バドミントン国内最高峰の団体戦S/Jリーグ2025は、11月2日に東京・大田区体育館で東京大会の2日目が行なわれた。初日に続き、女子全12チームが出場。白熱した戦いを繰り広げている。ここでは、東京大会2日目、女子Sブロックの戦いをダイジェストでお伝えする。
【ダイジェスト】

女子Sブロックでは、連覇に挑む再春館製薬所、2大会連続のTOP4進出をねらう岐阜Bluvicが2連勝。上位候補の一角と目されたACT SAIKYOは、連敗を喫した。
再春館製薬所は、3-0でNTT東日本に勝利した。前日の開幕戦に続き、第1ダブルスには山口茜(上写真・左)/志田千陽を起用。6月の全日本実業団でも同じペアで破った日本代表の鈴木陽向/山北奈緒と対戦。前回はストレートで勝利した山口/志田だが、今回は相手の力強い攻勢を受けて第1ゲームを失う展開になった。
しかし、志田が「今日は相手のミスもなく、強い球に対してパターン化されているというか、パターンが増えていて、このままじゃいけないと思った」と話したように、ダブルスに不慣れな山口は安全なラリーに徹し、相手が得意とする強打の打ち合いを避けながら志田がゲームをコントロール。試合の流れを変え、2-1で逆転勝利を収めた。再春館製薬所はその後、郡司莉子がシングルス、加藤佑奈/金廣美希が第2ダブルスを制し、3-0で勝利を収めた。

岐阜Bluvicは、3-0で広島ガスに勝利。前日に続き、1マッチも落とさずに連勝を飾った。第1ダブルスは、経験豊富な廣田彩花(上写真・左)と川添麻依子のペアが、広島ガスの若手ペアである新見桃芭/相磯美心に第1ゲームを奪われ、最終ゲームでも20-12から7連続失点で追い上げを受けるなど苦しみながらも勝利を収めた。

シングルスは、主将の古川佳奈(上写真)が完勝。第2ダブルスは、清瀬璃子/平本梨々菜の若手ペアが、21-19、24-22と競った2ゲームをモノにして勝利を収めた。今井彰宏監督は「体調不良の選手もいて、全部即席ペアでの戦いになったけど、ベテランと若手の力が融合した勝利。第1ダブルスは、緊張でガチガチだったけど、あれを取れたのが大きかったし、シングルスを勝てた(チームの勝利が決まった)ことで、第2ダブルスも(気楽に)戦えた」と個人戦で組んだ経験の少ないペアを起用しながら2日連続で3-0の勝利を飾った手ごたえを語った。

上位候補と目されていたACT SAIKYOは、1-2で北都銀行に敗れて連敗を喫した。前日の試合で負傷の影響を隠せなかった田口真彩をオーダーから外し、シングルスで勝利を収めていた水津愛美は試合後に発熱したため会場入りできないという苦しい状況。第1ダブルスには、シングルスが主戦場の久湊菜々が大澤陽奈とのペアで出場したが、小松ゆい(上写真・左)/曽根夏姫に0-2で敗れた。

シングルスには、欧州遠征から帰国したばかりの宮崎友花を起用したACT SAIKYOだが、前日の夜遅くに水津の発熱によって急きょ起用の方向になった事に対し、準備不足が否めず、舛木さくら(上写真)に1-2で逆転負け。チームの勝利を決めた北都銀行の舛木は「自分はスピードを生かすタイプ。宮崎選手もスピードのあるタイプなので、彼女が後ろから打って前に出ていくプレーは、いつも映像を見て参考にしている。それもあって、どう動いてくるのかイメージできた」と思わぬ研究成果を発揮。前に出て攻撃したい宮崎をリズムに乗せず、試合の流れを奪い取った。第2ダブルスは、ACT SAIKYOの青木もえ/倉島美咲が永渕妃香/杉山凛を2-0で破って一矢報いた。
2日間の戦いを終え、Sブロックは再春館製薬所と岐阜Bluvicが2連勝。上位2位までが進めるTOP4トーナメント進出に前進した。NTT東日本と北都銀行が1勝1敗。広島ガスとACT SAIKYOが2連敗となった。11月23日に行なわれる秋田大会(第3日/秋田県立体育館)では、北都銀行と広島ガスが対戦する。ACT SAIKYOが上位2チームとの対戦を残して連敗を喫したことで、上位争いだけでなく、ブロック最下位同士の残留・降格チーム決定戦を回避するための戦いも激化しそうだ。
▼Sブロック(11月2日)
再春館製薬所(2勝) 3−0 NTT東日本(1勝1敗)
山口茜/志田千陽②〔15−21、21−11、21−13〕1●鈴木陽向/山北奈緒
郡司莉子②〔19−21、21−17、21−9〕1●水井ひらり
加藤佑奈/金廣美希②〔21−13、21−14〕0●上杉杏/山北眞緒


岐阜Bluvic(2勝) 3−0 広島ガス(2敗)
廣田彩花/川添麻依子②〔19−21、21−17、21−19〕1●新見桃芭/相磯美心
古川佳奈②〔21−12、21−8〕0●近藤七帆
清瀬璃子/平本梨々菜②〔21−19、24−22〕0●小田菜摘/志波寿奈


北都銀行(1勝1敗) 2−1 ACT SAIKYO(2敗)
曽根夏姫/小松ゆい②〔21−13、21−13〕0●大澤陽奈/久湊菜々
舛木さくら②〔18−21、21−16、21−12〕1●宮崎友花
永渕妃香/杉山凜●1〔21−16、11−21、16−21〕②青木もえ/倉島美咲


取材・文/平野貴也
写真/井出秀人
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