10月16日に開催された大学生の個人戦日本一を決める全日本学生選手権(群馬・ヤマト市民体育館)最終日は、各種目の決勝戦が行なわれた。ここでは、各種目の決勝の戦いをレポートする。
準々決勝・準決勝レポート
(10月15日)
【女子ダブルス】
2年前の女子ダブルス覇者で、今大会の優勝候補である中出すみれ/田邉裕美(龍谷大)が、決勝に進出。その2人に挑むのは、法政大の牧野美涼/上野凛(上写真・右)。3年生の牧野と1年生・上野のペアは、組み始めて半年しか経っていないが「学年は違うけど、私たちは仲がいい。なんでも言い合えるし、コミュニケーションが取れているところが強み」と声を揃える。決勝までは厳しい戦いもあったが、ねばり強さを発揮して勝ち上がっていた。
決勝が始まると、先手を奪ったのは中出/田邉。鋭いドライブ戦から主導権を握り、ネット前に来た返球には素早く反応してポイントを重ねる。第1ゲームは21−10で中出/田邉が先制。第2ゲームに入っても、2人の持ち味である素早いローテーションが冴え渡る。前後に入れ替わっての連続攻撃に、法大ペアは防戦一方で失点が続いた。
中盤以降は、18−8と大きく点差を広げた龍大ペア。ただ、2人にとっては決して楽な戦いではなかった。田邉は「今回は私がミックスをやって、中出はシングルスに出ていた。連戦だったし、体力を削られていたのでめっちゃきつかった」と、体力的に苦しい面もあった。それでも「脚を使って最後までねばろう」(田邉)とスピードを落とさず攻めきった2人。ねばり強く戦った法大ペアを最後は21−13で抑え、2年ぶりのインカレ制覇。女王タイトルを奪還した中出/田邉の表情には、試合後、安堵の表情が広がっていた。
優勝:中出すみれ(右)/田邉裕美(龍谷大)
中出「今回は、これまでずっと戦ってきた中原鈴/広瀬未來(筑波大/前回大会優勝)がケガで出られなかったので、2人のぶんまで頑張りたいという気持ちがありました。試合は、後ろから前につなげる攻撃的な展開をずっといい感じでできたと思います。レシーブでも、攻撃的に前に前にいくことができました」
田邉「これでインカレは最後。決勝の相手も年下のペアだったと思うので、4年生の意地を見せようと、2人で話しながら戦っていました。決勝では、これまでやってきたことをしっかり出せたと思います。地道に点数を稼ぎながら勝てたのが、よかったです」
▼決勝戦(10月16日)
中出すみれ/田邉裕美(龍谷大)②〔21−10、21−13〕0●牧野美涼/上野凛(法政大)

取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/黒崎雅久
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