【世界ジュニア】世界ジュニアに出場した日本代表選手が帰国 「試合を重ねるたびに選手たちの成長を感じた」(明神憲一ヘッドコーチ)

10月6日から19日までインドのグワーハーティーで開催されたBWF世界ジュニア2025に出場した日本代表が10月21日に帰国。帰国時の空港で明神憲一ジュニアナショナルチームヘッドコーチが取材に対応し、大会を振り返った。日本代表は団体戦で銅メダル、個人戦では男子ダブルスの川野寿真/澤田修志が銅メダルを獲得した。

世界ジュニアに出場した日本代表

明神憲一 ジュニアナショナルチームヘッドコーチ

――大会を振り返って

団体戦に関しては、今回の日本代表は高校3年生の男子に力のある選手がいるので、その選手たちを中心にして、若い女子がどこまで最少失点で乗り切れるかというところがポイントになるかなと思っていましたが、試合を重ねるたびに女子選手が力をつけて成長していってくれたと思います。日本の場合は、海外で試合をする機会が少ないので、全体的に成長を感じましたが、特に男子シングルスは力以上のものが出せたと思います。また、女子シングルスの渡邉柚乃選手、女子ダブルスの橋村妃翔/阿波芽衣咲ペアも大会前の試合では劣勢でしたが、世界ジュニアの中で伸びていったと感じました。

――団体戦の試合形式について

昨年までは110点の団体戦でしたが、今回は9点5ゲームの3セット制。1点の重みがより増して、終盤にいくにつれ精神的な部分で削られていくというのを感じました。先行逃げ切りが必須かなと、中国戦では男子シングルス、女子シングルスがカギになると考えていました。その中国戦ではファイナルセットまでもつれて、3点差で及びませんでした。

――団体戦銅メダルの評価は

ヘッドコーチとしては、メダル獲得は最低限だと思っていました。一方、そこに集中しすぎて個人戦へのもっていき方がうまくいかなかったのかなと感じています。男子ダブルスの川野寿真/澤田修志ペアは個人戦で金メダルの可能性があったと思いますし、女子シングルスの渡邉選手も優勝できる力はあったと思います。

――個人戦を振り返って

個人戦のメダルの数は想定よりも少なかったのかなと思います。銅メダルを獲得した川野/澤田ペアは、今年3月の国際大会で組ませたところ、中国の強豪ペアと互角に試合をしていましたし、手応えがありました。金メダルをめざそうというところで臨んだので、私自身もより一層プレッシャーを感じていました。選手にとっては、団体戦、個人戦と続いて大会も長かったですし、その前の合宿なども含め、これだけ長い遠征というのは経験がなかったこともあり、気持ちを維持するのも難しかったと思います。

――個人戦は15点3ゲーム制で実施。これに関しては

8点までが非常に早く、本当に遊びがないと感じました。試合の入りが悪いと点差が開いてしまい、そこから追いかけても届かない。2ゲーム目に入っても、風の影響もあり、1ゲームを取った方が勝つという試合が多かったという印象です。最初に先行していくのが重要だと感じました。

――大会を通して感じた日本ジュニアの課題は

まずはフィジカル強化。日本の大会では試合自体も長く、体力面で勝負するところがありますが、世界ジュニアのような試合形式ではアタック力がないと勝てない。高校1、2年生の選手がそれを肌で感じたのは収穫でもあったのかなと思います。

明神憲一ジュニアナショナルチームヘッドコーチ

 

取材・文/バドミントン・マガジン編集部

 

投稿日:2025/10/21
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