第39回日韓バドミントン競技大会は、12月3日に神奈川県・スカイアリーナ座間で大会2日目の試合が行なわれた。今回の日韓戦には、両国とも若手を中心としたメンバーが参戦。2複3単の試合形式で実施されている。ここでは、日本が4−1で制した男子ダイジェストをお伝えする。
【ダイジェスト】
男子チームは、ファイナルゲームにもつれる試合が多かったものの、終わってみれば4-1。3-2で勝った前日に続いて、日本が勝利を収めた。
最初にコートに入ったのは、シングルスの川野寿真（ふたば未来学園高3年／上写真）。シニアの国際大会は、初の経験。第1ゲームを勢いよく12本で制したが、第2ゲームは一方的に押される展開。「同世代の試合とは、強度が2倍くらい違う。決まると思っても決まらない。身体もメンタルも、そうくるのかと思う場面が多くてきつかった」と振り返った川野は、ファイナルゲームで10-11から12-16と引き離されたが、我慢強く食らいついた。「スピードを上げているつもりでも、キツくて上がっていなかった。それなら、球をコントロールしようという修正が効いた」と話した通り、返球のタイミングを変化。相手が思うようにヒットできずにミスをする場面を増やした。最後は、15-18から6連続得点で見事な逆転勝利。「日韓交流で相手も強くて、観客もいる、特別な大会。こういう場で（試合に）使ってもらって、緊張具合も違うし、応援を受けるのも楽しかった。また参加したい」と充実の表情を見せた。
続いてコートに入ったシングルスの武井凛生（NTT東日本）は、2-0で圧勝。さらに第2ダブルスの川邊悠陽／松川健大（日立情報通信エンジニアリング）が2-1で競り勝ち、早くも日本男子の勝利が確定した。その後、シングルスの髙橋洸士（トナミ運輸）と、ダブルスの熊谷翔（BIPROGY）／石井叶夢（埼玉栄高3年／上写真・右）がコートに入り、先に熊谷／石井が2-1で勝利を挙げた。
石井のパートナーである澤田修志（埼玉栄高3年／BIPROGY内定）のコンディション不良に起因する即席ペアだったが、熊谷が展開をリード。競ったファイナルゲームを19本で競り勝った。熊谷は「石井のシャトルに対して当てる感覚、予測力は、自分も学ばなければいけない部分がある。ノーロブの速い展開でも手を出せるのはすごいと思った」と石井のポテンシャルを称賛した。
その石井は、緊張がほぐれた第2ゲームから、いろいろな球を織り交ぜられた部分に手ごたえを得ていたが「失点が全部、自分のミスじゃないかと思うくらい（熊谷の）ミスが少なかった。冷静に相手を見て、動かす球出しなど、やっぱり社会人はすごいなと思った」と基準の違いを感じ取っていた。最後に終わった試合は、髙橋がファイナル18本で惜敗したが、男子は4-1で2日連続の勝利を収めた。
日本代表の大堀均ヘッドコーチは「韓国とも話して互いに若手中心の選出となったけど、体調不良や故障者が出て、選手変更が多くなってしまった。ただ、男女ともに核となる選手が若手に声をかけながら、戦い方や準備の仕方を伝えていた。それによって、若い選手も力を発揮できた2日間だった。大会の運営を手伝ってくれたほねごり相模原さんや神奈川県協会の皆さんの準備のおかげで、観客もいる雰囲気の中で戦えたことは収穫。経験値の少ない若手にとっては、貴重な経験になったと思う。環境をつくってくれた方たちに感謝したい」と大会を総括。運営面でも奔走した舛田圭太団長が「できるだけコートの近くにお客さんを入れた。（緊張感を持つのに）見られる環境は必要。若い選手に、こういう環境の中でやる力をつけさせたかった。観客も数で言えば、まだまだかもしれないけど、2日目も増えてくれて、ありがたかった。日本が2日連続で男女全部勝ったのは久しぶりだと思うし、選手も力を発揮してくれたと思う」と話したように、事業としての成功にも手ごたえのある大会となった。
男子結果（12月3日／2日目）
日本 ４−１ 韓国
川野寿真②〔21−12、14−21、21−18〕１●パク・シヒュン
武井凜生②〔21−11、21−18〕０●パク・サンヨン
川邊悠陽／松川健大②〔21−18、15−21、21−15〕１●イ・ジョンミン／ジン・ヨン
高橋洸士●１〔15−21、21−18、18−21〕②キム・ビョンジェ
熊谷翔／石井叶夢②〔18−21、21−11、21−19〕１●カン・グンヒ／ジャン・ジェウン
取材・写真／平野貴也
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