【ニュース】「15点3ゲーム制」の導入案をBWF理事会が承認!現行のスコアリングシステムから変更される可能性が高まる

12月2日、日本バドミントン協会が都内で会見を行ない、15点3ゲーム制のスコアリングシステム導入について、BWF(世界バドミントン連盟)の理事会で承認されたことを明らかにした。来年4月下旬に開催が予定されているBWF年次総会で新スコアリングシステムの採用が可決されれば、26年後半から世界的に導入されることになる。

バドミントンのスコアリングシステムについては、2006年に現行の21点3ゲーム制が導入された。2017年には11点5ゲーム制が提案されたが、総会での採決の結果、可決に必要な得票数に届かず、導入は見送られた。それ以降もスコアリングシステムに関する議題は毎年取り上げられており、BWFは今年5月からグレードの低い大会などで15点3ゲーム制の大会を試験的に実施してきた。大会終了後には選手、指導者、大会運営関係者などからアンケートを実施し、その分析結果を踏まえ、11月の理事会での検討が予定されていた。詳細については明らかになっていないが、課題とされた試合時間の短縮や選手の健康・ケガの予防といった観点から、年次総会への提案が理事会で承認される運びとなったとみられる。

会見に出席した池田信太郎強化戦略本部長は、現行のスコアリングシステムについて「バドミントンはこれまでルールがいろいろと変わってきました。スコアリングシステムも21点ラリーポイント制になってから、最初の4年くらいは試合時間も短くなっていましたが、その後はルールに適応する選手が出てくるようになりました。(試合時間も変更前に戻り始め)観ている側も、やはり試合時間が長いと感じていると思います」と話したうえで、選手たちのプレースタイルについては「昔のようにスマッシュ一発で決めにいくというよりは、トップスピードで試合を組み立てる選手が増えており、戦い方も変わってきています」と語った。

15点3ゲーム制が日本選手に与える影響については、「試合時間は短くなりますが、メリット・デメリットは種目ごとに違いがあると思います。女子ダブルスは短いラリーというより“ど根性ラリー”という面もあり、体力や精神力という戦いの中で勝っていけるのが日本女子の強みでもあります。一方で、男子になると、長いラリーにフィジカルでついていけない選手もいる(そのため15点制のほうが有利になる)。ですから、15点制になったからといって、日本全体にメリットがあるとは思っていません」と話した。そのうえで、個人的な意見と前置きしつつ、「21点3ゲーム制は、長いラリーの中で展開や流れが変わっていくところがバドミントンのおもしろさでもあります。短いゲームを楽しむより、長いゲームを見て楽しむほうが、個人的にはバドミントンの楽しみ方だと思っています」とも語った。

BWF年次総会に提案された場合、新スコアリングシステム導入についての採決を、BWF加盟国による投票で行なうことになる。日本としては「強化という意味では、ルール変更となった場合にトレーニングメニューをどう変えられるか、事前に何を準備できるかが重要です。最終的にどちらかを決めるまで、もう少し議論を続ける必要があると思います」と池田強化戦略本部長は今後も議論を続けていく考えを示した。

取材・文/バドミントン・マガジン編集部

投稿日:2025/12/02
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