7月18日に開催されたBWFワールドツアー・ダイハツジャパンオープン(東京体育館/Super750)4日目は、各種目準々決勝が行なわれた。日本選手は男子ダブルスを除く4種目が準々決勝を戦い、男子シングルスの渡邉航貴、女子シングルスの山口茜、郡司莉子、女子ダブルスの志田千陽/松山奈未が準決勝に勝ち進んだ。
女子シングルスは、山口茜(上写真)と郡司莉子が準々決勝に登場。タイのポンパウィ・チョチュウォンと対戦した山口は、過去の対戦成績で大きく勝ち越している相手に、1ゲームからペースを握って先制する。第2ゲームに入ると、「打たせて取るラリーをしたかったけど、決められることが多かった」と、相手の攻撃を抑えきれない場面もあったが、「自分から攻撃を仕掛ける形に持っていった」という後半は、接戦を展開。20オール以降も互いに主導権を譲らない勝負となったが、最後は山口が抜け出し24−22で勝利。ベスト4進出を決めた。
ジャパンOP初出場の郡司(上写真)は、世界ランク4位の韓悦(ハン・ユェ/中国)と激突。チームの先輩である山口に続けとばかりに、郡司が前半から勢いよく勝負を仕掛ける。「1点目からマックスのスピードでいきましたが、イレブンまではすごくきつかった」と格上の相手に全力でぶつかると、相手との我慢勝負に競り勝ち21−17で先取。第2ゲームに入ると体力面に不安もあったが「アドレナリンが出て、キツイという感覚があまりなかった」と郡司。我慢比べとなったラリー勝負で先行すると、中盤以降は郡司が点差を大きく広げ21−10。会心の勝利で準決勝に駒を進めた。
女子ダブルスは、ペアとして国内最後の大会に挑む志田千陽(上写真・右)/松山奈未が、韓国の孔熙容/キム・ヘジョン(韓国)と対戦。第1ゲームから主導権の奪い合いとなったが、積極的に攻撃を仕掛けた韓国ペアが先制する。
志田/松山は苦しい状況に追い込まれたが、長年コンビを組む2人は引かずに応戦。「今日は結構前に走ることができたし、気持ちで引くこともなかった」と志田。松山も「2ゲーム目の11点ぐらいから、コートも相手も見えるようになってきた」と、相手のアタックをはね返しながら自分たちのリズムに持ち込む。すると、第2ゲームは18オールから志田/松山が先に抜け出し、ファイナルゲームへ。最終ゲームも序盤から一進一退の攻防となったが、最後に競り勝ったのは志田/松山。「応援を力に変えることができた」(松山)と、シダマツを後押しするファンの声援をポイントにつなげ21−19で勝利。大接戦を制した志田/松山が、ベスト4入り果たした。
男子シングルスは奈良岡功大、渡邉航貴(上写真)が準決勝進出をかけて難敵と激突。渡邉は第1シードを破って勝ち上がった翁泓陽(ウェン・ホンヤン/中国)と対戦すると、第1ゲームは15本で先制を許す。2回戦の大激戦の影響かと思われたが、「朝起きたら、体は重たくはなくて、筋肉痛もなかった。昨日も第1ゲームを取られていたから、焦らずにいけば大丈夫かなと思った」と、冷静に第2ゲームをプレー。スピードを生かしながら、ラリーを組み立て21−15。ファイナルゲームも「まだ全然動けた」と、相手の強打をさばきながら得点を重ね、最後は21−11で逆転勝利。S750の上位大会で久々に準決勝へと勝ち上がった。
奈良岡はフランスのクリスト・ポポフにファイナル勝負まで持ち込まれると、最後は奈良岡が失速。「ベスト4にはいきたかった。悔しい」と敗戦を振り返った。
混合ダブルスは緑川大輝/齋藤夏と霜上雄一/保原彩夏が、強敵に挑戦。馮彦哲(フォン・イェンジァ)/黄東萍(ファン・ドンピン/中国)と対戦した緑川/齋藤は、相手の攻撃をしのぎきれずにストレート負け。霜上/保原もマレーシアのトップペアに圧倒され、ベスト8で戦いを終えている。
準々決勝(7月18日)の結果、準決勝の対戦カードは以下の通り。
【男子シングルス】
▼準々決勝(7月18日)
渡邉航貴②〔15−21、21−15、21−11〕1●翁泓陽(中国)71分
アレックス・ラニエ(フランス)②〔21−16、21−14〕0●慼又仁(台湾)49分
石宇奇(中国)②〔21−19、21−10〕0●王子維(台湾)49分
クリスト・ポポフ(フランス)②〔18−21、21−13、21−8〕1●奈良岡功大82分
▼準決勝(7月19日)
渡邉航貴 – アレックス・ラニエ(フランス)
石宇奇(中国) − クリスト・ポポフ(フランス)
【女子シングルス】
▼準々決勝(7月18日)
アン・セヨン(韓国)②〔21−16、21−9〕0●陳雨菲(中国)43分
郡司莉子②〔21−17、21−10〕0●韓悦(中国)42分
山口茜②〔21−15、24−22〕0●ポンパウィ・チョチュウォン(タイ)56分
王祉怡(中国)②〔20−22、21−17、21−16〕1●プトリ・クスマ・ワルダニ(インドネシア)86分
▼準決勝(7月19日)
アン・セヨン(韓国) − 郡司莉子
王祉怡(中国) − 山口茜
【男子ダブルス】
▼準々決勝(7月18日)
ゴーSF/N・イズッディン(マレーシア)②〔21−13、17−21、22−20〕1●アルフィアン/フィクリ(インドネシア)59分
楊博軒/劉廣珩(台湾)②〔18−21、25−23、21−17〕1●タンWK/アズリン(マレーシア)68分
徐承宰/金ウォンホ(韓国)②〔21−13、18−21、21−13〕1●マンWC/ティーKW(マレーシア)55分
テオEY/オンYS(マレーシア)②〔25−23、21−19〕0●王昶/梁偉鏗(中国)41分
▼準決勝(7月19日)
ゴーSF/N・イズッディン(マレーシア) − 楊博軒/劉廣珩(台湾)
徐承宰/金ウォンホ(韓国) − テオEY/オンYS(マレーシア)
【女子ダブルス】
▼準々決勝(7月18日)
譚寧/劉聖書(中国)②〔10−21、21−17、21−16〕1●ラマダンティ/マヤサリ(インドネシア)66分
賈一凡/張殊賢(中国)②〔21−18、17−21、21−15〕1●李紹希/ペク・ハナ(韓国)89分
ティナー/タン(マレーシア)②〔21−15、21−19〕0●鄭ナウン/李ヨヌ(韓国)55分
志田千陽/松山奈未②〔19−21、21−19、21−18〕1●孔熙容/キム・ヘジョン(韓国)86分
▼準決勝(7月19日)
譚寧/劉聖書(中国) − 賈一凡/張殊賢(中国)
志田千陽/松山奈未 − ティナー/タン(マレーシア)
【混合ダブルス】
▼準々決勝(7月18日)
馮彦哲/黄東萍(中国)②〔21−10、21−9〕0●緑川大輝/齋藤夏34分
デチャポル/スピッサラ(タイ)②〔20−22、21−14、21−14〕1●鄧俊文/謝影雪(香港)66分
チェンTJ/トーEW(マレーシア)②〔21−14、21−12〕0●霜上雄一/保原彩夏32分
蒋振邦/魏雅欣(中国)②〔21−13、23−21〕0●ゴーSH/ライSJ(マレーシア)38分38分
▼準決勝(7月19日)
馮彦哲/黄東萍(中国) − デチャポル/スピッサラ(タイ)
チェンTJ/トーEW(マレーシア) − 蒋振邦/魏雅欣(中国)
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳
販売部
(0120‐911‐410)