5月24日に開催された2025年日本ランキングサーキット(埼玉県・サイデン化学アリーナさいたま)最終日は、各種目決勝が行なわれた。ここでは男女シングルスの戦いをレポートする。
【男子シングルス】
大林拓真(トナミ運輸/上写真)が、古賀穂(AC長野パルセイロBC)に2−0で勝利。2022年の全日本社会人以来のタイトルを獲得した。
攻撃力が武器の大林と、レシーブからラリーをつくる古賀。大林は豪快なジャンピングスマッシュを決めて雄叫びをあげ、古賀は驚異的なレシーブからチャンスをつくって得点を刻む。大林リードで進んだ第1ゲームだったが、古賀がじわじわ追いつき18オール。最後まで自分のスマッシュを信じた大林が、20-20から抜け出して第1ゲームを奪った。
第2ゲームは5オールの場面で、大林が右手の出血を訴えて中断。試合後、痛みはなかったと明かしたが、なかなか止血できず。やや慎重になったところを見逃さなかった古賀(上写真)が攻めて、リードを広げた。しかし、フィジカルを鍛えてきたという大林は、中盤からギアを上げる。磨いてきたスマッシュで得点を重ねて同点、逆転に成功。古賀もスピードを上げて追いすがったが、最後はラウンドからのスマッシュがネットにかかって決着。「トナミ運輸が国内の主要大会をすべて制覇」というチーム目標の第一歩を刻んだ大林が、コーチ陣とグータッチをかわした。
▼決勝(5月24日)
大林拓真(トナミ運輸)②〔22−20、21−15〕0●古賀穂(AC長野パルセイロBC)
優勝:大林拓真
準優勝:古賀穂
【女子シングルス】
元日本代表の水津愛美(ACT SAIKYO/上写真)が、古川佳奈(岐阜Bluvic)にストレート勝ちを収めた。ファイナルでの勝利となった2回戦以外は、安定した戦いで勝ち上がってきた水津。弾むようなフットワークでコートを駆け回る古川に対し、ドリブンクリアーで確実に追い込み、クロスカットを次々と決めて得点を奪っていく。第1ゲームは21-14で水津が先取した。
第2ゲームに入ると古川(上写真)のクロスカットが決まり始め、水津がアウトを重ねてしまう。攻撃的に先手を取ってラリーを奪う古川に、一時は5点差をつけられた水津だが、気持ちを切らさず攻撃の形をつくってついていく。中盤からはロングハイサービスに変えて、古川とのネット勝負を避ける策がうまくいき、追いついて逆転。互いにコートを広く使った見事なラリーが続く中、わずかなミスが勝敗を分けた。
最後は水津がフォアからクロス気味に放ったカットスマッシュが、ネットをかすめて古川のコートに落ちて21-18。念願の社会人初タイトルを獲得し、水津の笑顔がはじけた。
▼決勝(5月24日)
水津愛美(ACT SAIKYO)②〔21−14、21−18〕0●古川佳奈(岐阜Bluvic)
優勝:水津愛美
準優勝:古川佳奈
取材・文/平田美穂
写真/菅原淳
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