【スディルマン杯】「2年後は中国を倒したい。もっと上をめざしたい」(保木)「自分が出て勝つという強い思い、2番手以降の押し上げが必要と痛感した」(中西)<帰国コメント>

5月5日、5月4日に閉幕した世界国・地域別男女混合対抗戦スディルマン杯(中国・厦門)から、日本代表が帰国した。空港で、大堀均ヘッドコーチ、男女キャプテンが取材に対応。ここでは男子キャプテンを務めた保木卓朗、女子キャプテンを務めた中西貴映のコメントを紹介する。

中西貴映(左)/保木卓朗

――2大会連続の銅メダルという結果をどう受け止めていますか

中西 私自身は出場は1回のみで、チームメートの応援が主でしたが、コートで戦う選手たちの覚悟や気迫を目の前で見られて(その上で)メダルを持ち帰らせてくれて(仲間に)すごく感謝しています。

保木 最大の目標は、優勝。その思いで大会に臨んで、準決勝で中国という大きな壁に敗れてしまいましたけど、また2年後に(今度こそ)このスディルマン杯で倒すという気持ちで帰ってきました。

――中西選手は、メンバー変更で大会に参加。女子の主将を務め、応援でも存在感がありましたね

中西 できることは、応援やサポートしかないと思っていましたし、そこをやらなければ、一緒に行かせてもらった意味もないと思っていたので、少しでも力になれるように行動したつもりです。それが、少しでもチームの後押しになっていたらよかったなと思います。

――保木選手は、グループリーグ第3戦のマレーシア戦の逆転勝利が印象的でした

保木 自分たちは、復帰2戦目でこの大会に入りましたが、まだまだ自分たちもできるんだなと手応えを得ることができましたし、もっと上をめざしたい気持ちにもさせてもらった大会。自分自身、もう1回、頑張りたいなと思いました。

――8月には世界選手権も控えています。今後に向けた意気込みを聞かせてください

中西 (世界選手権までは)あと3カ月くらいあるので、またパートナーと課題を話し合って、レベルアップして、いい結果を取れるように頑張っていきたいと思います。

保木 世界選手権は、選手にとってもすごく大きな大会ですし、日本のファンの皆さんもたくさん見てくれる大会だと思います。今回のような団体戦は、1年に1、2回しかないですけど(個人戦でも)チーム日本として世界バドミントン選手権も戦っていけば、日本全体でいい結果を収めていけるようになるのかなと思います。もう一段階、日本がレベルアップする必要があると思うので、また自分が(全体を)引っ張っていけたら。そういう存在にもなりたいなと思っています。

――保木選手、2年後に中国を倒す、今回より上にいくために、日本には何が必要だと感じますか

保木 毎回感じていることですけど、中国の選手は、団体戦になるとすごく強くなるイメージがあります。それが何なのか、毎回考えるんですけど、どれだけチームのために選手が犠牲になれるかだと思う。(中国は)世界トップの選手でも、連続で試合に出てきたり、体がきつい中でも戦う姿、エースの自覚がすごいと感じました。日本のために、どれだけ選手が犠牲になれるかというのが(チームとして)もう一段階上がるのには必要かなと思います。

――前回大会は、中国戦でマッチポイントから逆転負けを喫したが、今回はマレーシア戦でマッチポイントから逆転勝ちができた

保木 自分自身、2年前は、すごく悔しい思いで帰ってきました。今回は、逆に自分たちが逆転勝ちといういい形を作れたことは、今後の自分たちにはいいことだと思います。ああいう、諦めない姿を団体戦で見せられたことは、自分にとっても日本にとっても大きかったのかなと思います。

――中西選手は、出場が1試合だったことの悔しさなどは?

中西 やっぱり、戦力になって初めていく意味があると思いますし、2番手以降の選手がもっと強くならないことには、日本が勝つのは難しいなとすごく感じました。今回は、試合に出てくれたメンバーに頼るしかない状況だったのが、中国との大きな差かなと私はすごく感じました。多分、私たちがもっと強くなれば、仮に(今大会でエースとして試合に出た)志田千陽/松山奈未ペアが出たときに、今よりもっと覚悟を持ってコートに入れるような形になるんじゃないかと、中国の選手を見ていて思いました。2番手以降がもっと頑張って押し上げていくことが、これからの自分にとっても、他の種目にも大切なことなんじゃないかなと思いました。

――試合に出る機会が少ない中では、どんなところが刺激になりましたか

中西 映像で見るのとは違って、緊張感や本当に細かい駆け引き、試合期間中の過ごし方を見ることができました。日本の選手は、試合に出られたら勝ちたいという意識が強いと思うんですけど、もっと当たり前のように、自分が試合に出て勝つんだという気持ちをもってやっていかないと、本当に中国に勝つのは難しい。そういう差をすごく感じました。みんながいるから、表向きの言葉として「出られたら」という言葉を選んでいると思うけど、本当に心の底から、自分が出て勝つんだという気持ちを、もっと自分自身ももってやっていこうと感じました。

――世界選手権に向けて強化したいポイントは?

中西 パートナー(岩永鈴)のケガもあって、しばらく試合に出られていなかったので、コンビネーションの部分や、試合の流れをつかむところが、以前に比べて遅くなってしまう場面があり、試合の流れを簡単に相手に渡してしまう場面が増えていると思ったので、そういう部分をしっかりと詰めていきたい。世界選手権の前にもいくつか試合があるので、実戦でも大事にしながらレベルアップしていきたいと思います。

構成/編集部

投稿日:2025/05/05

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