バドミントンS/JリーグⅢ2025が、2026年2月13日から15日まで東京都立川市で開催された。S/JリーグⅢは、S/JリーグとS/JリーグⅡの下部リーグにあたり、S/JリーグⅢの1位チームが来季のS/JリーグⅡへ自動昇格となる。今季のS/JリーグⅢは、男子1部16チーム、男子2部28チーム、女子6チームがエントリー。大会最終日は、男子の最終順位が確定した。ここでは、男子1部優勝争いのダイジェストをお届けする。
【男子1部ダイジェスト】
総当たり1回戦の1~4位決定戦に勝ち残ったのは、S/JリーグⅡ返り咲きをめざすRACRE、NTT東日本で選手、監督として活躍した須賀隆弘コーチがベンチに入るトヨタモビリティ東京、全日本総合4強の経験を持つ小野寺裕介が主将を務める東京メトロ、昨季S/JリーグⅢから昇格した宮脇鋼管の4チーム。大会2日目のうちに、宮脇鋼管がRACREに、トヨタモビリティ東京が東京メトロに、それぞれ2-1で勝利。最終日は、残りの4試合が行なわれた。
第1試合では、2勝目をねらうトヨタモビリティ東京と宮脇鋼管が対戦。負ければ自力優勝の可能性がなくなり、勝てば優勝に王手となる大一番は、第1ダブルスから激戦となった。トヨタモビリティ東京は、水口稜太郎/山﨑諒羽が2-0で樋口稜馬/武藤映樹に勝利。第1ゲームは、22-20の接戦。勝負所でロングサービスを使って相手を崩した水口は「今大会、自分たち二人は調子がよくなくて、あまりチームに貢献できていないという気持ちがあった。今日だけは絶対に貢献したかった」と、懸けていた思いを語った。
第2ゲームは終始、僅差でリードされる展開だったが17-18から4連続得点で差しきった。山﨑は「気持ちで引いてしまう場面が多かったので、相手より立ち位置を前にして、相手より先に仕掛けようと思っていた」と、ネット前で相手の球を止め続けて得点を引き寄せた。
シングルスは、トヨタモビリティ東京の百上拓海が劇的な勝利を飾った。宮脇鋼管は、内定選手の丸山拓海(龍谷大)を起用。第1ゲームを百上が18本で先取したが、第2ゲームは、元日本代表の中西洋介コーチの助言を受ける丸山が12本で取って逆襲。ファイナルゲームも丸山が15-6と大きくリードした。しかし百上は、ねばり強いラリーから要所を仕留めるプレーで猛追。18オールに追いついた。
相手のプッシュをカウンターレシーブで跳ね返すなど、際どい攻防をものにして、22-20で勝利。チームの優勝を決めて喜んだ。「途中、正直、負けたと思った。でも、応援席を見たときに、このままでは負けられないという気持ちになった。冷静にやっていたけど、勝って感情が爆発した」と、大逆転劇を振り返った。宮脇鋼管は、第2ダブルスで一矢報いたが、この一敗は大きかった。
負ければ優勝の可能性がなくなるRACREと東京メトロの対戦は、東京メトロが3-0で勝利。最終戦に望みをつないだ。しかし、第2試合でトヨタモビリティ東京がRACREを3-0で破り、全勝での優勝が決定。1勝同士の対決で勝った宮脇鋼管が2位、敗れた東京メトロが3位、RACREが4位となった。
トヨタモビリティ東京は、東京トヨペットが前身のチーム。グループ会社の合併による社名変更後に再出発して、強化を実施。佐藤大信監督は「6年くらい前から、2部(S/JリーグⅡ)に上がりたいと思ってやってきたチーム。コロナ禍で活動できない期間もあった。(S/JリーグⅢ1部からS/JリーグⅡへの昇格は)3度目の正直。今日を迎えられて、チームとして本当にうれしい」と、悲願の初昇格を喜んだ。
来季、レベルが上がるなかでの戦いに、佐藤監督は「まずは、S/JリーグⅡで戦える、恥ずかしくない試合ができるチームにしたい」と殊勝に語ったが、激戦を制した選手たちは意気揚々。百上が「チームとしても注目を浴びたい。1部(S/Jリーグ)をめざしたい」と言えば、水口も「自分が出た試合は全勝して、優勝します」と、トップリーグ昇格をねらう気概を宣言。勢いを持って初舞台に挑む。
【男子1部最終順位】
1位 トヨタモビリティ東京
2位 宮脇鋼管
3位 東京メトロ
4位 RACRE
5位 BC千葉
6位 トヨタ自動車九州
7位 TEAM KANAGAWA
8位 ジヤトコ
9位 JFEプラントエンジ
9位 トヨタ自動車
9位 JP日本郵政
9位 JR東日本盛岡
9位 北都銀行
9位 ワタキューセイモア
9位 タダノ
9位 セーレン
【1部・2部 入替戦結果】
◎1部昇格
YANG YANG、アーガス・B.M.C、JFE物流
◎2部降格
JP日本郵政、タダノ、セーレン
取材・文/平野貴也
写真/井出秀人