8月28日に開催されたBWF世界選手権(フランス・パリ)4日目は、各種目3回戦が行なわれた。日本勢は海外の強豪選手たちと熱戦を繰り広げ、4種目で準々決勝に進出している。
女子ダブルスは、志田千陽/松山奈未、中西貴映/岩永鈴の2ペアが勝ち残ったほか、女子シングルスの山口茜、男子ダブルスの保木卓朗/小林優吾、混合ダブルスの緑川大輝/齋藤夏が準々決勝に駒を進めた。
今大会を最後に、ペア解消を発表している志田(上写真・右)/松山は、楊雅婷/楊霈霖(香港)に2−0で快勝。第2ゲームの前半は、相手にリードを許したが、10オールで追いついて引き離した。過去3回の成績に並んだが、志田は「ラストチャンスですけど、本当に2人で最後まで諦めない気持ちで、なにがなんでも表彰台に上がる気持ちで明日は頑張りたい」と初のメダル獲得にかける意欲を語った。8強入りした選手の中で、過去にメダルを獲得しているのは、優勝経験がある女子シングルスの山口と、男子ダブルスの保木/小林のみ。新たなメダル獲得者が誕生する可能性が出てきた。
3回戦で大きな勝利を挙げたのは、混合ダブルスの緑川(上写真・右)/齋藤だ。第3シードのデチャポル/スピッサラ(タイ)に2−1で逆転勝利を収めた。第1ゲームは、相手ペースのまま圧倒されて8点に抑え込まれたが、第2ゲームから齋藤が積極的にネット前へ出て相手の球をストップ。緑川のカバー力が生きる展開になり、試合のペースを奪った。最終ゲームは、僅差のリードを保つことで、さらにプレッシャーをかけることに成功。主導権を握り、相手女子への攻撃を徹底して勝利をつかんだ。緑川は「ミックスはもう自分たちしかいない。なんとしてでもメダルというところは、取りたいなと思っています」と次戦への強い意気込みを示した。
女子ダブルスの中西/岩永は、第7シードの李怡婧(リ・イージン)/羅徐敏(ルオ・シーミン/中国)に2−0で完勝。第1ゲームから岩永がネット前で相手の返球をストップする場面が多く、主導権を掌握。第2ゲームは追い上げられる場面もあったが、しっかりと勝ち切った。中西は「パワーゲームになると、相手の左右のフォアにいずれ捕まってしまう」と、ドライブ戦で優位に立てていない場合の選択に注意して試合を運んでいたことを明かした。
一方、この日は、空調の影響に苦しむ選手が多く、力を出し切れずに敗れる選手も目立った。女子ダブルスの福島由紀(上写真・左)/松本麻佑は、松本が得意のスマッシュが安定せず、シャトルの落下が予測できない状況に苦戦。G・ストエワ/S・ストエワ(ブルガリア)を相手に第2ゲームを取り返したが、ファイナルゲーム20-22で惜敗。20-18のマッチポイントから松本の打球がサイドライン際に落ちて「イン」と判定されたが、相手がチャレンジに成功。欧州選手を応援するスタンドの勢いに乗った相手に押され、逆転負けを喫した。
男子シングルスの西本拳太も、空調の影響により選択肢が制限される中で効果的な戦術を見出せず、周天成(チョウ・ティエンチェン/台湾)に1−2で敗れた。日本は、男子シングルスのみ8強進出者なしとなった。
世界選手権は3位決定戦は行われないため、準々決勝はメダル獲得をかけた戦いとなる。相手の攻略、目標達成に対するプレッシャー対策のほか、空調の影響が大きい会場への対応が求められる。また、保木/小林は、地元欧州勢を応援して熱気を帯びる会場の雰囲気との戦いも強いられそうだ。難局を乗り越え、日本勢として9大会連続となるメダル獲得を確定させ、準決勝に駒を進められるか。いよいよ、重要な局面を迎える。
日本選手の3回戦の結果、5日目(8月29日/準々決勝)の対戦カードは以下の通り。
【男子シングルス】
▼3回戦(8月28日)
奈良岡功大●1〔5−21、21−19、21−19〕②ロー・ケンイゥ(シンガポール)63分
西本拳太●1〔21−16、15−21、13−21〕②周天成(台湾)58分
▼準々決勝(8月29日)
石宇奇(中国) − 翁泓陽(中国)
ビクター・ライ(カナダ) − ロー・ケンイゥ(シンガポール)
ジョナタン・クリスティ(インドネシア) − クンラビット・ビティサラン(タイ)
周天成(台湾) − アンダース・アントンセン(デンマーク)
【女子シングルス】
▼3回戦(8月28日)
山口茜②〔21−11、21−17〕0●スパニダ・カテソン(タイ)34分
宮崎友花●0〔12−21、11−21〕②プトリ・クスマ・ワルダニ(インドネシア)38分
▼準々決勝(8月29日)
アン・セヨン(韓国) − シム・ユジン(韓国)
陳雨菲(中国) − ポンパウィ・チョチュウォン(タイ)
山口茜 – 韓悦(中国)
プトリ・クスマ・ワルダニ(インドネシア) − プサルラ・V.シンドゥ(インド)
【男子ダブルス】
▼3回戦(8月28日)
保木卓朗/小林優吾②〔13−21、21−11、21−17〕1●アルフィアン/アルディアント(インドネシア)54分
▼準々決勝(8月29日)
徐承宰/金ウォンホ(韓国) − マンWC/ティーKW(マレーシア)
保木卓朗/小林優吾 – アストルップ/ラスムセン(デンマーク)
陳柏陽/劉毅(中国) − 李哲輝/楊博軒(台湾)
シェティ/ランキレッディ(インド) − A・チア/ソーWY(マレーシア)
【女子ダブルス】
▼3回戦(8月28日)
志田千陽/松山奈未②〔21−13、21−16〕0●楊雅婷/楊霈霖(香港)41分
福島由紀/松本麻佑●1〔18−21、22−20、20−22〕②G・ストエワ/S・ストエワ(ブルガリア)
中西貴映/岩永鈴②〔21−16、21−18〕0●李怡婧/羅徐敏(中国)
▼準々決勝(8月29日)
譚寧/劉聖書(中国) − 賈一凡/張殊賢(中国)
中西貴映/岩永鈴 – クスマ/プラティウィ(インドネシア)
志田千陽/松山奈未 − 孔熙容/金ヘジョン(韓国)
G・ストエワ/S・ストエワ(ブルガリア) − ティナー/タン(マレーシア)
【混合ダブルス】
▼3回戦(8月28日)
緑川大輝/齋藤夏②〔8−21、21−19、21−16〕1●デチャポル/スピッサラ(タイ)49分
▼準々決勝(8月29日)
程星/張馳(中国) − ジケル/デリュウィ(フランス)
チェンTJ/トーEW(マレーシア) − カピラ/カラスト(インド)
郭新娃/陳芳卉(中国) − 緑川大輝/齋藤夏
フーPR/チェンSY(マレーシア) − 蒋振邦/魏雅欣(中国)
取材・文/平野貴也
写真/BADMINTONPHOTO
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