3 こんなこと知りたい! Q&A

Q1 バドミントンの大きな大会は?

海外…4年に1度のオリンピックが最高峰

世界のバドミントン選手が目標とする代表的な大会にオリンピック、世界選手権があります。とくに4年に一度行なわれるオリンピックの金メダルは、選手にとって大きな夢です。また、イギリスで行なわれる全英オープンは100年以上の歴史があり、世界選手権が開催されるまで世界一を決める大会として開催されていました。

そのほかに、年間15大会行なわれるワールドツアーや、バドミントンのワールドカップといわれる世界国別対抗戦トマス杯・ユーバー杯アジア大会などもトップ選手がめざす大会です。

国内…最も権威のある大会が全日本総合

国内ではジュニア世代から全国大会が開催されており、ジュニアは全国小学生選手権(全小)やABC大会、中学生は全国中学校大会(全中)、高校生はインターハイ・高校選抜、大学生はインカレが大きな目標となります。

社会人の上級者クラスになると、全日本社会人や全日本実業団、全日本シニアなどが目標となり、トップクラスになると国内で最も権威のある大会・全日本総合での優勝をめざします。全日本総合で上位に入ると日本代表に選ばれて海外大会に出場することができ、オリンピックや世界選手権の出場が近づきます。

高校生年代の真夏の祭典、インターハイ。毎年熱戦が繰り広げられる(写真は2019年の熊本IH)

Q2 バドミントンが強い国はどこ?

→日本、中国、インドネシアが世界トップクラス

1900〜70年代は、アジアのインドネシア、マレーシア、欧州のデンマーク、イングランドなどが強豪国として活躍していました。世界一の国を決めるトマス杯やユーバー杯などは、男子がインドネシア、マレーシア、女子はアメリカ、日本などが優勝を飾っています。また、当時世界一を決める全英オープンでも、インドネシアやマレーシア、デンマークの選手たちが優勝を果たしています。

1980年代に入ると中国が台頭しはじめ、世界の勢力図も変わりました。世界選手権やアジア大会、海外ツアーの各大会で男女ともに中国が独占することも少なくはなく、他国にとっては脅威的な存在に。90年代から2000年代に入っても、その強さは変わらず、2012年のロンドン五輪では、中国が5種目全制覇の偉業を達成するなど、黄金時代を築いています。

しかし、そのロンドン五輪以降は、他国の選手強化が少しずつ実り始め、2014年には世界一の国を決めるトマス杯(男子団体)で、日本が初優勝。2016年のリオ五輪では、日本の髙橋礼華/松友美佐紀が女子ダブルスで日本初の金メダルを獲得するなど、中国の牙城が少しずつ崩れ始めていきます。また、これまで強豪国とされたインドネシア、マレーシア、韓国に加えて、日本やタイ、台湾なども各大会で結果を残すようになり、近年では、多くの国に世界の頂点をねらえる逸材が生まれるようになりました。

そして現在は、日本、中国、インドネシアが世界トップクラスの国として各大会で好成績をおさめています。とくに日本は、2018年のユーバー杯(女子団体)で久々の優勝を果たし、個人戦でも2017年に女子シングルスの奥原希望選手、2018&19年に男子シングルスの桃田賢斗選手、女子ダブルスの松本麻佑/永原和可那ペアが世界一に輝くなど、5種目すべてで上位に入る強豪国として知られています。

世界選手権2019では桃田賢斗選手が2連覇を達成

Q3 日本は強い?

1960~70年代は女子が世界一に!

1960~70年代は、当時世界最高峰の大会とされた全英オープンで複数の日本女子選手が優勝するなど大活躍しました。また、世界ナンバーワンの国を決めるユーバー杯(女子団体)でも優勝4回、準優勝1回という輝かしい成績を残しています。

その後、しばらく世界の第一線からは遠ざかりましたが、2000年代に入ると男子がシングルス、ダブルスとも世界の強豪と善戦することも見られ、2007年世界選手権では男子ダブルスの坂本修一&池田信太郎ペアが3位入賞を果たしています。

「オグシオ」ブームから世界一を輩出する強豪国に

女子は1990年代から再び活躍しはじめ、1998年アジア大会で米倉加奈子選手が女子シングルスで金メダルを獲得し、ダブルスでは「オグシオ」として一大ブームを巻き起こした小椋久美子&潮田玲子ペアが、2007年世界選手権で銅メダルを獲得しています。その後も、女子はシングルス・ダブルスの両種目でトップクラスの選手が続々と生まれ、注目度の高いオリンピックでは、2008年北京五輪で女子ダブルスの末綱聡子&前田美順が初めて4位入賞を果たし、さらに、2012年のロンドン五輪 に出場した女子ダブルスの藤井瑞希&垣岩令佳が、日本史上初の五輪銀メダルを獲得しています。

オリンピックで初めてメダルをつかんだ日本は、さらなる飛躍を遂げることになります。女子ダブルスでは、2014年に髙橋礼華&松友美佐紀が年間王者決定戦のスーパーシリーズファイナルで、日本人初の優勝を達成。さらに、翌年の2015年には、男子シングルスの桃田賢斗選手と女子シングルスの奥原希望選手が、スーパーシリーズファイナルアベック優勝をつかみました。

他国から追われる国となった日本

前述したとおり、2016年リオ五輪で髙橋礼華/松友美佐紀ペアが金メダルを手にしてからは、日本勢が海外大会でさらに好結果を残し始めます。男子シングルスでは桃田選手が、女子シングルスでは奥原選手と山口茜選手がそれぞれ世界ランキングで1位に輝いており、男子ダブルスでも園田啓悟/嘉村健士ペア、遠藤大由/渡辺勇大ペアなどがツアー大会で優勝を飾っています。

女子ダブルスにおいては、世界選手権で金メダルを獲得した松本麻佑/永原和可那ペアや、その2人と同大会で2年連続決勝戦を争った福島由紀/廣田彩花ペア、また、髙橋礼華/松友美佐紀ペアや米元小春/田中志穂ペアなどが活躍(米元/田中ペアはケガのため2019年後半のツアーは欠場)。混合ダブルスでも、渡辺勇大/東野有紗ペアが2018年の全英オープンで日本人初優勝を飾っており、日本はすべての種目で上位候補の選手を・ペアを揃える国へと変貌。世界トップとして、他の強豪国から追われる立場となっています。

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