第39回日韓バドミントン競技大会は、12月2日に神奈川県・スカイアリーナ座間で開催された。2日間にわたって行なわれる日韓戦には、両国とも若手を中心としたメンバーが選ばれており、2複3単の試合形式で実施された。ここでは、日本が3−2で制した女子のダイジェストをお伝えする。
【ダイジェスト】
女子は、最後まで白熱した戦いとなった。先に行なわれたシングルスは、中出すみれ(龍谷大4年/BIPROGYに内定)が逆転勝利を収めたが、白川菜結(柳井商工高3年/ヨネックスに内定)と今泉明日香(日本体育大2年)は敗戦。ダブルス勢がチームを逆転勝利に導いた。
第1ダブルスは、地元が近く、今大会の開催をサポートをしたほねごり相模原に所属する松本麻佑/今井優歩が出場した。相手は、ダブルスの元世界女王である松本を警戒。今井に球が多く集まる展開となったが、今井が「前に自分が突っ込んでも、(松本が)後ろに回ってくれる安心感がある。好き勝手にできて、ローテーションがうまくいきました。たくさん球を打てて楽しかったですよ」と話すなど終始、主導権を握った戦いを展開。ペアとしての試合は、6月の全日本実業団以来で2度目だったが、松本も「わりといい試合ができた」と好感触。地元関係者も多い中、21-11、21-10で快勝した。
平日夜という珍しい時間帯の開催になったが、会場には、約300人の観客が訪れた。2階部分のスタンドだけでなく、1階部分に迫り出すスタンドを使用しており、観客席がコートから近い環境で試合が行なわれ、松本は「お客さんの前でいいプレーを見せられてよかった。今回は、日本代表の選手があまりいない中でも、これだけのお客さんが平日に観に来てくれたのは、うれしい」と所属チームの地元での勝利を喜んだ。
最後の第2ダブルスは、髙橋美優(BIPROGY)と中出の即席ペア。髙橋は、本来のパートナーである大竹望月が負傷離脱している期間が長いこともあり、公式戦が久々。「5カ月ぶりくらいの試合。自分でどうにかしようとしてミスが続いてしまった」と話したとおり、第1ゲームは、空回りをして11-21で落とした。会場は、普段の公式戦とは少し異なり、国を背負う緊張感、交流戦らしいリラックスした空気感、応援団がいなくて静かな時間が長い独特の雰囲気。しかし、第2ゲームに入ると、髙橋は気合いを入れて声を出す場面が多くなり、少しずつ試合のペースをばん回。静かだった会場も、終盤には声援や拍手が飛び、熱気を帯びた。
競った第2ゲームを21-19で取り返すと、ファイナルゲームを21-15で締めて逆転勝利を飾った。単複で勝利を収めて、日本の勝利に大きく貢献した中出は「シングルスも含めて、海外の選手と対戦する機会は普段はないし、すごくいい経験になった。観客の方が多い環境は、大学にはない。慣れていないので、緊張もしたけど、すごく楽しいなと思った」と安堵の笑顔を見せた。
試合は明日12月3日も、2複3単の試合形式で行なわれる。
女子結果(初日/12月2日)
日本 3−2 韓国
中出すみれ②〔19−21、21−12、21−17〕1●チェ・ヒョウォン
白川菜結●1〔16−21、21−18、10−21〕②パク・ガウン
今泉明日香●0〔14−21、11−21〕②イ・ソユル
松本麻佑/今井優歩②〔21−11、21−10〕0●イ・イェナ/キム・ユジョン
髙橋美優/中出すみれ②〔11−21、21−19、21−15〕1●チョン・ナウン/イ・ソジン
取材・写真/平野貴也
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