良岡選手の勝利)は、見応えたっぷりの戦いでした。トータル3時間半の激闘は、私にとって今年1番の出来事です。

山形IH2017
激闘となった男子団体戦・浪岡VS埼玉栄

 高校生つながりでいえば、髙橋明日香選手のインターハイ3冠も素晴らしい結果だよね。1月号で本人のインタビュー&技術特集を掲載したけど、やっぱりインターハイの団体・個人のタイトルすべてを獲得するのは難しい。卒業してからは実業団チームのヨネックスに進むけど、どう成長していくか楽しみだね。

和 僕ら2人の話は出ましたが、編集長の一番印象に残っていることは?

 正直にいうと、「この試合、この結果」と絞るのはできなかったんだ。ただ、少し引いた目線というか、バドミントン界全体を見渡して考えると、日本代表の女子ダブルスが、スーパーシリーズランキングで1、2、3位を独占したことは、快挙だと思う。SSランクは世界ランキングと違って、SSに出場するトップ選手の中だけで順位付けされるわけで、そこでトップ3を日本選手が占めるというのは、これまでではちょっと考えられないことだよね。

 確かにそうですよね。しかも、ランク1位の米元小春/田中志穂ペア、2位の福島由紀/廣田彩花ペアが、そのままSSファイナル決勝で争ってますからね。髙橋/松友ペアが出場できなかったことも衝撃的ですが、2ペアが優勝&準優勝という結果を残したことは本当にすごいです。

SSファイナル
SSファイナルは日本選手が決勝戦を独占!(左から廣田彩花、福島由紀、田中志穂、米元小春)

 他のメディアは大々的には取り上げてくれないけど、他競技でこういった状況はあんまり聞かないよね。もちろん柔道やレスリングといった日本のお家芸といわれる競技も結果を出しているけど、バドミントンだって負けてない。日本スポーツ全体として、もっと評価されるべきことではないかな。

 山口茜選手だってSSランキング1位で、なおかつSSファイナル優勝していますからね。

 そうなんだよ。これも話題に出そうとしたけど、そもそも世界選手権で奥原選手が金メダルを獲得していて、そのうえ山口選手がファイナル優勝。今年の個人戦ビッグタイトルは、日本選手が手にしている。さらにいえば、SSプレミアでも、インドネシアOPを佐藤冴香選手が、中国OPを山口選手が制覇しているわけだから、これって女子ダブルス同様にもっと評価されるべき成績なんだよね。

和 ホントですね。こうやって改めて話すと、日本のすごさを感じますね。すごいって安易な言葉ですけど、いやー、本当にすごいっす!

 男子の活躍だって忘れないでくださいね。男子ダブルスの園田啓悟/嘉村健士ペアもSSオーストラリアOPで優勝していますし、井上拓斗/金子祐樹ペアもダイハツ・ヨネックスジャパンOPで準優勝。保木卓朗/小林優吾ペアも最終的にはSSランク8位に入って、SSファイナルに出場しているんですよ。そして、総合では、その好調ペアを遠藤大由/渡辺勇大ペアが下して優勝したわけですから、男子ダブルスも年間を通してみれば好成績ですし、それぞれのドラマがあった1年だと思います。

和 男子シングルスも、坂井一将選手がインドネシアOP準優勝だし、西本拳太選手もフランスOPで決勝に進出。他種目に比べるとまだまだと思われがちだけど、着実に結果を出しているのは間違いないよね。

 うーん、本当に日本の活躍は素晴らしいね。しかも、これからまだまだ強い選手が出てきそうだし、さっきの9秒台の話ではないけど、日本選手の活躍によって、新たなスターを誕生させる土台が着実にできあがっていると思うよ。

和 この流れをなんとかキープさせる…というか、いまのうちにもっともっと盤石なものにしたいですね。すでにインド、タイ、台湾なども結果を出していますし、いつ他国が爆発的な結果を出すかわかりません。後続を突き放す気持ちでいかないと、日本もあっという間に飲み込まれますよ。

<続く>

文/バドミントン・マガジン編集部

投稿日:2017/12/31

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