日本一を争う「第79回全日本総合バドミントン選手権」が、12月25日に東京・京王アリーナで開幕した。大会最終日の30日は、各種目決勝が行なわれた。ここでは熱戦を繰り広げた選手のコメントを紹介する。
女子ダブルス
五十嵐有紗（右）＆志田千陽
（BIPROGY／再春館製薬所）
決勝戦結果：廣田彩花／櫻本絢子（岐阜Bluvic／ヨネックス）に２−１で勝利
ーー試合を振り返って
五十嵐 1ゲーム目を取られてしまい、2、3ゲーム目も苦しい展開が多く続いてしまいました。最後の最後の競った場面で、自分たちの持ち味であるスピードを出せたのが、すごくよかったと思います。
志田 1ゲーム目はいい入り方ができていたと思います。ただ、途中から連続失点で、1ゲームを取られてしまってからは、流れがずっと悪い状態が続いてしまいました。でも、そこを2人で我慢しながら、最後の最後でやっと抜け出せることができた。気持ちが折れずに、2人で最後まで戦ったのが勝ちにつながったと思います。
ーー勝った後は涙を流していた
志田 ペアを結成してから、スタートがよかったかと言われると、練習もしてない時は全然いいコンビネーションが出せないこともありました。いい試合ができても勝ちきれなかったり、結構苦しい時間があったと思います。
でも、絶対に全日本総合で優勝したい気持ちを持って挑んでいました。決勝はずっと苦しい展開が続いていたし、自分自身もすごい硬くなってしまった。そこで勝ちきれたのはすごいホッとしましたし、懸けていた大会で優勝できたのはすごいうれしくて、涙が出てきました。
ーー1ゲーム目はリードした場面から逆転を許してしまった
志田 1ゲームはずっといいリズムでやれていましたが、2人の間に来る中途半端な球だったり、相手がギリギリ返してきた球に対し、こちらがミスをしてしまい、自分たちからリズムを崩してしまいました。それで相手が乗ってしまった。そこは2人の間の処理だったり、ギリギリの球に対して、もっとしっかり詰めていく必要があったというのが反省点です。
ーーファイナルゲームは、後半に連続得点で勝利までつなげた
五十嵐 昨年、私がシダマツ（志田千陽／松山奈未）ペアに負けた時も、2ゲーム目は競って、そこから点数を取られて負けてしまいました。今年は、3ゲーム目で自分たちがリードしてる場面は少なかったけど、後半は絶対に負けたくないという気持ちと、引かずに攻撃の形を多くつくろうと話をしていました。それがうまくできたと思います。
ーーファイナルゲームのチャレンジのシーンで、結果的に2点ったが、気づいていたか
志田 私は全然気づいていなくて、後から聞いて、そんなことがありえるんだと思いました。自分のプレーに集中しすぎて、その時は追いつきたい、追いつきたいという気持ちでした。
ーー2人は優勝というのを大事にしていた。念願のタイトルを取れたことをどうとらえているか
志田 組み始めてから（国際大会の）準決勝でずっと敗退してる状態。どんな大会でも優勝するのが難しいというのは、経験としてわかってはいます。この全日本総合は、自分たちにとって、一つの節目というか、きっかけになる大会だと思っていたので、絶対に優勝しようという気持ちでした。福島由紀／松本麻佑ペアや、中西貴映／岩永鈴ペアが棄権しましたが、それでも日本には強いペアがたくさんいるので、そこで優勝できたのはすごく自信になる。また、いいところと反省点が見えた、内容が詰まった総合になりました。
五十嵐 上の2ペアが棄権したことによって、逆にプレッシャーになってしまったり、絶対に優勝しなきゃいけない気持ちがあった。この全日本総合で代表に入るというのが、自分たちの総合の目標。ここで勝ち切れたっていうのは大きいと思います。世界の大会でも、今日みたいな試合はたくさんあると思う。それを経験として、世界でも通用するプレーヤーになれたらいいなと思います。
取材／バドミントン・マガジン編集部、平野貴也、吉井信行、楊順行
弊社販売部
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