日本の頂点をかけて争われる第79回全日本総合バドミントン選手権(東京・京王アリーナTOKYO)。大会5日目の12月29日は、各種目準決勝が行なわれた。ここでは女子ダブルスのダイジェストを紹介する。

ペア結成から間もない五十嵐有紗(上写真・奥)/志田千陽(BIPROGY/再春館製薬所)が、保原彩夏/廣上瑠依(ヨネックス)に2−1で勝ち、決勝進出を決めた。どちらも新ペアとして五輪をめざすことを公言。代表入りを確実にするために、優勝をねらいにきている。
第1ゲーム序盤は保原/廣上が4−0とリード。混合ダブルス日本代表の保原が、素早くネット前に詰めて決めていく。五十嵐/志田は力強いショットとレシーブで対応し、5−5で追いつくと、そのまま一気に12−5までリードを広げた。保原/廣上も、保原が後ろから打ち、保原が前の形で点を取りにいくが、五十嵐/志田の力強いレシーブを崩せず追いつけない。世界レベルのスピードとパワーを見せつけた五十嵐/志田が、21-14で第1ゲームを先取した。
第2ゲームは中盤まで競り合い、折り返しは11−10で五十嵐/志田が1点リード。16−11までリードを広げたが、保原/廣上はロングレシーブを徹底。前衛を絡ませないラリーを展開した。試合後、「決め急いでしまった」(五十嵐)、「攻めが単調になっていた」(志田)と振り返ったように、スピード勝負に持ち込めない五十嵐/志田にミスが重なる。16オールで追いつかれ、20-19でマッチポイントを握るが、2人で攻め抜いた保原/廣上が逆転。22−20で第2ゲームを奪い返した。
ファイナルゲームも、保原/廣上は攻めにいった。レシーブから果敢に前を取ってトップ&バックをつくり、2人で攻めるラリーを展開。しかし、落ち着きを取り戻した五十嵐/志田を崩すことはできなかった。2人がうまく絡めなくても個人のスキルで対応。試合開始から変わらず安定したショットを放ち続けた。それに対し、保原/廣上は知らず知らず体力を削られていたのか、ミスで失点を重ねていく。五十嵐/志田が決めにいく前に、保原/廣上のミスでラリーが終わることが増え、徐々に点差が開いていった。五十嵐のふわりとしたドロップでマッチポイントを握り、最後はサービスまわりから志田、五十嵐と2人で決めきって21−8。72分の戦いを制して決勝進出を決めた。
もう一つの対戦は、第1シードの福島由紀/松本麻佑(岐阜Bluvic/ほねごり相模原)が棄権。廣田彩花/櫻本絢子(岐阜Bluvic/ヨネックス)が決勝進出となった。櫻本と五十嵐は、昨年はペアを組んで準優勝。決勝の相手は志田/松山奈未だった。混合ダブルス4連覇の実績を持つ五十嵐は、「女子ダブルスで優勝したことがないので、ちぃ(志田)と優勝したい」と意気込む。志田、廣田、櫻本の3人は、別のペアで優勝経験あり。新たな優勝者として名前を刻むのは、どちらのペアだろうか。
▼準決勝(12月29日)
廣田彩花/櫻本絢子(岐阜Bluvic/ヨネックス) 〔棄権〕 福島由紀/松本麻佑(岐阜Bluvic/ほねごり相模原)
五十嵐有紗/志田千陽(BIPROGY/再春館製薬所)②〔21-14、20-22、21-8〕1●保原彩夏/廣上瑠依(ヨネックス)
▼決勝(12月30日)
廣田彩花/櫻本絢子(岐阜Bluvic/ヨネックス) — 五十嵐有紗/志田千陽(BIPROGY/再春館製薬所)
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/井出秀人
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