6月9日にアジア開催のBWFワールドツアー上位大会に参戦した日本代表が帰国した。女子シングルスで、マレーシアマスターズ(Super500)、シンガポールOP(S750)、インドネシアOP(S1000)の3大会でベスト4に入った山口茜が、帰国後の囲み取材に対応。3大会の戦いを振り返った。
山口茜
――3大会を振り返って
結果は3週連続のベスト4ですが、欲を言えば、どこかでもう一つ上にいく経験ができればよかったと思います。でも、今の世界ランキングで4シードを持つ選手(アン・セヨン、王祉怡、韓悦)と1回ずつ対戦できたことを含めて、いい遠征になったと思います。
――今季は3月の全英OPでケガから復帰。復調の手ごたえは?
全英や(4~5月の)アジア選手権、スディルマン杯(ともに中国)と比べると、スピードを出せるようになってきたと思います。変に力まず、自分が行かなきゃと思わなくても(自然と)動けるようになってきた。スピードは自分の武器というよりは、生命線。まだまだ満足はしないですけど、相手選手に対応する戦い方はできてきたと思いますし、今回に関してはそこがよかったかなと思います。
――ベスト4の壁を超えるための課題
スピードを上げた中での精度、自分で攻撃して点数を取りにいくところでの精度です。そういう展開をつくることが、もう少しかなというところ。相手がやろうすることを対処したり、カウンターをねらったりはできていたけど、自分から攻めることや、相手がただラリーをしてくる時にどうするかが、もう少しかなと思います。
――試合では、第1ゲームはしっかりと相手を見て戦っている印象だった
最初のマレーシアでは、自分がどう動くかを意識してやっていたので、戦術面であまりよくない戦い方になることが多かったと感じました。シンガポール、インドネシアは、あまり動きを気にせずに、相手がどういうやり方で戦うのかを意識していたので、そういう感じになったのかなと思います。
――マレーシアマスターズでは奥原希望選手と久々の対戦。苦戦の末に勝利した
何度も対戦しているので、やり方を知っているなという感じはしました。(楽しむ余裕はなかった?)どちらかと言えば、勝たなきゃいけないポジションという認識はあったので、(相手にマッチポイントを握られて)マズイなって思っていました(笑)。
――インドネシアOPの準決勝では、女王のアン・セヨン(韓国)に敗戦(18−21、17−21)
思ったよりやれたところもありましたけど、点数よりは差があるだろうなとも感じました。
――7月のジャパンOP(東京体育館)に向けての意気込み
今回の遠征は、世界ランキング1ケタの選手との対戦を除けば、しっかり勝てたところはよかったです。でも、4シードの選手とはまだ差があると感じました。ジャパンOPまであまり日数はないですけど、その差を埋められるようにできたらと思います。
――ジャパンOPは連覇がかかっている
昨年の大会はパリ五輪直後で、出なかった選手もいました。また、五輪に出た選手の中には、コンディションの面で調整不足の選手もたくさんいた中、自国開催で声援に後押しされて、一番いいプレーができたと思っています。今年は、トップ選手もほとんど出場しますし、1週目の大会(※翌週が中国OP)なので、よいコンディションで大会を迎えるのかなと思います。2連覇は簡単ではないと思いますが、まずはいいプレーができるように、しっかり準備していけたらいいなと思います。
取材・写真/平野貴也
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