日本の頂点をかけて争われる第79回全日本総合バドミントン選手権(東京都調布市・京王アリーナTOKYO)。大会5日目の12月29日は、各種目準決勝が行なわれた。ここでは混合ダブルスのダイジェストを紹介する。

朝一番の第1コート、一番乗りで決勝進出を決めたのは、緑川大輝(上写真・奥)/松山奈未(NTT東日本/再春館製薬所)だった。準決勝の相手は、古賀輝/齋藤夏(ジェイテクトStingers/PLENTY GLOBAL LINX)。緑川と齋藤は、12月初めのワールドツアーファイナルズまでペアとして戦い、世界ランキング7位。11月にペア解散が発表されてから、国内では初めての大会で対決することになった。
序盤は古賀/齋藤がスムーズに攻め込んだ。しかし、相手を崩して決めるところでミスが出てしまう。リードしていたが追いつかれ、11-9で緑川/松山がリードして折り返した。中盤以降は、緑川→松山の連続攻撃が次々と決まり、点差がついていく。古賀/齋藤も連続攻撃が出れば点を奪えるが、その形がなかなかつくれない。古賀/齋藤はネットにかけるミスが目立ち、最後は緑川のカットを拾いきれず。第1ゲームは、21-12で緑川/松山が奪った。
第2ゲームに入ると、緑川/松山の連続攻撃がさらに冴える。松山のポジショニングに迷いがなく、二人が重なる場面がほとんど見られない。緑川が後ろから打ち、松山が前で決めるという理想的な形でラリーを奪っていく。古賀/齋藤も食らいつき、折り返しは11-10と緑川/松山のリードは1点。長いラリーの多くは古賀/齋藤が取っていたが、今日は緑川/松山のプレーが冴えていた。緑川→松山という流れから、緑川が勢いよく前に飛び込んで決める形も披露。松山は試合後、「コンビネーションで点を取れた場面が、これまでの試合で一番多かった」とコメント。スムーズなローテーションで、相手に流れを渡さなかった。古賀/齋藤は終盤にサービスまわりのミスが重なり、緑川/松山を焦らせることができず。最後は緑川のスマッシュから、松山が仕留めてゲームオーバーとなった。緑川は、午後に行なわれた男子ダブルス準決勝でも勝ち、2種目での決勝進出を果たしている。

第2コートで決勝進出を決めたのは、渡辺勇大(上写真・左)/田口真彩(J-POWER/ACT SAIKYO)。日本代表ペアの霜上雄一/保原彩夏(日立情報通信エンジニアリング/ヨネックス)に、2−1で勝利した。
第1ゲームは、渡辺/田口が中盤からの連続得点で19-15とリード。しかし、「渡辺選手は同級生だけど、めっちゃ強い。向かっていく気持ちで頑張っていく」(霜上)、「しっかり自分の役割を。やれることを出し切れるように頑張りたい」(保原)と意気込んでいた霜上/保原。気持ちを切らさず6連続得点で逆転し、21-19で第1ゲームを先取した。
第1ゲームを失った渡辺/田口だが、「1回戦より2回戦、2回戦より3回戦と、動きはよくなっている」(渡辺)という自信もあり、焦りはなかった。第2ゲーム、ファイナルゲームとも、一度もリードを許すことなくゲームを進行。第2ゲームは中盤に9連続得点、ファイナルゲームは終盤に6連続得点と、一気に勝負を決めた。昨年はベスト8で終わった期待のペア。初優勝をかけて、決勝の舞台に立つ。
▼準決勝(12月29日)
緑川大輝/松山奈未(NTT東日本/再春館製薬所)②〔21-12、21-16〕0●古賀輝/齋藤夏(ジェイテクトStingers/PLENTY GLOBAL LINX)
渡辺勇大/田口真彩(J-POWER/ACT SAIKYO)②〔19-21、21-11、21-11〕1●霜上雄一/保原彩夏(日立情報通信エンジニアリング/ヨネックス)
▼決勝(12月30日)
緑川大輝/松山奈未(NTT東日本/再春館製薬所) — 渡辺勇大/田口真彩(J-POWER/ACT SAIKYO)
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/井出秀人
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