8月25日、フランス・パリでバドミントン世界選手権が開幕する。日本代表は、世界選手権に向けて、8月15日から味の素ナショナルトレーニングセンターで強化合宿を行なっている。8月16日にはメディアに合宿を公開。練習後、注目選手が囲み取材に応じた。
ここでは、男子ダブルスに出場する保木卓朗/小林優吾のコメントを紹介する。
保木卓朗(左)&小林優吾
――7月のジャパンオープン後の状態は?
保木 ジャパンオープンもその翌週の中国オープンも現在世界ランキング1位の韓国ペアに敗れて、自分たちの課題というのがすごく明確に見えた。そこから切り替えて、この合宿に入るまでにしっかりと自分たちの弱点などを見つめ直して練習することができたので、今はすごくいい状態かなと思っています。
――具体的に見えた課題とは?
小林 保木が前に出たときに、韓国ペアには徹底してストレートに流すなどスペースを突いて、強打で仕留めるというパターンでずっとやられていた。そのカバーの練習やコンビネーションについて課題をもって取り組みました。
――楽しみながらプレーすることを大事にしていると言っているが
保木 昨年のオリンピックまでは勝ちにこだわりすぎて、自分たちの弱点という部分を深く見つめるのが難しいところもあった。今は純粋にバドミントンを楽しみたい、そして強い選手に勝ちたいという気持ちが二人の中にあって、お互いに素直に弱点を認めることができていると思う。強い選手たちに勝つために必要なことというのを、あらためてベテランの域になってわかってきたのかなというふうにも思います。
小林 今は勝ちにはこだわりながら、一生懸命を楽しむというのをテーマにしているのですが、二人のコミュニケーションがより深まって、深い意味で言葉を交わすことができている。今、二人で同じ方向を見られているのかなと思っています。課題を克服しようとするときも、同じ方向を見て戦えているので、今、二人のやりたいことが重なっているのかなと思います。
――世界選手権の位置づけ、世界選手権での目標
保木 正直、オリンピックが終わって、どこを目標にするのか難しかったところはありましたが、ジャパンオープンと中国オープンで世界ランキング1位のペアに負けて、より一層勝ちたいと思わせてもらった。世界バドミントンではメダル獲得というのが自分たちの目標になっています。
――オリンピックが行なわれたパリで開催される。リベンジという思いもあるか
小林 そうですね。オリンピックは厳しい予選グループだったというのもありましたが、自分たちのパフォーマンスとしても思うようなプレーが出せていなかったのかなと思っていて、すごく悔しさが残っています。あの舞台でもう一回できるというのはなかなかないので、それを楽しみながら、二人で頑張ります。
――ドローの印象は
保木 自分たちのランキング的に厳しい戦いになるというのは自覚はしていましたが、どのペアが来てもしっかり戦えるだけの力が自分たちにはあると思うので、自分たちのやることをしっかり出したいなと思います。
小林 どんなドローになったとしても「いいドローなんじゃないかな」と言っていると思うんですけど。今、それくらいの状態なので、相手が誰であろうと自分たちのプレーをする。また、相手がいいプレーをしてきたら、少し変化をさせるという考えをもっていれば、おのずと勝てるだろうと思っています。
取材・構成/バドミントン・マガジン編集部