愛媛県松山市で開催された第75回全日本実業団選手権は、6月29日に愛媛県武道館で大会最終日を迎え、男女決勝戦が実施された。ここでは、日立情報通信エンジニアリングが初の頂点に立った、男子のダイジェストをお伝えする。
【男子ダイジェスト】
NTT東日本が2年ぶりの栄冠を獲得するのか、それとも初の決勝進出で勢いに乗る日立情報通信エンジニアリングが、悲願の優勝を果たすのか。注目の決勝戦は、ダブルスから激しい競り合いとなった。
第1ダブルスは、山下恭平/緑川大輝と霜上雄一/野村拓海の日本代表同士が対戦。この試合で先手を取ったのが、NTT東日本の山下/緑川だった。山下/緑川は序盤から積極的な攻めの姿勢を見せて21−14で第1ゲームの奪取に成功する。しかし、霜上/野村もあきらめることなく、第2ゲームは相手の攻撃をしっかりと我慢すると、13−18から自分たちに流れを引き寄せて逆転。このゲームを奪った霜上/野村は、ファイナルゲームを21−15で競り勝って、日立情報通信Eが先制した。
続く第2ダブルスも取って優勝に王手をかけたい日立情報通信Eだったが、松居圭一郎/玉手勝輝が柴田一樹/山田尚輝に黒星を喫してしまう。これによって、強力なシングルス陣を擁するNTT東日本に流れが傾いたかに思われたが、ここで奮起したのは日立情報通信Eのシングルスだった。
スコアが1−1となったあとの第1シングルスは、野田統馬が全日本総合優勝経験のある田中湧士に対して臆することなく向かっていき、13本、15本で撃破する。さらに、第2シングルスでも日立情報通信Eの牧野桂大が奮闘。武井凜生に第1ゲームこそ奪われたが、第2ゲームを19本で競り勝つと、最後はチームの勢いに乗った気迫のプレーで21−18。日立情報通信Eが国内団体戦で初めてとなるタイトルを獲得した。
【優勝コメント】
日立情報通信エンジニアリング
大嶋一彰コーチ
「実力はNTT東日本さんの方が上というのはわかっていたんですけど、それを上回る気持ちをつくればチャンスはある、ということは選手に話していました。それがほんとに今日の結果につながったのかなと思います。(優勝した)実感は湧きませんが、日本一をめざしてずっと頑張ってきたのが実った。今後、チームの成長をさらに加速していけると感じています」
▼決勝戦(6月29日)
日立情報通信エンジニアリング 3−1 NTT東日本
霜上雄一/野村拓海②〔14−21、21−19、21−15〕1●山下恭平/緑川大輝
松居圭一郎/玉手勝輝●0〔19−21、14−21〕②柴田一樹/山田尚輝
野田統馬②〔21−13、21−15〕0●田中湧士
牧野桂大②〔18−21、21−19、21−18〕1●武井凜生
優勝
日立情報通信エンジニアリング
準優勝
NTT東日本
3位
BIPROGY
3位
トナミ運輸
取材・文/吉井信行
写真/梅原沙織
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