10月16日に開催された大学生の個人戦日本一を決める全日本学生選手権(群馬・ヤマト市民体育館)最終日は、各種目の決勝戦が行なわれた。ここでは、各種目の決勝の戦いをレポートする。
準々決勝・準決勝レポート
(10月15日)
【男子ダブルス】
前回大会準優勝の櫻井煌介/南本和哉(法政大)と、同3位の野口翔平/安保武輝(筑波大)が激突した、男子ダブルスの頂上決戦。互いに持ち味を発揮し合う好勝負は、第1ゲームを法大ペア、第2ゲームを筑波大ペアがそれぞれつかみ、勝負の行方はファイナルゲームへ。
そのファイナルゲーム、先に流れをつかんだのは筑波大の野口/安保(上写真・左)。6−8から5連続得点で11−8と逆転。さらに、攻め急ぐ櫻井/南本のミスもあり、野口/安保は4連続得点で15−10とリードを広げる。その後、一度は16オールと競り合いになったが、野口/安保が気迫を見せて3連取。19−16で優位に立った。
劣勢に追い込まれた櫻井(上写真・右)/南本だったが、2人には焦りよりも別の思いがあった。「去年も同じような感じで負けていた。ここで負けるにしても、吹っ切れて2人で楽しんでやろうと思った」と櫻井。南本も「16−19の時は、正直勝てるとは思わなかった。負けるなら思い切ってやろうと思った」と、点数を気にせず自分たちのプレーに集中した。
ここから法大ペアは、ドライブ勝負で怯まず前に出る。野口/安保も応戦したが、勢いに乗る櫻井/南本のアタックを止められない。流れは櫻井/南本に傾くと、19オールでは南本のサービスまわりから1点をもぎ取り、ついに逆転。最後は南本が鋭いロングサービスで相手を崩すと、櫻井の強烈なドライブに安保が対応しきれずサイドアウト。前回は決勝で涙をのんだ櫻井/南本が、1年越しの日本一をつかんだ。
優勝:櫻井煌介(右)/南本和哉(法政大)
櫻井「2人で組んでから、初めての全国タイトル。本当にうれしいです。ファイナルゲームの10−15になった時、去年も同じ感じで負けていたのを思い出しました。負けるにせよ、2人で吹っ切れて楽しくやろうと言ってプレーしたのが、この結果につながったと思います」
南本「ファイナルゲームは、自分が前に入り、櫻井が後ろに入る得意な形をつくろうとしたけど、相手はそうさせないようにしてきて、なかなかうまくいかなかったです。でも、最後は戦略とかではなく、どっちが前でも後ろでもいいから、お互いにどんどん気持ちを出してやろうと思ってやっていました。それが優勝につながったと思います」
▼決勝戦(10月16日)
櫻井煌介/南本和哉(法政大)②〔21−12、18−21、21−19〕1●野口翔平/安保武輝(筑波大)

取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/黒崎雅久
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