8月22日に中学生の日本一を決める全国中学校大会(大分・クラサス武道スポーツセンター)が開催された。大会2日目は団体戦の準々決勝から決勝まで行なわれ、男女の優勝チームが決定した。ここでは、女子団体のダイジェストを紹介する。
【女子団体】
実力拮抗の女子団体。接戦が多かった準々決勝を勝ち抜いてベスト4に進んだのは、連覇をねらうふたば未来学園中(福島)、四天王寺中(大阪)、ZEST(愛媛)、そして強豪・青森山田中(青森)との激戦を制したYANAI(山口)。準決勝はふたば未来と四天王寺、そして愛媛県勢初の決勝進出をねらうZESTと優勝候補のYANAIが激突した。
先に決勝の切符を手にしたのはYANAI。向かってくるZESTに対し、第1ダブルスの松村柑奈(上写真・左)/冨田琴子が13本、20本で勝利をつかむ。また、シングルスは1年生の阿波柚子菜が、ZESTの増本さわとファイナルゲームまで競り合う中、最後は冷静にラリーをつなぎ21−16で制した。
一方、四天王寺とふたば未来の試合は熱戦続き。第1ダブルスは、ふたば未来の平田葵/橋爪藍莉が激しい打ち合いをファイナル13本で制したが、シングルスは四天王寺の佐々木きい(上写真)が神林美彩に第2ゲームを奪われたものの、最終ゲームを9本に抑えて1−1に。第2ダブルスも互いに主導権を譲らない展開となったが、最後は四天王寺の水野璃美/山崎莉立が抜け出し17本、16本で勝利。四天王寺がふたば未来の連覇を阻み、決勝に進んだ。
YANAIと四天王寺の決勝戦。勝てばどちらも初優勝となる中、3面同時にスタート。すると、各コートでリードを奪ったのはYANAI。第2ダブルスの樫尾雫玖(上写真・左)/舛田舞羽が4本、16本で先勝し王手をかけると、第1ゲームを奪っていた第1ダブルスの松村/冨田、シングルスの沖本愛音がスピードアップ。四天王寺中も負けじと攻撃を仕掛けてポイントを奪いにいったが、あと一歩届かず。最後は松村/冨田、沖本が同じタイミングでマッチポイントの状況となり、先に松村/冨田が歓喜。ライバルチームを抑えて勝ち上がったYANAIが、高校の先輩たちに続き、見事夏の頂点をつかんだ。

上原麻美監督
(YANAI)
「高校生(柳井商工が3冠)がインターハイでいい結果を出して、〝次は自分たちが!〟という気持ちがすごく強かったと思います。簡単に勝てた試合はなかったので、優勝は素直にうれしいです。去年は、青森山田さんに悔しい負け方をして、チームとしては全中を勝つことの難しさを経験しました。そこを越えた(準々決勝で青森山田に勝利)のがよかったと思っています。
強い高校生たちを近くで見たり、ジュニアナショナルに選ばれたりする中で、彼女たちなりにプレッシャーをすごく感じていたと思います。ただ、そこから〝気持ちで負けない〟ということを、コートの中で出していった。どの試合も引かずに向かっていけたことが、彼女たちの成長にもつながり、そして優勝につながったと思います。
▼準々決勝(8月22日)
ふたば未来学園中(福島)2−1 shinshin(石川)
四天王寺中(大阪)2−0 名古屋経済大市邨中(愛知)
YANAI(山口)2−0 青森山田中(青森)
ZEST(愛媛)2−1 淑徳巣鴨中(東京)
▼準決勝(8月22日)
四天王寺中 2−1 ふたば未来学園中
森﨑葉名/坂本寧音●1〔21−19、15−21、13−21〕②平田葵/橋爪藍莉
佐々木きい②〔21−9、19−21、21−8〕1●神林美彩
水野璃美/山崎莉立②〔21−17、21−16〕0●神尾明希/畠山来夢
YANAI 2−0 ZEST
松村柑奈/冨田琴子②〔21−13、22−20〕0●神野莉子/苅田苺衣
阿波柚子菜②〔17−21、21−13、21−16〕1●増本さわ
▼決勝(8月22日)
YANAI 2−0 四天王寺
松村柑奈/冨田琴子②〔22−20、21−17〕0●森﨑葉名/坂本寧音
沖本愛音1〔21−9、23−22、打切り〕0佐々木きい
樫尾雫玖/舛田舞羽②〔21−4、21−16〕0●水野璃美/山崎莉立
優勝:YANAI
(山口)
準優勝:四天王寺中
(大阪)
3位:ふたば未来学園中
(福島)
3位:ZEST
(愛媛)
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/湯浅芳昭
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