日本の頂点をかけて争われる第79回全日本総合バドミントン選手権（東京・京王アリーナTOKYO）。大会最終日の12月30日は、各種目決勝戦が行なわれた。ここでは混合ダブルスのダイジェストを紹介する。
【混合ダブルス】
この日、最初に行なわれた混合ダブルス決勝。渡辺勇大（上写真・右）／田口真彩（J-POWER／ACT SAIKYO）が、緑川大輝／松山奈未（NTT東日本／再春館製薬所）に2−1で勝ち、ペアとして2回目の総合出場で初優勝した。
第1ゲーム序盤から、いいプレーを見せる両ペア。田口、松山とも前衛での動きがよく、速いタッチで攻めてチャンスをつくり、男子選手が打ち込むショットに素早く反応して決める。渡辺／田口が11-10と、1点リードでインターバル。そこから、緑川／松山が怒涛の攻めを見せた。左左ペアの渡辺／田口のバック側にシャトルを集め、渡辺にいい形で打たせない。ラウンドではなくハイバック、あるいは下から取らせるようにバック側にシャトルを送り、あいた逆サイドに打ち込む組み立てが冴えわたった。6連続得点で一気に突き放し、その後も追いつくことを許さず。緑川／松山が21−15で第1ゲームを奪った。
第2ゲームに入ると、緑川／松山にミスが目立ちはじめる。渡辺は、「第1ゲームは相手にいいリズムで攻撃された。第2、3ゲームは守る時は守るで、大きな展開とかコートの四隅に打つとか、自分たちが気持ちよく打てる形をつくれた」と試合後にコメント。バック側にシャトルが集まる展開にも対応し、第2ゲームは21−9。大差をつけて、渡辺／田口が奪い返した。
ファイナルゲームに入っても、渡辺／田口の勢いは止まらない。渡辺のフェイントカット・ドロップがセンター前に絶妙に落ちて、緑川／松山（上写真・右）を苦しめる。後手に回る展開ではトップ＆バックの形がつくれず、どうしてもミスが増えてしまう緑川／松山。対する渡辺／田口は、2人が迷いなくプレー。田口が集中を切らさず速いタッチでシャトルをとらえ、渡辺が躍動感あふれるフォームから打ち込んでいく。
緑川／松山はサービスまわりにもミスが出てしまうなど、いい流れをつかめなかった。最後もサービスからの短い展開で、田口がバックプッシュを決めてゲームオーバー。第1ゲームの悪い展開をきっちり修正した渡辺／田口が、うれしい初タイトルを獲得した。
試合後の勝利者インタビューで、来年の抱負について「世界一に向けて頑張っていきたい」と宣言した田口。この優勝で日本代表に内定。世界への挑戦が、いよいよスタートする。
▼決勝（12月30日）
渡辺勇大／田口真彩（J-POWER／ACT SAIKYO）②〔15-21、21-9、21-11〕１●緑川大輝／松山奈未（NTT東日本／再春館製薬所）
取材・文／バドミントン・マガジン編集部
写真／井出秀人
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