日本の頂点をかけて争われる第79回全日本総合バドミントン選手権(東京・京王アリーナTOKYO)。大会3日目は各種目2、3回戦が行なわれた。ここでは、男子シングルス3回戦のダイジェストを紹介する。
【男子シングルス】
精鋭たちがコートでしのぎを削った3回戦。男子シングルスの優勝候補の一角である西本拳太(ジェイテクトStingers/上写真)が、トナミ運輸の秦野陸と激突。第1ゲームは西本が先制したものの、第2ゲームは秦野が13本で制し、勝負の行方はファイナルゲームへ。西本がディフェンスからポイントを重ねて15−8とリードしたものの、負けられない秦野も意地を見せて、17−19と2点差まで迫る。しかし、秦野の反撃はここまで。西本が先にマッチポイントを奪うと、最後は21−18で勝利を決めて3回戦を突破した。
奈良岡功大(NTT東日本)は、同い年の野田統馬(日立情報通信エンジニアリング)との勝負に挑み、2−0のストレート勝ち。積極果敢に攻めてくる野田に対し、第1ゲームは奈良岡が12-17とリードを許す展開。「もう厳しいかなと思った」と振り返った奈良岡だが、ここから盛り返して21−18で逆転に成功。第2ゲームもスピードを上げる野田に苦戦した奈良岡だったが、21オールからの勝負所を制して辛勝。準々決勝進出を決めた。前回大会のファイナリストである田中湧士、武井凜生(ともにNTT東日本)も、アグレッシブに攻めてくる相手を振り切り準々決勝に進んでいる。
番狂わせが起こったのは、第2シードに入った渡邉航貴(BIPROGY)と増本康祐(ジェイテクトStingers/上写真)の勝負。前半は高身長の増本の攻撃に対し、渡邉のミスが目立つ。増本が18-9とリードをつくると、後半も渡邉の追走を振り切って第1ゲームを奪取した。第2ゲームに入ると、渡邉が少しずつペースを取り戻したものの、チャンスをつかんだ増本もねばり強く応戦。スコアは拮抗しながら進み、終盤19オール。緊迫した場面を制したのは増本だ。20‐19で先にマッチポイントを握ると、最後はネット前の攻防から渡邉のミスを誘い、勝負あり。金星をつかんだ増本が、ベスト8入りを決めた。
▼3回戦(12月27日)
奈良岡功大(NTT東日本)②〔21-18、23-21〕0●野田統馬(日立情報通信エンジニアリング)
古賀穂(AC長野パルセイロBC)②〔21-12、21-16〕0●馬屋原光大郎(日本体育大)
宮下怜(明治大)②〔21-18、22-20〕0●小川翔悟(ジェイテクトStingers)
西本拳太(ジェイテクトStingers)②〔21-15、13-21、21-18〕1●秦野陸(トナミ運輸)
田中湧士(NTT東日本)②〔23-25、21-12、21-4〕1●藤原睦月(明治大)
沖本優大(BIPROGY)②〔21-12、21-10〕0●髙野日向(埼玉栄高)
武井凜生(NTT東日本)②〔21-17、23-21〕0●森口航士朗(BIPROGY)
増本康祐(ジェイテクトStingers)②〔21-16、21-19〕0●渡邉航貴(BIPROGY)
▼準々決勝の組み合わせ
奈良岡功大(NTT東日本) — 古賀穂(AC長野パルセイロBC)
宮下怜(明治大) — 西本拳太(ジェイテクトStingers)
田中湧士(NTT東日本) — 沖本優大(BIPROGY)
武井凜生(NTT東日本) — 増本康祐(ジェイテクトStingers)
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/井出秀人
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