【世界選手権2025】山口茜が3回目の決勝進出!志田&松山、中西&岩永は決勝に届かず銅メダル!<準決勝結果>

8月30日に開催されたBWF世界選手権(フランス・パリ)6日目は、各種目の準決勝が行なわれた。日本勢は海外の強豪選手たちと熱戦を繰り広げ、女子シングルスの山口茜が決勝に進出。女子ダブルスの志田千陽/松山奈未、中西貴映/岩永鈴は、ともに敗れて銅メダルが確定した。

好調の山口(上写真)が、2大会ぶり3回目の決勝進出を決めた。準決勝は、プトリ・クスマ・ワルダニ(インドネシア)と対戦。手足の長い相手が繰り出す、高い打点からのカットに手を焼きながらも、2-1で逆転勝利を収めた。圧巻だったのは、ファイナルゲームの序盤。第2ゲームを取り返した相手の反撃ムードを完全にストップ。出だしからスピードを上げて圧倒した。相手に1点しか与えずにインターバルを挟むと、後半も勢いを落とさず6本に抑えて力の差を示した。

昨年のパリ五輪後以降、ワールドツアーなどで存在感を増しているインドネシアの期待の星に対し、勝負所を押さえた戦い方に、キャリアの差を感じさせた。山口は「リードされたり、相手のリズムにし過ぎたりしてしまうと、どんどん思い切ったショットが多くなって、後手に回ってしまう。できるだけ先手を取れるように、点数的にもプレー的にも意識した」と相手の勢いを抑え込むイメージだったことを明かした。

今大会でペアを解消する志田/松山(上写真・右)は、7月のダイハツジャパンOP(Super750)で敗れたティナー/タン(マレーシア)への雪辱をねらったが、1-2の逆転負けを喫した。立ち上がりから高い集中力で主導権を握り、攻撃が機能。しかし、第2ゲームに入るとミスが目立つようになり、ペースを失った。最終ゲームは、中盤まで競っていたが、9オールから7連続失点で勝機を逸した。守備でリズムをつくる相手を崩し切れず、短いレシーブで連係を崩された。

試合終了後、松山は涙。最後の挑戦でも、世界一には届かなかった。それでも、パリ五輪で銅メダルを獲得した後は、モチベーションの維持で苦しんだ時期もあり、志田は「難しさがあった中で、ここまで一緒に頑張って、表彰台に戻ってこれたというのは、我ながら立派なことだと思う。奈未は、私以上に苦しかったと思うけど、今大会は、奈未がすごくプレーで引っ張ってくれた。ここまで連れてきてくれたことに、感謝している」と2人で戦い切れた思いを言葉にした。

女子ダブルスで反対の山から決勝進出を狙ねらった中西(上写真・左)/岩永は、0-2で譚寧(タン・ニン)/劉聖書(リュウ・シァンシュ/中国)に完敗。第1ゲーム中盤までは競ったが、譚寧が得意とするサービスで主導権を奪われると、防戦一方。第2ゲームは、わずか4点しか奪えなかった。中西は「相手の方が集中力が上。1点も取らせないという気迫を感じた」と実力だけでなく勝負に向かう姿勢にも差を感じさせられた一戦を振り返った。初の銅メダルで過去最高成績となったが、2028年ロサンゼルス五輪を見据える上では、課題を突きつけられた。岩永は「今日の結果がすごく悔しいので、まだ本当にうれしいとは思えない。これからもっともっと強くなって、もっといい色のメダルを取れるように頑張りたい」と今大会の経験を糧に成長することを誓った。

日本の決勝進出者は、女子シングルスの山口のみ。決勝は、優勝候補筆頭のアン・セヨン(韓国)を準決勝で破った陳雨菲(チェン・ユー・フェイ/中国)と対戦。日本勢初となる3度目の優勝をめざす。

準決勝の結果、最終日(8月31日/決勝)の対戦カードは以下の通り。

【男子シングルス】

▼準決勝(8月30日)

石宇奇(中国)②〔13−21、22−20、21−16〕1●ビクター・ライ(カナダ)

クンラビット・ビティサラン(タイ)②〔21−17、21−15〕0●アンダース・アントンセン(デンマーク)47分

▼決勝(8月31日)

石宇奇(中国) − クンラビット・ビティサラン(タイ)

【女子シングルス】

▼準決勝(8月30日)

陳雨菲(中国)②〔21−15、21−17〕0●アン・セヨン(韓国)58分

山口茜②〔21−17、14−21、21−6〕1●プトリ・クスマ・ワルダニ(インドネシア)58分

▼決勝(8月31日)

山口茜 − 陳雨菲(中国)

【男子ダブルス】

▼準決勝(8月30日)

徐承宰/金ウォンホ(韓国)②〔21−12、21−3〕0●アストルップ/ラスムセン(デンマーク)27分

陳柏陽/劉毅(中国)②〔21−19、18−21、21−12〕1●シェティ/ランキレッディ(インド)67分

▼決勝(8月31日)

徐承宰/金ウォンホ(韓国) − 陳柏陽/劉毅(中国)

【女子ダブルス】

▼準決勝(8月30日)

譚寧/劉聖書(中国)②〔21−15、21−4〕0●中西貴映/岩永鈴41分

ティナー/タン(マレーシア)②〔14−21、21−13、21−12〕1●志田千陽/松山奈未68分

▼決勝(8月31日)

譚寧/劉聖書(中国) − ティナー/タン(マレーシア)

【混合ダブルス】

▼準決勝(8月30日)

チェンTJ/トーEW(マレーシア)②〔21−18、21−16〕0●ジケル/デリュウィ(フランス)53分

蒋振邦/魏雅欣(中国)②〔11−21、23−21、21−18〕1●郭新娃/陳芳卉(中国)68分

▼決勝(8月31日)

蒋振邦/魏雅欣(中国) − チェンTJ/トーEW(マレーシア)

取材・文/平野貴也

写真/BADMINTONPHOTO

バドミントン・マガジン9月号

Amazon

楽天ブックス

スポーツクリック

定期割

弊社販売部
0120‐911‐410

投稿日:2025/08/31
■関連キーワード

               

人気記事ランキング

閉じる