東京2025デフリンピックのバドミントン競技は調布市の京王アリーナ(武蔵野の森総合スポーツプラザ)で11月26日からスタート。20日は個人戦各種目の準々決勝などが行なわれた。
日本勢はダブルスで強さを発揮した。男子ダブルスでは沼倉昌明/太田歩、永石泰寛/森本悠生が準決勝進出。また、女子ダブルスでは姉妹でペアを組む矢ケ部紋可/矢ケ部真衣が準決勝へ。個人戦は各種目とも21日にメダルをかけて準決勝以上の試合を実施する。

午後に行なわれた女子シングルス準々決勝でインド選手と対戦した矢ケ部真衣は、ファイナルゲームの末に敗退。「最後は足が止まってしまった」と振り返ったが、「姉と一緒にプレーするので、助け合いながらできる」と話したダブルスでは、姉の紋可が積極的に妹の真衣に声をかけ、ペアを引っ張った。ダブルス準々決勝では、ウクライナのペアに第1ゲームを5点に抑えて圧倒。2-0の快勝で、21日、メダルをかけた準決勝に臨む。「明日は自分たちのほうが強いという気持ちで頑張りたい」(真衣)「最後まで諦めない気持ちでプレーしたい」(紋可)と二人。大会前には、二人とも金メダルをイメージし、髪色をゴールドに。「私は勇気がなくて、毛先だけ」と姉の紋可は話すが、頂点をめざす気持ちは二人一緒だ。
男子ダブルスの沼倉/太田は、攻撃的な速い展開のプレーを披露。沼倉は混合ダブルスでこの日すでに2試合を行ない、男子ダブルス準々決勝で3試合目。それでも集中を切らすことなく、インドペアに対して第1ゲームを9点に抑える完璧な出足を見せた。第2ゲームは、中盤に太田のサービスから連続得点。勢いに乗り、2ゲームで勝負を決めた。

沼倉/太田は前回のデフリンピックブラジル大会では準決勝進出を決めたにもかかわらず、新型コロナの影響で準決勝を棄権。試合ができず、メダルに届かなかった悔しさを明日の準決勝にぶつける。「明日も今日のような強い気持ちでぶつかっていく」(太田)、「最低限の目標は達成した。気持ちを切り替えて、明日の試合を楽しみたい」(沼倉)と意気込みを語った。
また、男子ダブルスでは、永石/森本も躍動。台湾ペアとの競り合いを22-20、21-17で制して、準決勝進出を決めた。ともにシングルスにも出場した永石と森本は、シングルスでは19日に敗退。この日のダブルスでは、「強い相手だとわかっていたので、自分たちから先に攻めた」(森本)「緊張感のある展開だったので、コートでより一層集中した」(永石)と振り返った通り、低い展開から先に攻撃を仕掛けていった。

21日の準決勝では、沼倉/太田はロシアペア、永石/森本はタイペアと対戦する。
混合ダブルスの沼倉昌明/沼倉千紘、女子ダブルスの長原茉奈美/鎌田真衣は準々決勝で敗退。「二人で組むのは今大会が最後」と話した沼倉千紘、「私はこれが最後のデフリンピック」と話した長原は、試合後には思いがあふれ、目を潤ませた。


取材・文&写真/バドミントン・マガジン編集部









