7月19日に開催されたBWFワールドツアー・ダイハツジャパンオープン(東京体育館/Super750)は、各種目準決勝が行なわれた。ここでは、海外のライバルたちと熱戦を繰り広げた、日本選手のコメントを紹介する。
男子シングルス
渡邉航貴
準々決勝はフランスのアレックス・ラニエに0−2で敗戦
――試合を振り返って
今日は、我慢が足りませんでした。体よりもメンタルで負けてしまって、悔しいです。相手がすごく速いスピードで動いていて、ちょっと焦って、早く決めてしまいたい気持ちが出てきてしまいました。それが、相手を楽な気持ちにさせてしまったと思います。
――スピードが持ち味だが、相手も速かった
(ラリーの中で)もう2、3本我慢できていれば、アレックスは嫌がったはず。でも、こっちが、1本、2本で我慢をやめてしまった。それで相手が楽になって、どんどんスピードを上げてきてしまった。やっていて、すごく嫌でした。もっと自分から先手を取りたかったです。体が動かないというより、メンタル面ですごく我慢しなければいけないと思って試合に入ったので、長いラリーをすると、これをもう1回やらないといけないのか……とネガティブな気持ちになってしまいました。
――準決勝で演出もあり、観客も増えて、勢いに乗れる要素は多かったのでは?
1ゲーム目を取れなかったのが、気持ち的にきつかったです。昨日は、取られても大丈夫と思っていたけど、今日のスピード感のある相手に我慢するということは、自分もスピードを上げないといけない。その中で我慢をしなければいけないと思ったら、逆に、これ以上スピードを上げたらガス欠になるんじゃないかという気持ちにもなりました。応援の力ありきで、この結果だったのかなと思います。
――何度も対戦しているが?
スピードが速いし、タッチが早い。自分から先手を取れることがなかなかない。アレックスが疲れてきたときに(自分のスピードを)上げられればよかったけど、自分も疲れてしまっていました。欧州の選手は、スピードかパワーかというタイプが多いけど、アレックスは両方あるし、メンタルも強い。我慢もできる。気持ちでどんどん押されていると感じました。第1ゲームの19-20のときも、抑えてしまった自分がいたけど、アレックスは追い上げられていたのに、どんどん押してきた。ああいうところでも、気持ちが強いなと思いました。
――ベスト4という結果について
最近、全然いい結果を残せていなかったので、ポジティブに捉えられる部分もあります。もちろん、優勝できればよかったですけど、ここまでこられたことは、すごくいいこと。また反省をして、もっと強くなりたいです。
――大会を通しての収穫は?
連戦でも辛抱強くなったところ。でも、今日のプレーは、我慢が全然まだ足りない。体が小さい分、人一倍、我慢しないといけない。もっと練習から意識高くやっていきたいです。
――次戦に向けて
今日はゆっくり休んで気持ちを入れ替えて、来週の中国オープンに向けて、また自分の力を発揮できるように調整していきたいです。
――その先に向けては?
世界選手権があるので、そこで結果を残したいです。それまでに、どれだけパフォーマンスを上げられるか。
――この先は違う?
壁がありますね。全然、まだまだだな、力不足だなと痛感した試合でした。でも、やらなければいけないことが、どんどん明確になってきてはいるので、それはよかったかなと思う。
――日本勢で唯一、決勝進出の可能性が残った状況で試合を迎えたが、その点での緊張はあった?
めっちゃ、ありました。下(ウォームアップエリア)で、茜ちゃんたちは「流れを悪くしてごめん」みたいな感じだったけど「大丈夫! ラストサムライ、頑張ってきます!」という感じで出て行ったんですけど。全然、アレックスの方が元気でした(笑)。
取材・構成/平野貴也、バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳
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