10月10日に開催されたBWF世界ジュニア2025(インド・グワーハーティー)団体戦5日目は、決勝トーナメント・準決勝などが行なわれた。準々決勝でアメリカを破りメダルを確定させた日本は、準決勝で強敵の中国と対戦。優勝候補を相手に熱戦を繰り広げた。
独自のスコアリングシステムで行なわれている今大会。準々決勝ではインドが韓国を破って初のベスト4入りを果たすなど、新ルールが波乱を起こすきっかけに。日本もアメリカに第3セットまで持ち込まれるなど危ない場面もあったが、挑戦者として挑む中国戦は、日本にとって追い風になるとも考えられていた。
第1セットの第1試合は、女子シングルス。これまで安定した戦いぶりが目立っている渡邉柚乃(上写真)が、9−5と幸先よくリードをつくる。続く男子シングルスの髙野日向も臆することなく戦い、18−14とした。しかし、この後の混合ダブルスが26−27で逆転を許すと、女子ダブルスも大きく差を広げられ、最後の男子ダブルスでポイントを取り返したが、42−45で先制を許した。
第1セットは落としたものの、勢いのある日本も負けてはいない。第2セットは、女子シングルスの渡邉が再びリード。9−6で男子シングルスの川野寿真(上写真)に託すと、川野は18−16でリードを守り、第1セットで逆転を許した澤田修志/伴野碧唯も27−25と2点差を死守。この流れを女子ダブルスの橋村妃翔/阿波芽衣咲がつなぎ、最後の男子ダブルスは川野/澤田が45−38で勝利。日本が1−1のタイに戻す。
第2セットを奪い、中国に大きなプレッシャーをかけることに成功した日本。しかし最終セットは、女子シングルスの渡邉が9−8と接戦を演じると、男子シングルスの髙野がペースを握られ12−18で6点差。その後も中国選手が日本勢の前に立ちはだかり、混合ダブルスの澤田/伴野は17−27。女子ダブルスの橋村/阿波も27−36と差を詰めきれず、勝負の行方は最後の男子ダブルスへ。
大逆転をねらってコートに立った川野/澤田(上写真・左)は、この日3試合目となったアジアジュニア王者のペアに対し、4連続得点などで猛追。一気に点差を詰めて、42−43と1点差まで肉薄した。が、2人の追い上げはここまで。最後は中国ペアに振り切られ42−45。日本は中国1-2で敗れ、準決勝敗退。優勝には届かず、前回大会と同じく、団体戦は銅メダルに終わった。
10月10日の結果は以下の通り。
日本(グループA1位)1−2 中国(グループC1位)
▼第1セット
日本 42−45中国
WS渡邉柚乃○9−5徐文婧
MS髙野日向○18−14肖高博
XD澤田修志/伴野碧唯26−27○陳俊廷/曹梓涵
WD橋村妃翔/阿波芽衣咲28−36○曹梓涵/陳樊淑湉
MD川野寿真/澤田修志42−45○陳俊廷/劉俊榮
▼第2セット
日本 45−38中国
WS渡邉柚乃○9−6徐文婧
MS 川野寿真○18−16劉洋名宇
XD澤田修志/伴野碧唯○27−25陳俊廷/曹梓涵
WD橋村妃翔/阿波芽衣咲○36−33曹梓涵/陳樊淑湉
MD川野寿真/澤田修志○45−38陳俊廷/劉俊榮
▼第3セット
日本 42−45中国
WS渡邉柚乃○9−8劉思雅
MS髙野日向12−18○肖高博
XD澤田修志/伴野碧唯17−27○陳俊廷/曹梓涵
WD橋村妃翔/阿波芽衣咲27−36○曹梓涵/陳樊淑湉
MD川野寿真/澤田修志42−45○陳俊廷/劉俊榮
▼予選リーグ結果
グループA/①日本②タイ③アイルランド④ポルトガル
グループB/①アメリカ②フランス③ベトナム④エジプト⑤ノルウェー
グループC/①マレーシア②カナダ③オーストラリア④スロバキア
グループD/①中国②トルコ③イングランド④ガーナ⑤ウガンダ
グループE/①台湾②デンマーク③シンガポール④ブラジル⑤オランダ
グループF/①インドネシア②フィリピン③香港④スロベニア
グループG/①韓国②ポーランド③ルーマニア④ハンガリー⑤ブータン
グループH/①インド②スリランカ③UAE④ネパール
大会方式:団体戦は45点先取の3セットマッチで実施(2セット先取で勝利)。試合は1セットの中で5種目の対戦を行なうが、1種目の勝負で一方の選手/ペアが9点を獲得したら、その点数を次の種目に引き継ぐ(9-7で終わった場合、2種目は9−7からスタート)。2試合目は先に18点を取った時点で次の種目へ(以下27点→36点→45点で終了)。44オールになった場合は、先に45点を取った方が勝利となる。1セットのうち1人最大3試合まで出場可能。
文/バドミントン・マガジン編集部
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