日本の頂点をかけて争われる第79回全日本総合バドミントン選手権(東京・京王アリーナTOKYO)。大会3日目は各種目2、3回戦が行なわれた。女子ダブルス3回戦のダイジェストを紹介する。
【女子ダブルス】
第1シードの福島由紀/松本麻佑(岐阜Bluvic/ほねごり相模原)は、川添麻依子/宮﨑淳美(岐阜Bluvic)と対戦。松本は前日に続き、混合ダブルスで1時間超の試合をこなしており、疲労が心配された。ゲームが始まれば後ろからは無理に打たず、ドロップ・カットでチャンスをつくり、相手がネット前に置きにくれば、素早く詰めて仕留める。ネット前に入った時は丁寧にシャトルをさばき、福島の強打を引き出す。さすがのプレーを披露した。福島にとってはチームの後輩ペアとの対戦だが、やりづらいというより、苦手なところはわかっているという印象。14本、14本で勝利を収め、ベスト8進出を決めた。準々決勝では日本代表ペア、鈴木陽向/山北奈緖(NTT東日本)の挑戦を受ける。

全日本社会人からの継続ペア、廣田彩花(上写真・前)/櫻本絢子(岐阜Bluvic/ヨネックス)の相手は、自分たちと同じ右左ペアで所属チームも異なる、若手の加藤佑奈/田口真彩(再春館製薬所/ACT SAIKYO)。廣田/櫻本は一人が仕掛けた後のパートナーのフォローが速く、スムーズにローテーションしていく。対する加藤/田口は、仕掛けたものの崩される場面が見られた。序盤から廣田/櫻本がリードを保ち、加藤/田口が終盤に追いつくもミスが重なり、21-19で廣田/櫻本。第2ゲームに入ると、廣田/櫻本は右左ペアの弱点でもある「真ん中」を徹底的にねらい、加藤/田口に気持ちよく打たせない。ショット力でも線の細い若手を上回り、最後は櫻本がクロススマッシュ、浅いリターンを廣田が打ち込みゲームオーバーとなった。

準々決勝で廣田/櫻本と対するのは、インカレ優勝ペアの中出すみれ(上写真・左)/田邉裕美(龍谷大)。来春入社予定のBIPROGYのペア、大竹望月/髙橋美優に第1ゲームを奪われたが、ひるまず攻め続けて逆転勝利。前後にローテーションしながらも攻撃の形を保ち、先輩ペアをスピードとパワーで打ち抜いた。
第2シードの五十嵐有紗/志田千陽(BIPROGY/再春館製薬所)は、伸び盛りの新見桃芭/相磯美心(広島ガス)に2−0で勝利した。新見/相磯は二人を崩してセンターに決めるなどいい攻めもあったが、安定したレシーブとロングリターンなど、五十嵐/志田の安定感が上回った。最後は五十嵐が、元パートナーの渡辺勇大(J-POWER)ばりのジャンピングカットを決めて21-14。準々決勝では、2028年ロサンゼルス五輪への挑戦を公言して活動する、大澤佳歩/田部真唯(山陰合同銀行)と対戦する。
第3シードの中西貴映/岩永鈴(BIPROGY)は、第2ゲームを終えて1−1となったところで棄権。清瀬璃子/原菜那子(岐阜Bluvic)が勝ち上がり、準々決勝で保原彩夏/廣上瑠依(ヨネックス)と対戦。保原は混合ダブルスでも準々決勝進出。女子選手で唯一、2種目でベスト8入りを果たしている。
▼3回戦(12月27日)
福島由紀/松本麻佑(岐阜Bluvic/ほねごり相模原)②〔21-14、21-14〕0●川添麻依子/宮﨑淳美(岐阜Bluvic)
鈴木陽向/山北奈緖(NTT東日本)②〔21-9、21-16〕0●石川心菜/平本梨々菜(岐阜Bluvic)
中出すみれ/田邉裕美(龍谷大)②〔17-21、21-18、21-15〕1●大竹望月/髙橋美優(BIPROGY)
廣田彩花/櫻本絢子(岐阜Bluvic/ヨネックス)②〔21-19、21-14〕0●加藤佑奈/田口真彩(再春館製薬所/ACT SAIKYO)
清瀬璃子/原菜那子(岐阜Bluvic)◯〔21-19、13-21、棄権〕●中西貴映/岩永鈴(BIPROGY)
保原彩夏/廣上瑠依(ヨネックス)②〔21-14、21-9〕0●今井優歩/齋藤夏(ほねごり相模原/PLENTY GLOBAL LINX)
大澤佳歩/田部真唯(山陰合同銀行)②〔21-10、21-11〕0●矢﨑月子/播摩朋奈(ほねごり相模原)
五十嵐有紗/志田千陽(BIPROGY/再春館製薬所)②〔21-7、21-14〕0●新見桃芭/相磯美心(広島ガス)
▼準々決勝の組み合わせ
福島由紀/松本麻佑(岐阜Bluvic/ほねごり相模原) — 鈴木陽向/山北奈緖(NTT東日本)
中出すみれ/田邉裕美(龍谷大) — 廣田彩花/櫻本絢子(岐阜Bluvic/ヨネックス)
清瀬璃子/原菜那子(岐阜Bluvic) — 保原彩夏/廣上瑠依(ヨネックス)
大澤佳歩/田部真唯(山陰合同銀行) — 五十嵐有紗/志田千陽(BIPROGY/再春館製薬所)
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/井出秀人
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