日本の頂点をかけて争われる第79回全日本総合バドミントン選手権(東京・京王アリーナTOKYO)。大会最終日の12月30日は、各種目決勝戦が行なわれた。ここでは女子シングルスのダイジェストを紹介する。
【女子シングルス】

5回目の日本一に王手をかけた山口茜(再春館製薬所/上写真)と、大会2連覇をめざす宮崎友花(ACT SAIKYO)。決勝は、世界でしのぎを削る2人が至高の戦いを繰り広げた。
第1ゲーム、先制したのは山口。序盤こそ宮崎がラリーを制して8−3としたが、スピードを上げる山口が8連続ポイントで11−8と逆転。その後もスピードを緩めなかった山口が、自分のリズムに乗れない宮崎を21−14で抑えた。

第2ゲームに入っても、流れは山口に傾いたまま。序盤に6連続ポイントを奪って12−4とし、山口の圧勝ムードが会場に漂う。しかし、今回の決勝に対し、「簡単には勝たせたくなかった」という強い気持ちで挑んでいた宮崎が、ここから逆襲。速いクロス展開から山口のミスを誘い、点差を少しずつ縮めていく。山口も豪快なスマッシュで得点をつかんで安全圏をキープしていたが、後半は足を滑らせる不運なミスも重なり、18オール。ここから一気にスピードを上げた宮崎が、20オールとなった競り合いを先に制した。
運命のファイナルゲーム。うまく仕切り直したい山口だったが「第2ゲームを取り切れなくて、心身とも疲労がきてしまった」と、余裕はない状況。ただ、「疲れもプレッシャーも全部飲み込んで、楽しんでやろうと思った」と、コートに向かう姿勢は崩さない。スピードを上げられない中でも、宮崎のアタックをうまくレシーブし、ネット前でのミスを誘う。7-8の接戦から、山口が4連続得点で11-8とリードを奪った。
宮崎としては中盤も食らいつき、第2ゲームのように終盤の競り合いに持ち込みたかったが、「勝負所や点数が並んだ時に、経験の差を感じた」と逆転の糸口がつかめない。後半は単発のポイントが続く宮崎に対し、山口は2連続ポイントを刻んで点差を広げる。終盤に入ると、「楽しんでいる方が絶対に強いと思って、最後は楽しくできたと思います」という山口が、ペースを落とさず宮崎を振り切り、21-13で勝利。世界で輝き続ける女王が、5回目の総合制覇を成し遂げた。
▼決勝(12月30日)
山口茜(再春館製薬所)②〔21-14、21-23、21-13〕1●宮崎友花(ACT SAIKYO)

取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/井出秀人
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