10月27日、約3週間のヨーロッパ遠征(フィンランド、デンマーク、フランス/自費参加も含む)に参戦した日本代表が帰国。各大会で上位成績を残した選手らが、囲み取材に応じた。ここではデンマークOPを制した男子ダブルス・保木卓朗/小林優吾のコメントを紹介する。

保木卓朗(左)&小林優吾
(トナミ運輸)
男子ダブルス
デンマークOP優勝!!
――欧州2大会の遠征を振り返って
保木 デンマークOPは、ここまでの成績が出るとは予想できませんでした。試合をこなす度に、いい形が出てきて、すごく手ごたえのある大会でした。その後のフランスOP(初戦敗退)は、若さでやっていた時は身体の部分でいける気持ちがあったのですが、今回は年を取ったことを少し実感したというか、いい課題が見えた遠征だったと思います。
小林 (ワールドツアーを)2年半ぶりに優勝して、非常にうれしく思っています。負けそうな場面が何回もありましたが、そこを耐えて、2人で力を合わせてできたところが、手応えとしてありました。
――どういう手応えをつかめたか
保木 本当に崩れそうな場面で我慢できたというか、焦らずお互いにカバーできていました。昔の自分たちとは、ちょっと違うという手応えはすごく感じています。
小林 (春から)ケガ明けで思うようにフィジカルのコンディションを上げられなかったですが、以前のような(強打を決められる)自分を取り戻したい気持ちで頑張ってきた。我慢し続けたことが報われました。デンマークOPでは、スマッシュが走っていたと感じたし、相手が嫌がっているのがわかって、ラリーを組み立てやすかったです。
――デンマークOP決勝は、最終ゲームで序盤に(2−6と)リードされる展開から逆転
保木 ファイナルゲームの出だしを先に行かれて、11点のインターバルも先に取られて、我慢の展開が続く感じでした。そこで気持ちを切らさずに、終盤まで持っていけたのがよかったです。中盤で大きく離されたら、多分(逆転は)不可能だったと思いますけど、我慢して、2、3点差でついていけたのがよかったです。
――9月の韓国OP(Super500)はベスト4だった。優勝は、違う味わいか
保木 全然、違いますね。男子ダブルスは、ベスト8に入るのもしんどい種目。自分たちの中ではベスト4でもよかったと思うところは多少ありますけど、優勝すると、みんなからの注目度はさらに高まります。やっぱり、ベスト4とか、決勝にいくとか、そういうのとは、また別格だなという実感も今回味わえました。それに満足することなく、またねらっていきたいです。
小林 積み重ねてきたことが結果として出てきたのが、自信になります。(これまでの取り組みが)間違っていないということを証明できた。このまま続けて、より研ぎ澄ましていければ、もっともっと上にいけるんじゃないかなと思います。
――パリ五輪から1年以上が経過。成長を感じている部分は?
保木 五輪は少し悔しい結果に終わりましたが、そこからバドミントンに対する気持ちの部分で(変化があった)。以前は、勝ちたい気持ちが先行したバドミントン競技でしたが、今はどちらかというと、1試合1試合、この対戦相手と、このラリーとか(楽しんで考えることができている)。ノーロブゲームをしてきたり、大きく展開をしてきたり、いろいろな相手がいる中で、バリエーションを持ってバドミントンを楽しめています。
小林 以前の自分たちは、スピードのある展開が非常に強みでした。でも、今回は縦(トップ&バック)になろうとするのではなくサイド・バイ・サイドの展開で優位に立てました。そこで体力が温存できましたし、デンマークOPの準決勝から「サイド・バイに切り替えよう」というのを2人で話して、それがうまくいったのかなと思っています。
――小林選手は、五輪後は楽しむ部分を意識している?
小林 保木が言う通りに、自分たちのやりたいことを先行してできているので、楽しめていると思います。
――楽しむことを考えるようになり、視野が広がった
保木 そうですね。以前だったら、例えば(3連敗中だった)インドペアに対して、少し苦手意識を持って試合に入っていたと思います。でも、今回のデンマークで当たった時は、苦手意識よりも、〝どうやって戦うか〟という気持ちが先行して、それがいい方向にいきました。自分がイメージしたことが実現できて楽しいし、こうやって崩せば、このペアは嫌なんだなとか。(特定の)自分たちらしさを出そうとばかりしていた今までのバドミントンとは違って、相手に合わせたバドミントンが、今は、すごく楽しいなと思えています。
――次戦は、前回準優勝の熊本マスターズ(Super500)となる
保木 日本開催ですし、昨年は決勝までいっているので、そこで負けた借りを返すという意味でも、しっかりと優勝をねらっていきたい大会です。(デンマークで)優勝できたことで、(フランスでは)ちょっと勝ちを意識してしまったけど、1回リセットして熊本に臨めればいいなと思います。今、いい形できているので、熊本でもいいパフォーマンスを出せるかなと思います。
小林 昨年の熊本マスターズは、自分の中でベストパフォーマンスだったと思っていますが、今は、なんとなくそれを上回れるような気がしている。自分たちのよさを、勝ち負け関係なく出せればいいと思います。
取材・写真/平野貴也
構成/平野貴也、バドミントン・マガジン編集部
弊社販売部
(0120‐911‐410)




 











 
	
 
	 
	 
	



 
 
 
 
 
 
 
 
 


 
 
