第39回日韓バドミントン競技大会は、12月3日に神奈川県・スカイアリーナ座間で大会2日目の試合が行なわれた。今回の日韓戦には、両国とも若手を中心としたメンバーが参戦。2複3単の試合形式で実施されている。ここでは、日本が3−2で制した女子ダイジェストをお伝えする。
【ダイジェスト】
女子は、最初に試合を行なったシングルスの今泉明日香(日本体育大2年)と、第2ダブルスの中出すみれ/田邉裕美(龍谷大4年/BIPROGY内定)が、敗戦。しかし、続いて出場したシングルスの東谷悠妃(青森山田高3年/ほねごり相模原内定)と、白川菜結(柳井商工高3年/ヨネックス内定)が2-0で勝利を収め、2-2に追いついた。
今大会は、日韓ともに若手中心。それぞれが、国を背負う立場や団体戦における責任感、観客の注目を浴びる中での緊張感、日本では体感できない外国人選手のパワーなどを感じながら、その中で実力を発揮することが求められる状況で、経験を積む貴重な機会となった。
インカレ女王の中出/田邉は、中出が「いい形に持っていけても、押し返される」と話した通り、韓国選手にスマッシュやプッシュをパワフルなレシーブで返されて苦戦。第2ゲーム19-20と追い込まれた状況を27-25で制してファイナルゲームに持ち込む意地を見せたが、最後は18本で押し切られた。田邉は「相手の方が球の質が上で、焦れてミスが増えた。最後は、体力面でもミスが増えた。今までは攻撃することを考えてきたけど、もっと守りを安定させないといけない」と今後、世界に目を向ける中での課題を感じ取っていた。
高校選抜女王の東谷(上写真)は、当初は出場メンバーに入っていなかったが、コンディション不良の選手が出たため、急きょ追加招集。初日(12月2日)の朝に青森から移動して大会に参加した。
試合は、9月の韓国OP(Super500)出場の経験があるパク・ガウンを相手に、自慢の予測力を発揮。ラリーで先手を奪う戦いで、連戦による疲労があった相手を13本、17本に抑えた。春から所属するほねごり相模原の地元での試合。「お客さんが多い分、いつもより緊張したけど、試合をやっていくうちにほぐれた。応援をパワーに変えることができた。地域の方がすごく応援して下さっているチーム。来年はS/Jリーグの1部に上がって、ホームで試合ができるように頑張りたい」と将来像を描いていた。
高校生の活躍で2-2に戻した後、最後に行なわれたダブルスは、松本麻佑(ほねごり相模原)/髙橋美優(BIPROGY/上写真・右)という日本代表同士の珍しいペアがコートに立った。
ペアを組むのは初めて。しかし、昨秋からプロとして活動している松本が、何度かBIPROGYの練習に参加した際に、ペアを組むことがあったという。高い位置からの鋭い強打を持つ2人。攻撃の形をつくると、その威力は強烈だった。髙橋が後衛から左の強打を打ち込み、松本が前衛で驚異的な高さからシャトルをたたき落とすと、スタンドから感嘆の声が漏れた。
松本は「今まで右利きとしか組んでいなくて、左利きは難しいイメージがあった。今日は、あまりラリーにはならなかったけど、お互いにいいところを出せたかなと思う」と手ごたえを語った。
世界選手権で2度の優勝経験があるなど世界トップの実績を持つ松本とペアを組むことで、負けられないプレッシャーがあったと話した髙橋も「一人で何とかしてくれる部分も多くて、やりやすかった」と笑顔。試合後は、松本が髙橋に熱心にアドバイスを送る姿があった。
髙橋は「風がある中で、相手の球が強いのに、私がレシーブで振ってばかりいたので、『流すだけでいいよ』という話とか、私が後ろに入ろうとし過ぎて前を空けてしまうところも『組む人に合わせて変えられるといい』という話など、いろいろ教えてもらえた。もっと個人の力を上げないといけないと思いました」と貴重な経験に学びを得ていた。
女子は初日に続いて3-2。2日連続で勝利を収めて、大会を終えた。
女子結果(2日目/12月3日)
日本 3−2 韓国
今泉明日香●0〔19−21、14−21〕②ブ・ソヨン
中出すみれ/田邉裕美●1〔15−21、27−25、18−21〕②パク・スル/チョン・ユビン
東谷悠妃②〔21−13、21−17〕0●パク・ガウン
白川菜結②〔21−17、21−14〕0●イ・ソユル
松本麻佑/髙橋美優②〔21−14、21−16〕0●チョン・ナウン/イ・ソジン
取材・写真/平野貴也
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