バドスピ | BADMINTON SPIRIT

【全日本総合2025】五十嵐有紗&志田千陽が廣田彩花&櫻本絢子を退け頂点到達!<女子ダブルス/決勝戦結果>

日本の頂点をかけて争われる第79回全日本総合バドミントン選手権(東京・京王アリーナTOKYO)。大会最終日の12月30日は、各種目決勝戦が行なわれた。ここでは女子ダブルスのダイジェストを紹介する。

選手コメントはこちら

種目別トーナメント表はこちら

【女子ダブルス】

決勝は、五十嵐有紗(上写真・左)/志田千陽(BIPROGY/再春館製薬所)と、廣田彩花/櫻本絢子(岐阜Bluvic/ヨネックス)の対戦。総合での優勝経験を持つトップ選手4人(五十嵐は混合ダブルス)による激闘を、五十嵐/志田が2−1で制した。

混合ダブルスで活躍してきた五十嵐が前、志田が後ろというトップ&バックで攻めていく五十嵐/志田。対する廣田/櫻本は鉄壁のレシーブと、そこから攻撃に転じる見事な展開で若手の挑戦を退けてきた。強打で点を取りたい五十嵐/志田だが、後ろから打っても決まらない。さらに、ネット前からプッシュで決めにいっても、体を入れてドライブ、時にはクロスカウンターで返されてしまう。最初から最後まで競り合った第1ゲームは、勝負所を確実に決めた廣田/櫻本が22-20で奪った。

第2ゲームも競り合う展開。廣田/櫻本(上写真・左)は守る場面でもラケットを立てて、廣田がドライブレシーブで前に詰めていく。それも櫻本の後衛とカバー力を信じているからこそ。大会期間中、「楽しみたい」と言い続けてきたベテラン2人が生き生きとプレーした。

対する五十嵐/志田は、「絶対に優勝したい気持ちが強すぎて、体が動かなかった」(志田)と言いながら、拾われても返されても、しっかり足を運んで強打を打つ。ヒザに故障を抱える廣田の前に落とすねらいもよかった。カット・ドロップを読んだ廣田が前に詰めて押し込むなど、さすがのプレーも見せた廣田/櫻本だが、長いラリーでミスが出るように。ベテランペアの厳しい配球に耐えながら、取れるところでしっかり点を取った五十嵐/廣田。最後は五十嵐のスマッシュがネットイン。21-18で第2ゲームを奪い返した。

勝負のファイナルゲーム。五十嵐/志田は迷いのあったセンターへのクリアーに対し、志田が取って五十嵐が前に入る形に。それでも中盤までは廣田/櫻本のシャトルさばきが冴えて、折り返しは11-8と廣田/櫻本がリード。12-8、13-9と最大4点差まで広げた。しかし、廣田/櫻本のレシーブが徐々に短くなりはじめ、低い展開から五十嵐の前衛が機能するように。16-16で追いつくと、長いラリーから櫻本のスマッシュをクロスカウンターで仕留めて17-16と逆転。

五十嵐/志田が一気に攻め込み、志田のスマッシュ、五十嵐のプッシュと連続攻撃も決めていく。廣田/櫻本もラケットを立てて応戦するが、ファイナルゲームも長いラリーでミスをしてしまうのが痛かった。志田のセンタースマッシュが決まって、五十嵐/志田が20-16でマッチポイント。攻め合うラリーの中、櫻本がラウンドで当てにいったプッシュがバックアウト。アウトのコールを聞いた五十嵐と志田は、両手で顔を覆って床に倒れ込んだ。2028年のロサンゼルス五輪をめざして結成したペア。勝利者インタビューでは、「ここで優勝して、やっとスタート地点。来年は世界で活躍できるようにしたい」と志田。日本一の称号を得たペアが、世界一へと挑んでいく。

そして、負けはしたが、互角に戦った廣田/櫻本。9月の全日本社会人だけの予定が、同大会で優勝。そして、全日本総合準優勝。79分という長い試合を戦い抜いたスタミナ、練習時間が少ない中でも迷いなくやれるスキル、一つひとつのショットの精度、プレーの引き出しの多さ、気持ちの強さ…。多くの選手の手本となる姿を披露してくれたことを、最後に記しておきたい。

▼決勝(12月30日)

五十嵐有紗/志田千陽(BIPROGY/再春館製薬所)②〔20-22、21-18、21-16〕1●廣田彩花/櫻本絢子(岐阜Bluvic/ヨネックス)

白熱した試合を繰り広げた2ペア。左から優勝した五十嵐有紗、志田千陽、準優勝の廣田彩花、櫻本絢子

取材・文/バドミントン・マガジン編集部

写真/井出秀人

バドミントン・マガジン1月号が発売中!

Amazon

楽天ブックス

スポーツクリック

定期割

弊社販売部
(0120‐911‐410)

バドスピTOPへ
モバイルバージョンを終了