11月11日にBWFワールドツアー・熊本マスターズジャパン(Super500/熊本県立総合体育館)が開幕。11月15日の大会5日目・準決勝には、多くの日本選手が勝ち残り、ライベルとの熱戦を繰り広げている。ここでは、準決勝を戦った選手らのコメントを紹介する。
奥原希望
(東京都協会)
女子シングルス:準決勝はラチャノック・インタノン(タイ)に1−2で敗戦
——試合を終えて
悔しい気持ちと、楽しかった気持ちとありますが、やっぱり悔しい気持ちが大きいです。
——インタノン選手との対戦を楽しみにしていた
ずっと戦っている選手。そして、ずっと上位大会で戦い続けていることに尊敬しかない。少しずつ(状態が)戻っている自分が、どこまでできるかという思いでコートに立ちましたが、やはり強いなと。勝負ができる実感はあったけど、上位大会の勝負所の判断が、まだ足りなかったです。ただ、やり合える実感がありました。今後、本当に楽しみに(挑戦を)続けていきたいと心から思えています。
——試合中、楽しそうに見えた
ラチャノック選手との対戦は、すごく楽しいです。いろいろな奥深い駆け引きがあるので、フィジカルがキツイというより、頭の回転のスピードがついていかない部分があった。今回はそれにやられてしまいました。そこが足りないなと思いながら、今、こうだったなとか。昔、対戦していた感覚が呼び起されている感じがしました。すぐに反省が浮かんでくるのも楽しかったです。やっぱり、自分の中で頭のスピードがついていっていないのが現状と、すごく感じた試合でした。
——第1ゲームの後半、逆転された場面について
フィジカルではなく、自分の戦略とショットの精度が合っていなかっただけ。もちろん、相手選手がよくて、(スピードを)上げてくるとわかっていたのに対して、自分がどう戦うかがハッキリしていませんでした。
——復活の兆しが見えるベスト4
正直、ここまで来れるとは思っていませんでした。驚きもある。いろいろな世界の壁を感じさせられた、充実した熊本マスターズでした。
——パフォーマンスレベルは、何パーセントまで戻っている?
自分の理想を100とするなら、まだ40、50。50に至っていないのかなと思います。でも、それはただの理想(との比較)。現実的には、どこまでめざせるのかは、わからない。それでも、まだ伸びしろはあると自分やスタッフは思っているので、変わらずに積み上げていく部分を、間違えずに、丁寧に、挑戦し続けたい。
——大会を終えて感じた収穫
練習が足りないと痛感しましたが、やり合える実感もあったし、手応えはもちろん感じてはいます。でも、久しぶりにS500の試合で、世界ランクトップ10の選手と戦い、足りない部分が多かった。そこにフォーカスしてしまう自分がいます。
——現時点でロス五輪をどう捉えている?
それは……逆に、私に対してロスの期待しているということですか? 聞いたことなかったので、ビックリしました(苦笑)。皆さんがどう感じているかはわからないですけど、本当にはるか先の話。今は必死で、どこまで戻って来れるかを模索している最中。正直、まったく見えていないです。
——山口茜選手に勝って準決勝に進出。久しぶりに日本を代表して戦う姿に見えた
そう見えたならうれしいですけど、来年以降胸を張って、日の丸を背負って「奥原、頼むよ」と託してもらえるようなパフォーマンスに近づけていきたい。今のパフォーマンスでは、皆さんの期待に応えるのは、まだ難しいのかなと、今大会で感じた。足りない部分をしっかり見つめ直したいです。
ただ、進んでいる方向は間違っていないと実感できた。今後も試合が続きますけど、どこで強化するか、プランニングも見極めながら、また一歩ずつ歩み続けていけたらいいなと思います。
——苦しい時期を乗り越えた?
まだまだ、ですね。自分がめざしているところは、まだここじゃない。乗り越えたと胸を張って言いたくないです。
——直近の目標、めざすところ
来年ですね。ランキングを戻したことで、上の大会に出られる。そこで、どう勝負できるかが、今の自分のターゲット。まだ大会はありますけど、一つずつ。今大会でたくさんの経験をさせてもらったので、それをつなげていけたら。めざすところは世界の頂点。アン・セヨン選手、陳雨菲(中国)選手、そして山口選手。世界のトップを走り続けている彼女たちに挑戦すること。そして、少しでも横並びにできるようなところまで、戻っていきたいと、ずっと強く思ってやってきている。目標をブラさずに、これからも少しずつ、彼女たちに近づければいいなと思っています。
取材・写真/平野貴也
構成/バドミントン・マガジン編集部
弊社販売部
(0120‐911‐410)